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カルマイヤ国に行きたいかも?



「ねー、あなた、さっきから、なにしてるの⁈」



モリーンは、豊満な胸の下に腕をくみ、ソフィアナの奇行を見守っていた。


「うぎゃーーーーーー」


と、奇声を上げながら、ソフィアナは、ソファーに上半身を投げたし、手足をバタバタとバタつかせている。

先程、何があったか、聞いたアマニは、苦笑いだ。


「モリーン様、主が落ち着きますまで、どうぞお掛け下さい。お茶をいれました。」


できる侍女アマ二は、皇女様相手でも、臆さない。

暴れている、ソフィアナに対面しているソファーを進めた。

モリーンの入室は、ソフィアナが、許可している。主が許可した以上、モリーンは、アマニにとって、もてなすべき客であることは、間違いない。



「ねえ…これはどうしたの⁈」


モリーンは、アマニに尋ねた。

アマニは、苦笑いを浮かべながら、今朝の出来事を話した。


モリーンは、豪快に笑い出した。


「ははははは、あのベルン様が?ははははは。そんな子供のような?可愛いじゃない?何を怒っているのよ⁈」


「怒ってない!怒ってるのではなく、恥ずかしいの!居たたまれないの!騙されたのが悔しくてさらに恥ずかしいの!!」


クッションを叩きながら、叫ぶソフィアナを哀れな子を見るような目で、モリーンは、見ていた。


しばらく放置してなんとか落ち着いた、ソフィアナに、モリーンは、話しはじめた。


「ねぇ、冗談抜きで、色々話したいことがあるのよ。

食事の事もそうだけど、あのぬいぐるみ。作ったのはあなたでしょ⁈あれまた、作れない?」


「え?ぬいぐるみ?…ああ。ぬいぐるみ…は、作れますけど、手頃な魔石を取りに行かないと…。こないだのお風呂に乱入でやらかしたあと、ベルンゲラ様に魔石ほとんど没収されちゃって…」


「魔石があれば作ってくれるの?いくらで?」


「?一つ位なら、モリーン様とは友達みたいな物だし、モリーン様の護衛専用として、プレゼントしましよ。」


「本当!?」


「ですが、どちらにしても、ゲラ様の許可がいります…」


「じゃあ、じゃあ、うちの国に来て、魔石を採取してはどう⁈あるのよ。結構強い魔物が棲む場所が!確か神殿の洞窟よ。」


「え?そちらの国でも、魔物は洞窟にいるんですか?」


「私は、詳しく知らないけど、そうみたいよ。あと、神殿よ。なんかさ、謎だらけなの。カラクリみたいなものがあってね…。私達の言葉で近い物は…そうね。ダビィ○チコード?だっけ?なんか天才なんでしょ?あの有名な画家?建築家?あの人が色々な絵やら建築に、秘密の暗号を隠した…的な、あったじゃない。

