馬車ごと誘拐⁈
本日2個目です。ご注意下さい。
街への月一回の定期的な、奉仕活動が、マリーとソフィアナの習慣になり始めたころ…。
突然に、それは起こった。
いつもの様に、馬車にソフィアナとマリーが、2人で乗り込み、お喋りしながら、孤児院に向かっていると…
急に、馬車が揺れ、急に止まると外から荒々しい声が聞こえてきた。
ソフィアナは、勇者ミトと会ってから、できる限り着けている魔封じの腕輪をそっと外し、千里眼で、外の様子を伺う。
マリーは、怯えた様に震えている…。
騎士達は、馬車の周りを囲いながら騎士達が闘っていた。
敵は、ゴロツキの様な風体だった。
不意に、後方に居た、最近よくみるようになった騎士の1人が、御者を鷲づかみ引きずりおろすと、馬車を走らせ出した。
『敵なのか味方なのか…、目的は、どちらかしら…』
騎士は、ある程度、馬車を走らせ、人通りのない森の中に、馬車は止まった。
馬車の中にいる、令嬢2人に向かい騎士は、馬車の扉を開いた。
騎士は、大きな声で、
「マリー様、大変、失礼な事は、わかっていますが、どうか、どうか、再生の泉の場所をお教え下さい。」
と、扉を開けるなり、話しかけてきた。
マリーを庇うように、ソフィアナは、マリーの前に立っていた。
「こんな、誘拐のような事をして、あなた無事で済まないわよ。」
ソフィアナは、冷静に結界を張りながら話す。
「わかっております。ですが、私が、用事があるのは、第一王子の婚約者様では、ございません。マリー様です。そこをお退き下さい。」
「マリー様は、怯えてらっしゃいます。用件は私がお聞きします。」
「時間が無いので、失礼します。」
と、騎士は、ソフィアナの話しなど聞かず、当身をしようとして…、
はたと、気が付いた。
『2人の周りに結界が、張られている。』
騎士の殴ろうとした手は、結界に阻まれた。
「なんだこれは⁈」
『時間が無いのに、こんな物に邪魔されてたまるか!』
騎士は、ありったけの魔力を結界にぶつけた。
だが、結界は、びくともしない。
「なぜだ!!馬車か!馬車に、結界があるのか!?」
騎士は、わけもわからず、悔しがる。
『あの方を助ける手立てが、目の前に居るのに、手が届かない。』
諦めきれず、なおも、悔しさに、手を伸ばすが、結界に阻まれる。
だが、騎士は、結界に阻まれながらも、そのまま、あと少しの距離を詰めるため、手を伸ばし続ける。
手袋が、破れ落ちる、手に無数の傷が次々とつき、血が弾ける。
だが、そんなことは、構わず、少しでも、捕まえようと手を伸ばす。
「あなた…そうまでして、何がしたいの⁈」
ソフィアナは、その状態に、眉間にシワをよせながら、必死な騎士に、質問した。
「再生の泉の水が、いるんだ‼︎
場所を聞きたいだけだと、言っているだろう‼︎」
痛みに耐えながら、悲痛に叫ぶ騎士は、何かを必死で守りたいようにも見えた…。
「わっわたくし、ばっ場所を知らないのです…。」
その状況と必死さは、マリーにも伝わっていた。
マリーは、か細い声で、そう言うと、騎士は、愕然とした顔をした。
「そんなはずはない!その泉の水で、病が治ったと‼︎
ならば、泉の場所を知らないはず…」
呆然と、落胆の顔色に膝から崩れそうになる騎士。
「マリー様は、知らないわよ。
その時、瀕死だったから。取りに行またのは、私(嘘だけど知ってるのは嘘じゃない。)と、第一王子、第二王子と騎士達よ。
あの泉から水を汲むには、病を治したい本人か、病を治したい本人より、そのものを愛する者が、自分の命をかけて、または、引き換えに、汲むしかないのよ。
第二王子は、自分の命を彼女にかけて、成功した。
あなたが、助けたいのが、自分か他人か知らないけど、半端な気持ちでは、あの泉から水は、もらえないわ。」
ソフィアナは、冷静に騎士を諭す。
「半端なものか!?
お前が、知っているなら、お前でいい‼︎直ぐに案内しろ!」
「それが、人に物を頼む態度?」
ソフィアナは、怯えるでもなく、ハッキリと言い返す。
『たぶんこの騎士、根はすごく真面目で優しいのね…。愛する人の為に、危険を犯しこんな事までしてる…。騎士になれるほどだ。お金に困ってって感じでもさない…』
なぜか、ソフィアナは、お節介の心を刺激され、ウキウキしていた。
「っっつ。」
「まずは、その手、下げて…!あと、マリー様をお返しして。」
「だっダメだ。追手がきたら、泉に行けなくなる!」
「はー。あのね!泉の場所。
魔物が、わんさかなの。わかる?わんさかよ!
