表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
121/142

セヌッシュとサラ

セヌッシュ視点です。

今日は、朝からやたらと同じ髪型の侍女を見る。

何かあるのだろうか?


3日前帰ってから、初日に、ある程度の人への挨拶はすんだ。

今日は、ベルンゲラ様の護衛で、カルマイル国に行くのに、ハンスさんと護衛計画を見直す為、近衛騎士の休憩所兼、執務室に行く所だ。


すれ違う侍女をみて、ふと、サラを思い出す。


先日久しぶりに会った彼女は、以前にも増して、キレイになっていた。


ソフィアナ様の気まぐれで、サラが作ったクッキーと、お揃いのリボンも手にした。

偶然にだが、嬉しかった。


男の私が、リボンをするには、少し勇気がいる…。

だから、ハンカチに挟んで、胸ポケットにしまっている。

そんな事を考えながら歩いていれば、目的の場所についた。


コンコンと、近衛騎士の執務室の扉をノックすれば、ハンスさんの声がした。

許可を取り入室すれば、紙を差し出された。


「すまないが、急遽一つ仕事を頼まれてくれ。その場所にこの手紙を持って、護衛に向かってくれ。」


「はい。わかりました。では、護衛計画については、後日ですか?」


「ああ、明日のこの時間に、もう一度きてくれ。すまないな。」


「いえ、大丈夫です。では行ってまいります。」


ハンスさんに挨拶をした後、指定された場所に向かう途中、マリー様とソフィアナ様に会った。


「おはよう御座います。」

「おはよう御座います。」


と、挨拶を交わし、周りをみるが、サラは居なかった。その後、もう一度周りをみれば…


「今日は、ソフィアナ様やマリー様もその髪型なんですか?」


身分の高い令嬢が、揃って、侍女と同じ髪型だ…。違和感しか無くて、突っ込まずにはいられなかった。


「ふふふ。この髪型は、ちょっとしたおまじないなんです。」


「今度の旅の無事を願うおまじないなんです。相手は誰でもいいのですが…。皆思い思いに、大切な人の無事を祈っていますよね?」


「ええ、そうね。私は、ソフィアナ様のご無事を願って、黒のリボンを髪に編み込みましたわ。」


マリー様は、そう言うと、少しだけ後ろに振り向き髪型を見せてくれた。


確かに、マリー様の金髪に近い薄い緑の髪に、ソフィアナ様の、黒が混ざったように編み込まれている。


「相手の色が自分の色に埋れることで、自分が、相手を抱きしめているみたいじゃないですか?守っているように…」


ソフィアナ様に、キレイな笑顔で問われ…。

確かに、髪の色は、その人の属性が反映される事が多い…。個人を比喩するには、いいかもしれない。


「なるほど。ちなみに、ソフィアナ嬢は、誰の無事を祈ってみえるんですか?赤茶色は、ベルンゲラ様の色では、ありませんよね?」


「………。秘密ですわ。」


「そうですか…。」


「もしかしたら、セヌッシュ様の事を祈って居る人がいるかもしれませんね?深い緑のリボンをしている子を探してみたらいかがですか?」


「ソフィアナ様。セヌッシュ様は、おもてになるから、そこらじゅう緑のリボンだらけよ。」


「ははは。私のような、木の属性は、多いですからね…。確かに周りに緑のリボンが、ちらほら居ますが…、鮮やかなのは、どちらかと言えばフランです。私の様な黒に近い、深い緑の者は…。残念ながら、居ないみたいですね。」


「ほほほほ。そうね。“深い緑”は、居ないわね…。」


「あら?ソッソフィアナ様、こんな時間です。そろそろ、行きませんと…」


「え⁈あ!そうね…」


何が言いたかったのか、2人は、急に慌てて部屋の方へ行ってしまった。


まあ、私も、仕事を言いつけられていた為、どう話を切りあげるから悩んでいたから、丁度よいが…。




紙に指定された場所にいけば、1人テーブルに白い布をかけながら、せっせと何かの準備をしている侍女が居た。


今日、この場所に誰かが来るのは間違いないらしい。



準備していた侍女が近づいた私に気が付き、振り返った…。


「サラ…」


「え!?セヌッシュ様?え…。」


しばしの沈黙が、2人の間に流れた。


「は!あっ!あの、何か手紙をお預かりなさってませんか?本日こちらに始めにみえる方が、手紙を持って来ると言われておりまして…。ご招待する方は、その手紙の中に、詳細が書かれているので…」


