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ただいま。

いつもの城のいつもの部屋…。


朝になり目を覚ましたソフィアナは思う。


『何だが懐かしく感じてしまうのは、色々あったせいだろうか…』


ソフィアナはそんな事を思いながら、自分の部屋のベッドに腰掛けていた。



侍女に起こされるより先に起きれば、侍女にお小言を言われてしまうが…



今日は、久しぶりに、マリーとお茶をする約束だ…。



ついつい、楽しみになり、ベッドから起きてしまう。




本当は、帰って直ぐに、会いに行きたかったが…


そうもいかず、色々段取りをすれば、帰って3日が過ぎて、やっとマリーと会える事になったのだ。


ソフィアナには、数少ない友達だ、ウキウキしても仕方ない。




「マリー様。」


「ソフィアナ様。」


「「ご無事でよかったです。」」


2人して、淑女、云々は無視で、抱き合いお互いの無事を喜びあった…。



「マリー様…。私が、倒れた間に、マリー様もお倒れになったとか…。無事に今お会い出来ることを本当に嬉しい思います。」


「ソフィアナ様…。私も、気が付いた後に、ソフィアナ様が、面会謝絶とお聞きして、心配で、心配で…。本当に、今、お会いできて、心から安心致しました。」


ひとしきりお互いの無事を確かめ合い、喜び合った後、話の流れは、マリーの悩み相談になった…。



「最近、ドミニク様が、私を避けているんです。病気が、治った事で、ドミニク様は、婚約を解消なさるおつもりなのかもしれません…」


「え!?」

『あのドミニク様が、マリー様と婚約解消!?あり得ないでしょ!?』


「マリー様、何かの間違いじゃありませんか!?」


「ですが、この前………


「病気が良くなってしまったから………」

と、言葉が途中で、止まり、その後続いた言葉は、「君が謝る必要は無いよ…。謝らないといけないのは…僕だから…」


って言われてしまったんです…。」


「私の病気がよくなってしまった…って…。私が病気でいた方が、ドミニク様は、よかったのでしょうか!?

みんなが噂する通り、あの時、私が倒れた責任だけで今まで婚約者としていて下さっていたんでしょうか!?

病気が治ったから、もう…私でなくても良くなった…のでしょうか…。


でも、なら、どうして、危険を犯してまで薬を取りに行かれたのでしょう!?


私、私もう、わからなくて…。

ソフィアナ様…

どうしたらよろしいと思いますか!?

私、ドミニク様に、

「ドミニク様が、言いにくい事をおしゃりたい事が、わかりました。ドミニク様の判断に任せます。

もう、今までのように、尋ねて行くなどは致しません。申し訳ありませんでした。」

って、言ってしまった手前、会いにもなかなか行けず…。もう、どうしたらいいか…」


『う〜ん。これは、恋する乙女ってやつですか⁈

側から見たら、相手も、彼女の気持ちも、バレバレなのに、当の本人たちが、不安で押しつぶされて、周りが見えない奴ですか!?』

「そんな心配されてる、マリー様も、可愛いんですけどね…。少し、私と、周りを見て視野を広げる為にも、気分転換にも、街へボランティアに行きませんか!?」


「ボ、ボラ!?」


「あっ、失礼しました。慈善事業に行きませんか!?子供達も可愛らしく、楽しいですよ。

子供達をみていれば悩んでる事が、無くなるわけではありませんが、悩む暇などないほど忙しくして、いられますから、いい気分転換になるかと…。」


「そうですか!?」


「はい。私の外出許可をもらいながら、護衛はこちらで、ベルンゲラ様にお願いしますから、マリー様は、当日まで、まわりには、秘密で、お願いしますね。」


「はい。わかりましたわ…。私、外に出る事や、街など、ずっと行けなかったので、楽しみです。」


「とりあえず、楽しみましょうね。」


ソフィアナは、ニッコリ笑顔を返した。




「あ!そう言えば…。サラ…あれを…」


マリー様は、何かを思い出したように、侍女に何を持ってくるように指示した。


侍女が持って来たのは、筒状に丸めた布だ。


「こちら、実は、結構、前に完成していたのですが、お互いに、寝込んでいましたから、渡しそこなっていました。どうぞご確認ください。」


マリーは、ソフィアナから頼まれた大きな刺繍をソフィアナに渡した。


「これは!ありがとうございます。」

『頼んでおいた転送陣!』


ソフィアナは、目を輝かせながら受けとった。


2枚頼んでおいた、一枚は、テリー達に預け、使い方を教え、もう一枚は、ソフィアナの部屋におく予定だ。


「ちなみに、こちらは何か、お伺いしても!?」


「え………と…。」

『素直に教えていいのかなぁ…!?私の力は、秘密だけど、魔法陣が好きで詳しいのは、もうバレてるからなぁ…。あんまり嘘付きたくないし…』


「秘密ですよ。

これ、実は転送陣なんです。マハルニ国に捕まった時に、向こうで、協力したお礼に写させてもらったんですが、魔法陣だけでは、バレてしまうので、魔法陣のみ魔石のインクで描き、周りの絵は、普通のインクで飾るように描き出して、魔法陣を誤魔化しています。そこに、あの魔石の刺繍糸で刺繍してもらえば、インクと糸2つが重なった所だけに、魔力が流れて発動します。騙すような形で、刺繍させてしまい申し訳ありません…。」


