ソフィアナ4歳
私は、ソフィアナ4歳。
ロゼスチャー国の公爵令嬢として産まれた、大人しく華麗で、心優しいお嬢様。
だが、産まれてすぐに、母を無くし、歳の離れた2人の兄と父オスターに甘やかされて育ったため、人見知りで、内気なわがままでお嬢様だ。
オスターが、甘いのは、母親がおらず、さらに、この世界では、貴族なら魔力持ちが当たり前なのに、“ソフィアナには、魔力が無い。”と、鑑定されていたため、それを不敏に思い、さらに、甘やかしに磨きがかかった。
さらに、成長につれ、母親によく似たソフィアナに、最愛の妻の面影を見て、愛しさがさらに増していた。
そうして、激甘オスターは、完成されていく…。
そんなオスターに、育ってられた4歳までのソフィアナは、魔力が無い事をコンプレクスに、人の陰口に怯え、臆病で、引き篭もりな、わがままお嬢様になっていた。
公爵家は、地位も名誉もあり、息子達も文武両道、見目麗しいため、他の貴族からの興味や嫉妬も多かった。
その、末娘は、魔力無しと、陰口を聞こえるように言うことで、公爵家への嫉妬を
幼いソフィアナにぶつける、悪質な大人も多かった。
その日も、すれ違った瞬間に、発せられた、悪質な陰口に、ソフィアナは、体を硬くし目眩を覚えた。
前日からの冷え込みもあり、精神的なショックに、風邪を拗らせ、高熱で、生死の境を3日間彷徨った。
その結果、ソフィアナは、前世の記憶を思い出した。
精神的ショックもおおきく、寝込んでいたソフィアナは、前世の記憶や人格に引きずられ、それまでとは違い、性格や考え方が、大人になった。
なぜって、前世は、日本に住む、朝野すみれ女性29歳、独身保育士。
仕事帰りに、車道に飛び出した、見ず知らずの子供をかばい死亡。ソフィアナに転生である。
アラサーの記憶が、いきなり4歳にやどれば、考え方が、変わるのも、当たり前で…
目を覚ましたソフィアナは、自分が、公爵家の令嬢である事を理解し、身分が高い事で、衣食住に困らない事に感謝したが、貴族のしがらみに、憎悪していた。
前世の記憶の方が濃い為、現代日本人さらに、一般人的な考え方で、更にはあまり人づき合いも得意ではなかった、すみれだったため、ソフィアナになっても、やはり人付き合いは、したくなかった。
だが貴族…したくないとか、言ってられ無い。
その証拠に2歳になる前から、厳しい令嬢のマナーや教育をされている。
今後を考えた。
今後は、5〜6歳頃、4家ある公爵家の中から、王子の婚約者を選ぶ事となる。ソフィアナをふくめ今の4家の公爵家には、3人の令嬢がいるが、
王子と年頃が同じ3人は、婚約者対象である。しかも王子は、2人。
第1王子のベルンゲラと第2王子のドミニクだ。
ソフィアナは、選ばれたくなかった。
王子の婚約者とか、人付き合いクソ面倒。腹の探り合いとか、無理無理。
ソフィアナは、今まで通り、いや、今まで以上に引き篭もって生きていこう。と、病床の中決意した。
ソフィアナが、目を覚まし、体を起こすと、3日間意識不明の娘を心配した、オスターと、執事のジョセフ、侍女長のセイエラが、ベッドの周りを囲んでいた。
ジョセフは、目を覚ましたのを確認し、すぐに医師を呼びに部屋の外に出て行った。
セイエラは、体を支えて背中にクッションを挟んでくれた。
オスターは、泣きながらソフィアナの手を握っていた。