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魔女好き

前まで書いていた作品を全部削除して1からやり直しました。1作目だと思って頂ければ幸いです。どうか楽しんでいってください。

満月の夜。それはそれは月が綺麗な夜。そんな日に魔女が飛んでいたとしたら、どれほどファンタジーだろうか。多分、俺は目を輝かせその光景に見入るだろう。まあ、そんなことあるはずないのだが。


5月中旬、よく晴れた日、風の心地いい日。部屋の窓を半開きにして春風に煽られながら本のページをめくる。丁度挿絵のあるページでそこには紺色のワンピースに同色のとんがりボウシ。肩には黒猫を乗せて、右手には身体より大きなホウキを握りしめている女の子。第9巻にしてようやく魔女きらりの最大にして最凶の敵、魔女キャサリーヌの登場。しかしその姿は魔女のイメージそのままで特徴がない。

.........可愛いからまあいいや。

俺が読んでいる本は「魔女っ子きらり」というライトノベル。名前の通り魔女きらりがJKしながらも悪の敵と戦うという内容。最近になって魔女ブームがきているのだが、このラノベはその先駆けである。俺はこのラノベがまだ無名の時から読んでいて、2ヶ月前にアニメ化発表されたときは凄く嬉しかった。無名の時から読んでいる本がアニメ化するまで有名になったのだ。多分、作者並みに喜んだ。

「何読んでんの?」

「うぉわぁっ!」

後から急に声をかけられ驚きのあまり椅子から転げ落ちる。お尻を強打した。痛い。

「そんな驚く?」

と言いながらクスクスと笑っているのは同じクラスで同じ部活の成瀬 伊愛。小柄でどこか垢抜けた顔ながら顔立ちはよく俺は可愛いと思っている。それにしてもお尻が痛い。

「いや、普通の反応だと思うんだけど?」

「ごめんね。凄く真剣に読んでたからなんだな可笑しくてさ」

未だに涙目になりながら笑ってる伊愛を睨みつけながら、

「今度からはやめてくれるかな」

「え?あー、うん。....あ!」

「な、なんだよ次は」

「そ、それ....」

「どうしたって....あぁ!!!!」

伊愛が指さした方を見るとそこには先程まで読んでいた本が倒れた椅子の下敷きになっていた。表紙が見事に半分に折れてしまっている。

「あぁ、あぁ、あぁ......」

「................」

何も言わない伊愛。大粒の涙をこぼしながら間抜けな声を出す俺。それを嘲笑うかのように風が吹き込んでくる。

「えっとそのぉー....ごめん!弁償するから!」

ぱちんっと手を合わせて謝ってくる伊愛。普通なら弁償すると言っているのでそれで許せるのだが、

「無理だよ!!これ、数量限定の特別表紙でもお、販売終わってんだよ!!先週開店前から、朝5時から並んで手に入れたんだよ!!!!」

許せない!許せない!!怒鳴り散らし息が上がる。でも許せないんだ!!!

「そんな....ほんとにごめん......」

涙目になりながら謝ってくる伊愛。本気で反省してるようだ。その顔にすこし怯んでしまう。

「はぁー....せっかく早起きしたのにな....」

あぁ、憂鬱だ。起きるの辛かったんだぞ。普通なら高校生が日曜日の朝5時なんかに本屋に並ばないだろう。くそぅ....

「あのー」

「なんだよ....」

尚も泣きながら答える。

「私のでよければいる?」

「え?」

「実は私も発売日の朝から並んでてさ。最後の1冊、ぎりぎり買えて」

「ま、まじで!?ナイス!ファインプレー!!」

「ひゃっ!」

伊愛が変な声を出す。嬉しさのあまり肩を掴んでしまったのだ。

「す、すまない」

すぐに手を離し謝った。伊愛は目を逸らし少し顔を赤らめた。恥ずかしそうに。なんだかこちまで恥ずかしくなってくるじゃないか。

「と、とりあえず!明日本持ってくるから」

「お、おう。頼む」

気まずい....なんだってずっと恥ずかしそうにしてんだよ!可愛いじゃねえか!なにか話題を作らないとな。

「なんかするか?」

「う、うん」

尚も目を逸らしている伊愛。

「じゃあ、オセロしよ!」

無理矢理笑顔をつくるが多分だいぶ変なんだろうな。伊愛は目を逸らしたままで反応なしだし。

「オセロどこにあったっけ?」

「棚の奥」

「そうだったな。サンキュ」

部屋の右側にある棚にはゲームのカセットやらボードゲームやら漫画やらいろいろ置いてある。なぜこんなにも置いているのかというと部員のみんなが暇つぶしと言って持ってるくのだ。多分、この部活、アニメ研究部は学校で一番自由だろう。呼び方は略してアニ研である。

「あったあった」

オセロのセットを見つけて棚の奥から取り出す。最近使われてなかったせいか埃が被っている。その埃を払って机の上に置く。

「よーし、やるか」

椅子に座ってオセロ盤を取り出す。伊愛も向かいに座り、用意を始める。

「俺黒で、伊愛が白な」

「なんで?」

「いや、なんでって、特に理由はないけど」

「だよね」

え?なに?疑問に思う俺をそっちのけに鼻歌を歌っている。

「じゃあ、私先行で」

俺が反論する余地もなく白色の石で黒色の石をひっくり返した。まあいいか。


特になにか喋るわけでもなく淡々とゲームは進んでいった。時折、伊愛がう〜んとか、む〜とか、ん〜とか言っていたけど結局俺が勝った。

「よし、俺の勝ち」

「あーあ、負けちった」

「てことでジュース1本な」

「え!?なんで!?何も言ってないのに!」

「まあいいじゃん」

「良くない!!」

バタバタとしてる伊愛もまた可愛い。そんな伊愛は涙目で弱々しく胸を殴ってくる。

「お取り込み中すいません」

突然入ってきたのはアニメ研究部の1人、有山 絢音。

「お、おう有山」

「絢音!!!」

今まで狼狽えていたのに急に満面の笑みになって有山に抱きつく伊愛。どんな神経してんだよ。

「もお、なによ」

そう言いながらも嬉しそうな顔をする有山。

「えへへ〜」

有山にベタつく伊愛。有山は伊愛の艶のある茶色の髪を優しく撫でている。伊愛は有山にだけこんなに甘えるのだ。つまり親友ってわけ。羨ましいぞ!有山!まるで二人の周りに透明の水玉が飛んでるみたいだ。背景はピンク色で。

「で、二人でオセロしてたの?」

「そう!負けたんだけど蓮がジュース奢れって」

「賭けてたの?」

「後付で」

「あんた、いやらしいのね」

有山がジト目を向けてくる。

「ジュース1本くらい、いいだろ別に」

「やっぱ八樫ケチね」

「いや、そんなことないし!」

そして笑う有山と伊愛。なんだよ全く。そう思いながらも俺もつられて笑う。うんうん、これがアニ研だ。こういう和気あいあいとしたゆるい雰囲気。入部前からイメージしてた通り!

「じゃあ伊愛、私の分もね」

「えぇ!?えぇ!!!!!」






読んでくれた方ありがとうございます。どうでしたか?多分全然面白くなかったと思います笑笑。今後の展開に御期待を......

それではまた!

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