令嬢2人も連れて行けるような、柔な場所じゃないの。わかる⁈」
令嬢らしからぬすごい剣幕で、騎士にすごむソフィアナ…。
主導権は、いつのまにやら、ソフィアナが握っている…。
『誘拐したのは、私のはずなんだが…。』
少したじろいでしまう騎士…。
「さて、2人とも、こっちに…。マリー様を屋敷に連れて帰って。私は、大丈夫だから。」
ソフィアナが、そう言えば、侍女服を着た若い娘テレッサと、背の高い、従者服の男ハスが、背後から現れた。
2人は近づくと、令嬢の指示に従い、馬車の反対側の扉を開けた。ソフィアナをやや心配な表情で見るが、ほぼ無表情で、馬車からマリーを連れてだした。
「まて」
と、騎士は、手を伸ばすが、やはり結界に阻まれた。
「くそ‼︎」
マリーを連れた2人は、マリーが刺繍した布をひき、転送で、記事の前から姿を消した。
「なっ⁈」
「魔道具よ。お隣の国から作り方を頂いたの。」
「さ、私たちは、馬車で、お城の近くに…。」
「何!?城の近くなどいけるか!?」
「場所は、お城の近くにある洞窟。
兵の人が、入口を見張っているわ。その格好のあなたなら、すんなり入れるけれど、私は、入れない。
だから、まず街で着替えを買うわ。
それから、あなたがどれだけ強くても、1人では、無理よ。泉の水を汲んで命を落としたら、誰がそれを持ち帰るの⁈しかも、あなたが死ねば、帰りは一人で、洞窟を出なきゃならないのよ。そんな危険を犯してくれる協力者が必要よ。いる⁈」
「………。」
「いないのね…⁈
なら、私に、なぜ、その水が必要か、説明して。私が、あなたに、協力したくなる理由だといいんだけど…。」
「…国は、言えない…、」
騎士は、ソフィアナの迫力にまけたのか、しばらくの沈黙の後、話しだした。
「これは、私の判断で、国は関係ないから…。私のせいで、迷惑をかけたくない…。
わっ私の仕える姫が、我々の事を助けるために、全身に消えない傷を…。
それで今は歩く事すら困難になり…。
だが、仕事が…使命がある姫は、命を削ってその使命を果たしている…。姫が亡くなれば、国も危うい。
しかし、その前に、たった、16歳の少女が、1人他人の為に苦しみに耐えているのをなんとかしたい。
傷さえ無ければ…。使命を果たすのに命まで削る必要は無いのだ」
悔しくて、唇を噛みしめながら、そう説明する騎士は、自分の事より苦しそうだ。
傷ついた手をさらに握りしめていて、血が地面に水溜りをつくっている。
ソフィアナは、顔をしかめてしまう。そして、
「それが嘘だったら、承知しないから‼︎」
と叫べば、
「嘘なら…嘘なら…どれだけいいか…私も、こんな所には居ない…。」
つい、姫をを思い、本音を溢す騎士は、痛ましくて見ていられない。だがその一途な姿が、ソフィアナの心を掴んだ。
「わかったわ。協力してあげる。」
ソフィアナは、ニッコリ微笑むと、そう答えた。
「こんな話信じるのか⁈」
「嘘なの⁈」
「嘘では無いが、人が良すぎるだろう。お前は、誘拐されたのだぞ⁈」
「ゴロツキから、私達を守るために馬車で、逃げた。わがままな、令嬢が、洞窟で、魔石狩りがしたいと言い出した。仕方なく付き添いをする。誰も誘拐されてないわ。」
ソフィアナは、耳にあるイヤリングを触りながらそう話した。
「はあ?そんな事…!マリー令嬢から、他の奴らが、事実を聞いて、今頃大騒ぎだ。そろそろ、あなたを探している頃だろう。」
「そんな事ないわ。マリー様は、私の実家に居るし、私が、今、私の従者達には、私の行動を伝えたから、合わせてくれる。大丈夫よ。そのかわり、洞窟で得た魔石は、私がもらうからね。」
『なんだか、よくわからない』が、騎士は再生の泉に行ける事を理解した。
『必ず泉の水を姫様に届ける。』と、心に誓い、城に近い洞窟へと2人で向かった。
お待たせしました?
以前ブックマークで、100人を超えた感謝サプライズ?らしきものを準備していると報告していました。(覚えてみえますか?)
なんとか形になりつつありますので、報告します。
ブックマークマークの方々に、喜んで頂けるかわかりませんが、
「王宮魔術師年齢詐称」
https://ncode.syosetu.com/n7168gm/
が、今回のサイド話?となっています。かぶっている数話を頑張って、同時進行して行く予定でいます。
楽しく又は、嬉しく思って頂けたらいいのですが…。
こちらを読まなくても、もちろん話は、わかりますので、大丈夫です。
いつも、読んで頂きありがとうございます。感謝の気持ちが伝わればと思います。