「そうだったのですね〜。秘密にされたのには、理由もお有りでしょうし、それは、構わないのですが…。えっと、これ、(魔力が無い)ソフィアナ様は、お使いになれるんですか!?」


「魔力のある人に協力を得れば…。」


「私で、お役に立てるなら、いつでも、おっしゃって下さいね。」


「あ…え…っと…。はい。ありがとうございます。普段はベルンゲラ様の許可なくどこかに行く事はできませんから、大丈夫で………。」

『私一人でも使えるしね…』

マリー様が、急に近づき、ソフィアナの手を握り、小さな声で囁いた。


「ベルンゲラ殿下に、秘密の時とかの話です。」


と、悪戯した子供の様に、少しだけ舌をだし、はにかんで笑った。


『てっ天使が…なんだこの可愛い顔。顔は、天使なのに、小悪魔か!?』

と、訳の分からない思考は、ソフィアナだ…。


「たまには、2人でって言うのもいいかもしれませんね。」

ソフィアナも、小さく舌を出し、2人で数秒見つめ合ったあと、年相応の少女のように、お互いにクスクス笑い出した。



「ゴッホン」

と、わざとらしいサラからの咳払いで、お互いに淑女に戻り、姿勢を正した。



その後も、夕食ギリギリまで、2人で、うふふ、あはは話ていたのだった…。





マリーの部屋を後にしたソフィアナは、ベルンゲラの執務室を訪ねた。許可を得てなかに入り、促されてソファーに座ると、ベルンゲラも向かいのソファーへと座った。



「で、話とはなんだ!?」


従者が、紅茶を2人の目の前に置き、壁際にさがったタイミングで、ベルンゲラが、声を上げた。


「確認したい事が、2〜3ございまして…」


「なんだ!?」


「あの(私が作った)泉に、入って、マリー様に薬を取りに行ったのは、ドミニク様で間違いないのですよね!?」


「ああ。あの泉の条件で、あそこまでたどり着けるのは、ドミニクしかいないだろう。マリーの親でも、まず、洞窟の奥まで行くのが難しい。」


「では、ドミニク様が、マリー様を愛してみえるのに、今もなんら変わりないと、言う事でよろしいですか!?」


「ああ…。あ、いや、変わりはあるかもしれん…」


「どう言うことですか!?」


「こらこら、僕はドミニクじゃないから…。この殺気しまいなさい…」


「どう言うことですか!?」


「悪化している。」


「はぁ!?悪化!?」


「ドミニクは、マリー嬢から倒れる前に、婚約破棄を申し込まれていた。病気の時ですら、帰りたいと言っていた彼女が、病気が無くなり、城の治癒師を必要としなくなった。ドミニクは自分を必要としなくなった彼女から、別れを言われるのではないかと、毎日怯えている。」


「はあ!????」


「なんとか、マリー嬢の気持ちをドミニク向けさせたいとは、思っているのだが…。先日もマリー嬢から謝られ、危うく別れを言われるところだったと、真っ青になりながら、ここに来ていた…。」


「え!?まって‼︎まって‼︎まって‼︎ゲラ様まで、マリー様の気持ちわからないんですか!?」


「?マリー嬢とは、たいして話す間柄でもないからな…。ドミニクが言うのだ、正しいだろう…」


『ダメだ!この兄弟‼︎恋愛脳がないのか!?』


「わかりました。マリー様の気晴らしに、マリー様と慈善事業に、孤児院に行きたいと思います。許可頂けますか!?あと、護衛を2人分お願いしたいです。できれば、ドミニク様が護衛して下さると、嬉しいですが…」


「あいつは、今、マリー嬢に会わないようにしているからなぁ…。うんと、言うかどうか…」



「マリー様にわからなければいいんです。闇属性お持ちですし、変装でも、なんでもすればいいんです。」



「まあ、聞いてみてるだけは、しよう…。孤児院への視察も許可を出して置く。」



「ありがとうございます。」


「私には、護衛して欲しいとは言わないのか?」


ベルンゲラが、ソフィアナに、素っ気ないそぶりを装って聞いているが、目は期待している。


「あ。ゲラ様は、…。」


と、返事をする途中で、扉の外が騒がしくなた。


「ベルン様〜。今夜は私のお相手して下さる、約束ですよ〜。うふふふ〜。」


なんとも、華麗なお嬢さんが、ベルンゲラの執務室に突入して来た…。


「今夜は、私のお相手?約束?………へ〜。それは、それは、私は、お邪魔なようで…失礼致します。」


ソフィアナからは、部屋も凍るほど冷たい視線が、ベルンゲラに注がれた…。


「ち、違う!誤解だ!」



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