大きな荷物…
なんだか甘い物が食べたくなったソフィアナ。
29歳独身女子。クッキーくらい作れる事を思い出した。
『久しぶりに、料理とかしたい!』
「テリー、街の食料品が揃う市場に行きたいわ。」
「賜りました…」
「ぶー!今はソフィだから、敬語なし。ソフィアナとも呼んだらダメよ。お忍びなんだから〜」
ソフィアナは、テリーに、おどけたように、話しかけた。
「え?あ。はい。わかりまし…。わかったわ。」
「そうそう。その調子。じゃ、市場へ、レッツゴー。」
「レッツゴー⁈」
「なんでもないわ。さー行こ〜って、気分で、適当に、言ってみただけ。」
市場で、色々買い物をした、ソフィアナは、買った物をもち、エスターの家に向かった。
買い物に、結構な時間がかかり、手紙に気付いたエスターが、そろそろ家に帰って居る時間になっていたのと、台所を借りる為だ。
エスターの家に着くと、案の定、扉を開けて目を丸くしたエスターが、迎えてくれた。
「エスター。こんにちは。ソフィーよ。覚えてる⁈」
「え⁈覚えているもなにも…もごもご」
ソフィアナは、エスターが、余分な事を口走る前に、抱きつきながら、口を塞いだ。
「覚えていてくれたのね⁈嬉しい〜。でね。今日は、こないだのお礼を買って来たの。もうそろそろ着くはずなんだけど…」
ソフィアナは、エスターには、わけのわからない事を言い、体を離し、後ろを振り返った。
すると、大きな荷物を荷馬車で運んでくる2人の男が居た。
「あ。お兄さんここです。ここにお願いします。」
「やあ、お嬢ちゃん、さっきはまいどあり。で、これはどこへ?」
体格のいい、お兄さんは、積荷をさしながら、ソフィアナに近づいてきた。
「えーと…ちょっと待ってて。」
ソフィアナは、エスターに、振り返り、
「あなたの部屋に置かせて欲しいんだけど…」
と、何が何だかわからない、エスターに、話しかけた。
エスターは、ソフィアナに対し断る言葉を持ち合わせていなかった…。
エスターのあまり使っていない荷物は、兄たちの部屋に持ち込まれ、ソフィアナが、買ってきたものが、エスターのへやに運びこまれた。
荷物の中身は、観音開きのクローゼットだった。
荷物を置いた、男達が帰って行くと、ソフィアナは、おもむろに、クローゼットの中に頭を突っ込み、背面の壁に手をついた。
数秒して、ソフィアナは、クローゼットから、頭を出した。
「よし!できた。」
「あっあの…ソフィアナさま⁈」
ソフィアナの行動にエスターは、困惑していた。
「エスターごめんね。このクローゼット、私の部屋のクローゼットとつなげちゃった。普段は、クローゼットとして使ってくれて大丈夫だけど、たまに、私が、出てくるからよろしくね。みんなには、内緒よ。」
「ええええ⁈」
ソフィアナの言葉に、エスターは、目を白黒させていたが、そこへ、キッチンを借りたいと交渉していたテレッサが入ってきた。
「ソフィー様、キッチンを貸していただける事になりました。」
「やったぁ。」
困惑しているエスターを置いて、ソフィアナは、キッチンへ行くため、部屋から出て行った。




