バレちゃった。
私は、ソフィアナ。
『只今、お父様からのただならぬ殺気を感じています…。』
はじめこそ、心配していた、オスターだったが、この状況が、ソフィアナの所業だと分かると、心配した分余計に怒りがこみ上げている状況のようだ…。
ソフィアナが、扉の魔法を解除して、出た廊下は、ちょっとした惨事だった。
無実のハスは、ハンスに殴り飛ばされて、壁に寄りかかるように倒れ、ラスは今にも、ハンスに胸ぐらを掴まれ、殴られる寸前だった…。
そんな廊下では、話にならないと、今は、みんなで、お父様の執務室に移動して、執務室にある応接セットに、私は、お父様に向かい合いながら、座っていた。
お兄様2人は、お父様の後ろに立っていて、私を見下ろしている。
私とお父様のソファーの間の床には、ハスとラスが、跪かられていた。
私の後ろには、青い顔をしたテレッサが、付いている。
「さて、ソフィアナ。詳しく説明してもらおうか?」
オスカーの地を這うゆうな、低い声に、ソフィアナは、膝の上にある手を握りしめた。
そして、大きく、ため息をつくと、小さな声で
「私、魔力無しではなかったみたいです」
と、呟いた。
「どういう事だ?」
オスカーは、片眉を上げ、ソフィアナに問い掛けた。
「いえ、ですから、私、魔力もちなんです。しかも、なんだか、とっても、沢山みたいでして…色々と…」
ソフィアナは、かすれるような、小さな声で、呟いた。
そして、
はたと、気が付いた。
『素直にペラペラ話しては、全て自分に不利になる…。私、頭をフル回転させろ!』
「………」
「………」
「………」
ソフィアナが、様子をみはじめたため、部屋に変な沈黙が落ちた。
「お父様…、今から説明するにあたり、2つ程お願いがございます…。」
先程とは違い、顔を上げ、目線をしっかりオスカーと合わせ、はっきりした声で、そう訴えた。
「願いだと⁈」
ソフィアナの言葉に、オスターは怪訝な顔をした。
しかし、ソフィアナから真剣な眼差しを向けられ、渋々ながら、頷いた。
「いいだろう、まずは言ってみなさい。聞き入れるかは、話の内容しだいだ。」
「願いは、2つ…
まずは、今から話す事をこの場の者達だけの秘密とし、今までと変わらない生活をさせて下さい?
もっ…もう一つは、私が望まない限り、私を何処かに嫁入りさせたりしないと…約束下さい。」
「秘密については、状況把握をしてからだ。
嫁入りは……。まあ、よかろう。ただし、行き遅れと言われる20歳までだ。それまでに、決まっていなければ、有無は言わさん。」
『これは、いい答えなのかな…⁈
後は…言わなきゃいけない条件ある⁈
まんまり無理な事を言えば逆に、全てがダメになりかねない…。
私の最悪はなに⁈
私の回避しなきゃならないのは…
王子の婚約者!
ならば、私の合意無しに、嫁に行かせない約束があれば、無理矢理には、話を進めたりはしないはず…。
力の事も秘密にしてくれれば、王家から注目もされないはず…そして、お父様は私に弱い…』
「はい。それで、結構です。」
「では、説明させて頂きます。」
ソフィアナは、徐に立ち上がり、ハスの側まで行き立ちどまった。
「色々とお話しするよりも、見て頂くのが、1番はやいかと…」
そういいながら、ハスの殴られた頬に触れ、治癒魔法を使う。
ハスの赤く腫れていた頬は、赤みも腫れも見る間にひいていった。
その状況に、父オスター、長男ハンス、次男グロスターは、絶句した。
「ハス、あなたは、私との奴隷契約で、私には、嘘がつけないわよね⁈」
いきなり頬に触られたかと思えば、あっという間に、ジンジン痛んでいた痛みがひいていき、急に、そう問われたハスは、反射的に、背筋を伸ばし、ソフィアナを見つめながら、返事をした。
「はっはい」
「お父様。お父様が、買ってきて下さった、ハスです。彼が土属性もちで、鑑定ができることは、ご存知ですよね⁈
ハス、私を鑑定して、みえるがままに、お父様にお伝えして…」
「え⁈あっえ⁈はっはい。」
慌てて返事をしたハスは、鑑定する為に、目に魔力を宿し、ソフィアナをみつめた。
「そっソフィアナ様の周りには、色はございません。」
「ハス、揺らぎはみえる?」
「ゆらぎ⁈ですか?ゆ…ら…え?⁈⁈
なんですか⁈これは⁈」
「ハス何が見えるのだ!ちゃんと説明しろ!」
ハスの態度に、ハンスが苛立ちげに、声をかけた。
「はっはい。ソフィアナ様の周りには、確かに色は存在しません。ですが…陽炎のようなゆらめきがございます。その揺らぎは…
この部屋より出てしまっているほどです。5〜6メートル以上は、あるのではないかと…」
「な⁈」
「え⁈」
「⁈」
「では、ハスそのまま、実況してくださいね。」
ソフィアナは、そう言うと、自分が鑑定するために、鏡の前でやったあの、水球を自身の周りに作り出した。




