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王子は考える

今日は、弟と2人で、誰にもみつからずに、花を買いに行く計画を立てている。


あまり物欲のない母親が、若い頃の話をして、一度だけ草原でみたスアズランと言う、白く香り高い花をもう一度見てみたいと呟いていたからだ。




その花は、庭にあるような優雅な花ではなく、野に咲く雑草のような物らしいが、なかなか蕾を開く事がないとか…。


お母様の誕生日が近い最近、たまたま、剣術の授業を受けるのに、遅刻しそうで、近道な、騎士たちの休憩場所の前を通った。


その時、その花の名前を聞き、不意に足を止め、騎士たちの話を盗み聞いた。

スアズランの蕾を咲かせる花屋が、城下にあり、

なんでも、街の女性には、人気の高い花で、恋を成就させるや、敬愛、純愛などの花言葉があることから、すごく喜ばれると…。

その騎士は、幼馴染の好きな女性に渡すのだと…言っていた。


だが、雑草とされている花は、貴族には、あまり受け入れられておらず、幼馴染は、貴族のご令嬢だから、花言葉ではなく、雑草と言うところに目を向け、怒ってしまわないかと、心配して同僚に相談しているようだった。


その話を聞いて、即座に母への誕生日プレゼントは、これしかないと思った。

プレゼントを決め、母の喜ぶ顔を思い描きながら、剣術の授業に向かえば、知らず、足は軽やかに進んでいった。

遅刻した事に、少し注意されたが、それどころではなかった。


一日の予定が終わり、自由時間になり、同じく自由時間になったはずの弟を探した。

探す間も無く、彼は部屋にいたのだが…。



ワクワクした心が、静まらず、弟の部屋にノックも無く突入すれば、読書していただろう弟は、目を丸くして驚いていた。


「ドミニク!母上への誕生日プレゼントは、スアズランの花束だ!」


「兄上、どうされたのですか⁈兄上が、落ち着かれない行動をされるのは、珍しいですね…⁈」


まだ目を丸くしている、ドミニクに、ベルンゲラは、先程の騎士の話をした。

「どうだ⁈敬愛。正に母上へ贈れる花言葉だ。母上も見たいと言われていたし、さらにだ!われわれ2人だけで買いに行くのだ!」


「な!?」

ドミニクは、やっと戻りかけていた目をまた丸くした。

「考えてもみろ、貴族には、好かれない花だぞ。それを我々が買い求めたとわかれば、また貴族連中から、母上の身の上について、身分が低いだの、何だの言われかねない…。だから、内緒で、買いに行くんだ!

われら2人で、自らのはじめの買い物は、母上の為と言うのも、なかなかいいプレゼントになると思うんだが、どうだ⁈」


7歳のベルンゲラは、5歳の割に落ち着きはらっているドミニクに、そう提案し、2人で、城から抜け出す計画を立てた。

街で目立たない服と、街で使って目立たない小銭を手に入れるのは、城に出入りしている下働きの商人を言いくるめて用意させた。

商人も王子とは思わず、承諾した。

用意された服は、けして市民が着るようなものでは無く、上等な物であったが、王子2人がそれを知る事はなかった。



それから、2人は、抜け出す為に、仮病になり、近衛騎士を遠ざけた。侍女にも、ぐっすり眠る為に、呼ぶまで入らないように命令をした。


後は、王族しか知らない避難用の通路を使い、2人で抜け出した。


街までは、結構歩いたが、直ぐに着いた。


花屋を探し路地の奥の奥へ行った時、数人の男に囲まれた。傭兵でもしている格好をした男達に、あっと言う間に意識を刈り取られ、頭陀袋に入れた。


男達は、この場合にしては、小綺麗な格好をしている子供に、金目の物が無いか探って、奪った。


子供にしては大金を持っていたことから、2人は、どこかの貴族の小間使いであると判断した。貴族は何か、体裁の悪いものを買う時は、小間使いを使い、自分への目をはぐらかす。よって、この小間使いが居なくなっても、貴族は、事を荒立てられない。何をどこに買いに行かせたかを話すより、新しく小間使いを買った方が、安いからだ。

男達は、2人を奴隷商に売る事にした。




男達に連れさらわれ、気がついた時には、どこかの屋敷の床に、茶色の髪に黒い瞳のコートを着た小さな少女と、その少女を庇うように、13歳くらいの茶色の髪と茶色の瞳の少年が居た。


弟のドミニクは、自分に寄り添って、警戒を露わにしながら辺りを見渡していた。

今は変に騒ぎ立てず、なんとか助けを呼ぶ必要が有ると考える。


周りを警戒して、考えわ巡らせているところに、奴隷商の執事がやってきた。

どうやら、ここは奴隷商のようだ。王子2人が奴隷とか笑えない…。そんな事を考えていると、

その執事が、鑑定をするという。


その言葉を聞くと、茶色の髪の黒瞳の少女が、そっとコートのフードを被り、兄なのか、茶色の髪の少年に泣きついた。小さな子が、こんな所に連れて来られたら、怖くて仕方ないだろうと、同情し、何気なく彼女を見ていたら、フードからこぼれていた髪が、黒に変わった。フードの影かと思ったが、いや、あの艶やかな黒は…

どうやら、変装が解けそうだから、隠れたと言う方が、正しいように感じた。


執事が、鑑定をし終わり、我々の正体に気付いたのと同じくらいに、彼女の髪は、また先ほどの茶色に戻っていた。


「兄上、この少女、闇属性の幻影を使っております。」

「何⁈先程は魔力無しと…」

髪の色…やはりそうか…。われわらの護衛か⁈こんな小さな子が護衛とか聞いた事がない。

いや、まず、希少な、闇属性の物が、ドミニク以外に居るなら、報告があるはずだ…。


すると、少女達も何やら話しをしている、

上手く行くか自信は無いが…。2人の話を聞いてみる。


「し!名前…大丈夫。時間……ば、近衛騎…様(お兄様)が、王子……むかえ…くるわ。そのゴタゴタに紛れて、……を迎えにいき、帰りましょう。さっき屋敷を探った時、地下の牢屋に……居…………。

と…えず、王子を殺されるわけには……ないから…」

途切れ途切れではあるが、近衛が、迎えに来るようだ。我々を殺されるわけにはいかない。と言っているから、敵ではなさそうだ…だがだが…



誤字脱字報告ありがとうございます。

下手な文章読んでいただきありがとうございます。


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