あんな感じなのよ。うちの神殿。

お兄様の、占いでは、あなたが、開けれる人みたいなのよね。だから、そんな秘密や謎だらけの神殿中入りたくない?ミーハー心くすぐられない?」


「ミーハー心誘われます。けど、流石に、日本みたいに簡単に国を行き来できませんよね…。」


「まあ、確かにね。国での地位もあるから特に…。」


「ところで、占ってなに?」


「ああ。お兄様は、少しだけ未来視ができるのよ。

占いって言っても、ちゃんと当たる、魔力を使ったやつよ。

はっきり見えたり、見えなかったり、不安定では、あるみたいだけど、あなたが、神殿を開けた風景だけは、しっかり見えたみたいよ。


だから、あなたは、カルマイヤ国に、来ることに、なるのよ。近い未来…。

きっかけや、理由はわからないけど…。でも、そんな事、目の前の不思議や謎を解くためには、些細な事でしょ!?」


目を輝かせて、拳を握り、身を乗り出して、力説するモリーン。


「モリーン様…謎とか大好き?」


コテ。と小首を傾げるソフィアナ。


「ええ。何より錬金が大好き。錬金に関係しそうな謎も大好き。だから、神殿には、興味があるわ。」


「へー。ちなみに、錬金に使う物や材料は、どうしてるんですか?」


「魔石は、お兄様が取って来てくれるの。だって、ほら…」


『ああ…脳筋…』

「まだ見ぬ魔石〜。なかなか魅力的ですね…。ゲラ様に、聞いてみないとなんともですが、是非行きたいです。

でも、問題があります。恥ずかしいので、しばらくゲラ様には、会わない予定なんです。」



「まあ、また、子供みたいなことを…

仕方ないですわ…それなら、ベルンとあなたが、一緒に、カルマイヤ国に来るようにお兄様に、上手く話しを持って行ってもらいましょう。」


モリーンは、サクサク話しを進める。ソフィアナが、国に来たいと、言うなら、無理矢理連れて行くより、ずーっと簡単だからだ。







そうと、決まってからの、モリーンとカリトラムの動きは、はやかった。

ソフィアナの気が変わらないうちに!とばかりに、話をまとめていったのだ。


食糧の輸入に付いては、カリトラムが、マハルニア国へ、使いを出し現在経過中。

モリーンの厨房への出入りもカルマイヤ国に帰れば、許可される事となり、3週間後、ソフィアナは、ベルンゲラと、共にカルマイヤ国へ行く事になった。






準備の3週間は、あっという間に過ぎた。




そして、出発当日。見送りに来た、マリーが、ソフィアナに、


「旅の無事を祈って、こちらを準備しました。効果は無いからも知れませんが、気持ちだけ…」


と、身代わりの刺繍がされた、ハンカチを手渡してくれた。


「あ!これは、ありがとうございます。これは、涙を拭いて下さってますか?」


当然の様に、使用後をもらおうとするソフィアナに、戸惑うマリー。


「え!?涙ですか?」


マリーは、驚いた様に聞き返した。


「はい。涙です。血や唾なんかでもいいですけど…ようは、マリー様の体液が…」


「こら!まて!体液とか!痛いことや汚い事をマリーにさせようとするな!」


慌てた様に、会話に割って入ってきたのは、ドミニクだ。ドミニクの言葉が、『嫉妬心にしか、受け取れないなはなぜだろう…。』と密かに思うソフィアナ。


そんなドミニクをソフィアナが無視して、マリーをくすぐり出した。


「きゃあ、あははは。あはははは。やぁー〜」


爆笑マリーの目の端に笑過ぎて、涙が溜まった。

すかさず、ハンカチて、それを拭うソフィアナ。


「なっなっなっ!」と、怒りに固まるのは、ドミニクだ。

また、軽く無視するソフィアナは、その後、徐に、自分の指先を髪に刺していた飾りの先で刺した。


周りの皆が、騒然とする中、マリーからもらったキレイな白いハンカチが、赤く染まっていった。


「貴様!せっかくのマリーからのプレゼントになんて事を!!!僕がもらったのは、切れてしまったのに!!勿体ない!!」


「え?どういうことですか?」


マリーは、ドミニクの“切れてしまった”の言葉に反応した。このハンカチが切れる理由…それをマリーは知っている…。



「え?あ。いやその。大事にしていたんだ。決してわざとでは無い…。そのだなぁ…」



「ドミニク様。マリー様に感謝ですね。

ハンカチ。これと同じ模様でしたか?」


ソフィアナは、自身がもらったハンカチを広げて、ドミニクに見せた。


「え?あっああ。確かにそんな様な柄だった。」


「でも、あれ?あの刺繍は、本人が、刺繍しなきゃ、いけないんでしたよね?」


疑問を投げかけてきたのは、マリーだ。


「あれ?言いませんでしたっけ?刺繍した本人の体液をつけて、身代わりにしたい人の体液を混ぜたら、譲渡できますが…。あれ?だから、これ、今、私に下さったのだと…?違いましたか…?あれ?」


『なんだろう…マリー様の後ろに立つ、侍女サラさんから、めちゃくちゃ、こわ〜いオーラが、漂ってるけど…なぜかなぁ⁈あれ?譲渡の話し、私、言い忘れてた?』


ソフィアナの、笑顔が引きつる…。


自分の心の安定のため、サラからそっと視線は外しておく。


「ま、とにかく、どんな経緯でか、お二人が、同じハンカチに体液を混ぜて、それにより、ドミニク様は、助かった。それが結論でしょう。」


「話がわからん!そして、なんか、いかがわしいから体液、体液言うな!」


「あ。ちなみに、私も、先程マリー様と、このハンカチに、体液を混ぜました。」


わざと、体液と言いながら、ドミニクに言い返すソフィアナ。


「まあ。では、偶然では、ありましたが、私は、ドミニク様を守れたと?」


目を見開き、輝かせながら、マリーがそう問いかける。


「まあ、そうですね。自然に切れたなら、魔法陣が発動して、“何か”から軽い身代わりをした事は、間違いないですね。」


「ソフィアナ様、ありがとうございます。何もできない私が、ドミニク様の役に立てていたなんて…。すごく嬉しいです。

ドミニク様、また、作りますね。」


マリーのキラキラした笑顔で、何か色々言いたかったらしいドミニクの体は、固まった。

うんうんと、またマリーからの手作りをもらえる事づけに、喜び、首だけ肯定に動いているから、首振り人形みたいだ。


「マリー様、私こそ、ありがとうございます。刺繍、苦手なんで、嬉しいです。」



そんな話しをして、お礼を言い合っていれば、カリトラムと話をしていたベルンゲラが、ソフィアナと合流した。


それぞれ馬車に乗り、カルマイヤ国に出発した。

そう。実は、万能薬をとりに行った時、息がギリギリ続いたのは、このハンカチのおかげでした。

“あれ、このハンカチ、刺繍した人しかダメじゃなかった?”とか、“涙が染み込んだとか、血がかかった〜とか、書いてあるから、まさか!?”なんて、

気が付いてた方、居ましたか?

すごいですね〜。ちゃんと読んで下さってありがとうございます。


あの時は、ソフィアナ教え忘れないと、サラさんが普通に作れてしまうから、悲劇さがうすれちゃうかなぁ〜って思い、ソフィアナさんには、教え忘れてもらいました。


本当は、サラさんに激怒される展開も考えたんですが、そこまでおもしろくないし、侍女が、第一王子の婚約者を叱るなんてないから、睨まれるだけでやめました。アマニや、テリーなら有りだったかもですが…。


とりあえず、いつも読んでくださってる皆様ありがとうございます。

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