表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/142

王子は考える2

「おい。お前達、何者だ⁈名前は…⁈なぜ、われわれの迎えが来ると⁈」

つい、声に出してしまった…。


すると少女は、少女らしからぬ眼光を向けてきた。そして、

「・・・。とっとりあえず、王子様?迎えが来るにしても、時間稼ぎが必要です。魔法使えますか?」

と、問われた…。


「っつ…。われわれは攻撃魔法は、使えない。強すぎて、まだ制御できないのだ…使えば、街が半壊する…」

なぜか、威圧感を感じ、素直に、答えてしまう。


「半壊?でも、恐れながら、先程、魔法使われてましたよね?」


会話を聞こうとした事がバレたか⁈

「日常魔法は、大丈夫だ。だが、それ以上、特に攻撃魔法となると、制御できないのだ…。」

悔しさに、唇をかみしめそうに呟いた。

「防御は?」


「防御は、攻撃魔法と比例している。使えなくは無いが、制御できない。から、瞬間的にしか…持続は無理だ…」

ああ。自分達は何と無力か…

たぶん、この少女の方が自分達より、魔法を使いこなし、この状況を理解している…。

国のトップに立つべき自分達よりもだ…。


「わかりました。とりあえず、身の危険を感じたら、全力で、防御してくだいね。あと、私達の事は、居なかった事に…。黙って入れば、大丈夫です。何も聞かれません。お城から抜け出した、事は聞かれるかもしれませんけどね…では、私達を居なかった事にしてくださるなら、お二人に、今夜のみ魔法の制御をお授けします。お約束できるなら、お2人とも手を…」


何を言ってる⁈そんないとも簡単に防御しろと…⁈いや、彼女には、簡単なことなのか⁈制御⁈いない事にしろ⁈

彼女は、どれだけこの状況を理解し、魔法を熟知していると言うのか⁈どう見ても、我々より歳下だ…

神秘的な黒い瞳と、先程までは茶色かった髪が、いつの間にか黒く艶やかに光って、誘われるように、

おずおずと、手が彼女に、伸びていく…


「兄上だめだ。彼女若干だが、催眠魔法を使ってる…。」

な!?

ドミニクが、出しかけた手を握った。


「チッ。はぁー。ちょっと、手を掴みやすく誘導しただけではないですか…」

何⁈歳下のくせに、王子を王子と思わないこの態度、しかも、自分優位な考え方…子供とは思えん。

ひしひしと敗北感しか湧かない…。

この天才と褒められる、我々より、断然優れている。


「なんだそのわがままないいわけ…。信用なるか!」

ドミニクは、感じないのだろうか…。彼女に言い返しているが、負け犬の遠吠えにしか聞こえない…。


彼女は、さらに言う

「とりあえず、私達の目的は、あなた方の護衛ではないのです。私には時間が無いし、ある程度魔法が使えるなら、ご自分の事は、ご自分でなんとかしてもらおうと、思ったんですわ。この状況も、どうせ自業自得なんでございましょう⁈風の噂では、本日第1王子様は、急病なはずです。」


な⁈王子の容態しかも、今日の事を既に知ってる。近くに身内、もしくは、我々の知らない誰かが、探りを入れているのか…だが、なぜ、そう、我々を見捨てようとする…

仮にも我々は、王子だ…王子のはずだ…

「なっ。王子より大事な事だと!」

ドミニクも、そう思ったようだ。


我々は、守られて当たり前な存在なのだと、普段から思っていたから…

だが、彼女は、自業自得だから、自分で切り抜けろと…

我々を殺されるわけにはいかないと、言っていた彼女が、

我々には、その力があると、認めてもくれている。

ただ、制御できないだけだと…。侮辱されているようにも感じ…


侮辱!?息を飲んだ。


「あら、こんな小娘に、何かご期待になられてて⁈」

たったしかに、彼女なら何とかしてくれるかもと、期待を抱いていた…。歳下のしかも女性いや、少女に、責任を押し付けるなど、王子にあるまじき…いや、男としてあるまじき事…

「いや、そんな事は…」

言い訳しようか、考えていると、


扉が勢いよく開かれ、そこには、息を切らせた奴隷商らしき者が居た。



「なんて事だ…なんとしても、この事は、隠さねば。ただちに、この4人を始末しろ。今もこれからもここには誰も居なかった。わかったか?」


奴隷商の話を聞き彼女は、手をおでこに持っていくと、ふらっとふらつき、倒れた。


反射的に、我々は、彼女を支えた。

柔らかな黒髪と、滑らかな肌に触れた、

その瞬間、全身に暖かく何かを感じ、それが腕に集まって行った。

「さて、王子様方、その魔法陣がある腕でなら、攻撃魔法が、制御できますから、頑張って。朝日が出たら、その魔法は解けますからよしなに〜。くれぐれも防御を中心に。御身大事になさって下さいね。あと、お約束はお忘れなく。私達はここには居なかった。では」


少女は、そう囁くと、立ち上がって、自分達の周りにいる、数人の誘拐犯を風属性の魔法で、吹き飛ばした。


「な!王子の魔法か!?はやく、みなを集めろ。どんな手を使っても、この4人を殺せ!」

奴隷商はそう叫び、一歩後ろに下がる。


「ハス行くわよ。」


「え⁈でも、王子様方は…。」


ハス…それまでずっと黙っていた、少年を少女はハスと呼んだ。

そして、我々を残して消えた…


鳥籠の様な檻に捕らえられた。檻ごしに扉の向こうから彼女と目が合った気がした。そして

「檻を上手く使えば、防御しやすいわ。」

と、呟いて行った気がした…


檻を使う⁈

檻⁈防御⁈

結界の大きさを保つ骨組みにしろと言うことか!?


しばらく、防御魔法で結界をはり耐えていると、我々の近衛騎士がなだれ込んできて、救出してくれた。


なんとか助けだされ、城へと促される時、近衛騎士のハンスに、捕らえられていた、他の奴隷達に、黒髪に黒い瞳の少女か、茶色の髪に黒の瞳の少女がいなかったか聞いたが、居なかった。

ハスと言う、少年もいなかったか確かめたが、居ないといわれた…






近衛騎士のハンスが、王子が、帰ったあとに、

「ハス…どこかで聞いたなぁ…。黒髪…黒い瞳…そう言えば、可愛い、ぼくのソフィアナも黒髪、黒い瞳だなぁ。」

と呟いたことは、知らない…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