「手…がみ…?」


「あっ。違いましたか?たまたま通られただけでしたか?それは、大変失礼致しました…。」


サラが慌てたように、頭を下げた。


いや、手紙…手紙…。ああ、ハンスから

「あいや、すまない、少し呆けていた。手紙は、これかな?」

ハンスから預かっていた手紙をサラに差し出せば、キレイな手が伸びて来て、丁寧にそれを受け取った。

裏返し確認すれば、マリー様の蝋印がされているとのことだ、間違い無いだろと、サラは中の手紙を確認して、固まった。


しばらく、待ってみたが、動かないので、声をかけてみることにした。

「サラ…。どうした?手紙には、なんと?」


「え!?え!?あっ!しっ失礼しました。」

サラは、これでもかと言うほどアタフタしていた。心配になり、一歩近づけば、


「こっ、こっ、こちらへどうぞ。」


と、椅子をひかれた…。


「私は、護衛として呼ばれたはずだが?」


「マッマッマリー様からのお手紙で、本日の招待客は、セヌッシュ様だと、書かれておりました。マリー様と、ソフィアナ様が、こちらにみえるまでの対応を任せてられました。どうぞお座り下さい。」


サラが、椅子を促し頭を下げた。

下げた頭に揺らめくリボンが、一瞬見えた。

今日のサラも、皆と同じ髪型だ…。


リボンの色は、丁度木陰になり見えにくい…。


サラは、促した椅子に、私が座らない事で、困惑していた…。困らせたい訳ではないので、素直に椅子に腰掛けた。


サラは給仕の為に、侍女帽を取り出して髪をしまった。

お茶やお菓子をワゴンで準備している後ろ姿から、リボンの色をみようとするが、見えない。


じろじろ見るのも、気が引けて、サラが振り向くより早くテーブルに向き直る。


お茶や、お菓子を給仕し終えたが、サラは、侍女帽を脱がない。おかわりなどの給仕に備えているのだろう…。


「サラ…。1人でお茶するのも寂しいから、一緒にテーブルにつかないか?」


「いえ、めっそうもございません。」


「頼むよ。騎士団なんて男ばかりだから、こんな優雅にお茶もしないし、給仕もされない。だいたい自分でやるからね。貴族だし、これが普通なのもわかってるけど、こういう扱いがない、辺境地にいたせいか、みんなで、テーブルを囲う方に、慣れてしまったみたいなんだ。どうも、落ち着かなくて…。せめて、2人で居る間だけ、テーブルに着いてくれないかい?」



「え…でも…」


「サラ頼むよ。」

困ったように、笑いかければ、


「はい…。では、お言葉に甘えて…」

とサラも向かい側に、座ろうとした…。


「あ。君のお茶とお菓子も準備して、座って。私がやってもいいが、慣れない事をして、城の物を壊すと、請求が怖いからね…。」

戯けてみせれば、サラは、くすくすわらいながら、自分の分のお茶とお菓子を取り分け、椅子に座った。


お互いに、何を話すでは無いが、最近あったことなどを、少しづつ話、笑いあった。居心地のいい空間に、胸の中が温まる。だが、それとは別に、サラの侍女帽の下のリボンを気にする自分がいた。


もし、自分の色だったら、どんなに嬉しいか…。

たとえ、自分の為でなく、同じ色の他の誰かの為であっても、自分だと、密かに思うくらいは、許されるだろう。

ただ、他の色だったら…

だが、マリー様の様に、女性同士で、まじないをしているかもしれない。

サラの事だ…。きっとマリー様の色をしているに違いない。

ああ。そうだな。それが一番しっくりくる。


逆に、マリー様の色意外なら…

それは、その人をマリー様より思っていると言うこと…。


ふと、そう思えば、胸を何かで切りつけられた様な痛みが走った。思わず胸を掴み机に寄りかかった。


それを見たマリーは、慌てて、こちらに駆け寄ってきた。


「セヌッシュ様?どうかされましたか?」


「………。」

マリーの言葉は、聴こえていて、聞こえていない…。

リボンが気になって仕方ない…。


侍女帽を留めて結んでいる紐が、一本、サラの耳の後ろから前に垂れている。


徐にそれを引っ張っる。


軽く結んであるそれは、ハラリと結び目を解き、スルスルと下に滑り落ちる。

それにつられるように、そのまま、支えをなくした侍女帽は、帽子としての形を保てなくなり、一枚の布になり、ついで滑り落ちた。


何が起こったかわからない様な顔で、サラはこちらをみている。

しゃがみ込んで、私を心配したサラを見下ろして居る私の位置からは、

サラの髪に編み込まれた、リボンの“深い緑色”が、ハッキリ見えた。

そして、私が、土産にし、マリーが選んだ、お揃いのあのリボンだった…これは…。


 

「サラ…私は、自惚れてもいいだろうか…?」

セヌとサラは、この後、セヌが抱きしめて、思いを通じ合ったんじゃないかなぁ〜と、私は、思いますが、皆様は、どう思われますか?

セヌの魅力に耐え切れず、サラが、逃げたかもしれませんね…?

そう。ご想像にお任せしますってやつです。笑


話のタイミングがありましたら、その後の2人を書くかもしれませんが、この2人は、こんな感じがいい気がしてなりません…。

なぜなら、まだ、サラはマリーに必要だから!笑


さてさて、こんなモヤっとで、申し訳ありません。


本当は、これで、今年ラストでしたが、やっぱり明日も更新します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