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タイ 〜ドミニク目線〜

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


幸せな夢を見ていた。


最近、セヌッシュとマリーのことで、モヤモヤしていたから、睡眠不足で、久しぶりの休みだと言うのに、部屋で、だらけている…。


午前中に休んだら、午後には、マリーの所に行こう。なんて思い、フランに、起床する時間を言っておいたが…。


マリーの夢を見ている今、起こさないで欲しいな。


寝ている僕の側で、微笑んでる…。


ああ可愛い僕のマリー。


夢ならば…その頬に触れてもいいだろか…?


右手を、マリーの頬に伸ばし、触り心地の良い肌を撫でる。



撫でたら、感覚がある。

なんとリアルな夢…

夢だよな…?

マリーが、僕の部屋にいるわけないんだから…


ゆ…め…


…………!


マリーの顔が、真っ赤だ!!?


一気に意識が、覚醒される。


目線が合い、手から伝わる感覚が、より明確な物になる…!


夢じゃない!!!!?


「マリー?本物?」


声を出せば、


「はい。おはようございます。」


と、はにかみながら、顔を傾げて、頬に触れている手に擦り寄り、微笑んだ!


あまりの驚きに、寝ていたソファーから、落ちたのは言うまでもない…。


その後、僕が落ちた音に、驚いた、フランとサラが、部屋に飛び込んできた。






マリーと、僕は向かい合い、ソファーに座り直した。

フランが準備し、サラが入れてくれた紅茶を前にしている。


「ドミニク様…大丈夫ですか?」


「あっああ。驚き過ぎて、すまない…。」


「いえ、私こそ、許可なく入室し、さらには、驚かせてしまい、すみませんでした。」


と、頭を下げ、悲しそうな顔をした…。

僕は慌てた。


「マリーなら、いつでも、好きに入っていいよ。

許可なんていらない。驚いたけど、嬉しい驚きだったし、全然嫌じゃない!むしろもっと驚いてもいい!

マリーと居る時間に寝ていたなんて、逆に自分が許せないよ。」


「まあ。ありがとうございます。いつでも、来ていいと、言われるのは、すごく嬉しいです。」


と、マリーは、天使の様で微笑んだ。


その、微笑みに見惚れて、沈黙が続いた。


『あ。しまった…。何か話さないと…。』

「マリー変わりはない?ソフィアナ嬢が、行ってしまって、話し相手が居なくて寂しいんじゃないかい?」


「あ。ええ、少し寂しいですが、先程までは、やりたい刺繍がありましたから………。」


「そうか、ならよかった。相変わらず、刺繍が好きなんだね。」


「はい。で…。あの…。」


「うん?どうかしたか?」


「あの…これを…」


マリーは、キレイにラッピングされた箱をこちらに差し出してきた。


『僕へのプレゼントだろうか?』


跳ねる胸を落ち着かせながら、表面上は、冷静に箱を受け取った。


「何かな?あけても?」


はやる心を抑えて、冷静を装い開封の許可をとる。


「はい。」


静かにリボンを外し、箱の蓋を開ければ…。


中には、タイと、ハンカチが入っていた。

確認するまでも無く、これはマリーが作った物だと分かった。

ハンカチは、以前にもらった、あの切れてしまったハンカチと同じ柄だ。

タイは、見たことの無い柄だが、ハンカチと同じ色の不思議な色の糸で、刺繍されている。


『タイをこれを僕に?』


女性からもらうタイの意味を僕は知っている…。

知っているんだ…。

それを僕に?

そう思えば、一気に顔に熱が集まり、赤くなったのが、自分でもわかった…。


ニヤける顔が、抑え切れず思わず、片手で口元を覆う…。


箱の中を見つめて無言で、赤く染まり口元を片手で、押さえた僕に、マリーの表情が曇った…。


「すみません…。やはり、迷惑でしたか…?」


頭に血が登りすぎて、小さく呟かれた言葉の意味が理解できない。


ようやく、その言葉が、脳に伝わって、やっと理解した。僕が無言で、停止したから、“気に入らなかった。”と、マリーが、思った事を!!!


「迷惑なわけない!!!!!

嬉しいから!嬉し過ぎて、ごめん、現実を受け入れるのに時間がかかっただけだから!だから、誤解しないで!!」


あまりにも、大きな声を出した事に、マリーは、驚いたようだが、僕も、誤解されない為には、必死だった。


「では、受け取って頂けますか?」


「もちろんだ。もう、返せと言われても返さない。」


「よかったです。」


胸を撫で下ろして、息を吐き、嬉しそうに笑うマリーの笑顔が眩し過ぎて、目が眩みそうだった…。



「そちらのハンカチは、身代わりのハンカチです。涙か、血を付けてから、肌に触れさせて、お持ちくださいね。」


「な!これは、ソフィアナ嬢が、体液、体液、連呼してた奴か!!マリーは?何を付けたの?」


「あ…。その。指先の血をそちらの赤い花の花弁に…」


それを聞き、花弁をみれば、薄っすらと色が変わっていた。僕は、青ざめながら、ソファーから立ち上がるとマリーに近寄り聞いた…


「マリー指は大丈夫なの?」


「ええ、針先で、少しだけですから、すぐに治りましたよ。」


「ハンカチ…すごく嬉しいけど、自分の体を傷付けないで…。」


マリーの両手をそっと握った。

白魚のようなキレイな手は、傷らしい傷は見当たらない。それに、安堵し、自分の額におしつける。


「大切に使うよ。ありがとう。タイも、もうこれ以外は、使わない。ずっとこれでいい。マリーの気持ちが、すごく嬉しいよ。」


心からの感謝をマリーに贈った。


こうして、この後も、マリーとの、優しい時間が、ゆっくり過ぎていった。





フランと、サラが、壁際で、ヤレヤレといった顔をしていたのは、きっと僕の気のせいだ!


今年が、読んで下さっている、皆さまにとって良い年となりますように〜。

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