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プロローグ2

 白石優は子供の頃から神話などの物語が好きだった。


 小学生五年の時に将来の夢を聞かれたときに優は「僕は勇者になりたい」と答えると、周りに爆笑が起こった。優は不思議そうにすると担任の女の先生が言った。


「優くん、物語に出てくるような事はフィクションなんだよ。つまり全部嘘なんだよ。そんな夢みたいなことを言ってないで現実を見なさいと言われた」


 その日、優は自分の部屋で泣いた。


 中学生の時に優はイジメにあった、理由は調子に乗っているという事だった。家では親にいつも怒られていた。優は生きているのが嫌になった。ある日の夜中に偶然かかっているテレビでやっていたアニメを見た。

 優はアニメが終了をすると久しぶりに楽しいという気持ちになった。


 高校でもイジメにあったが友達がいたから耐えられた。だが、友達に裏切られて引きこもりになった。

 優は部屋から出ないで漫画やラノベを読み、アニメを見て、ゲームをやるだけだ。親にはすでに諦められているみたいで月に二万円を部屋の前に置かれている。それでご飯を買ったり、漫画やラノベを買っている。


 それから、三ヵ月後。

 白石優は久しぶりに外に出た。

 

 理由は単純でその日に発売した好きなラノベの最新刊の発売だ。いつもはネットで買っているのだが、なぜ今回はネットで買わないのかだって。

 それは、ネットでは付かない店舗特典が欲しかったからである。


 優がラノベを買って、家の帰り道の途中の事だった。横断歩道で信号が青に変わるのを待っていた。周りは優以外は誰もいなかった。

 横断歩道が青に変わって渡ろうとすると急スピードのトラックが優に向かってきた。優は自分が死ぬことが分かった。死ぬ前に優は今までの事を走馬灯のように思い出した。だが、死ぬことが怖くなかった。優はこの世界に未練がなかったのだ。


 そして、優は目をつぶった。


 だが、優はいつまでたってもトラックに当たった感覚は無かった。


 優は目を開けた。そこには先程いた横断歩道ではなく、見たことがない景色があった。

 周りは森らしく木以外は目の前にある長い道しかなかった。


「ここはどこなんだ」

 優はそう呟いた。そして、少しその場で立っていると目の前の道から馬車が出てきた。


 馬車は優の近くに来るとその場で止まった。馬車のドアが開いて、そこから赤い服を着た赤い髪の少女が降りた。少女が降りると中から騎士のような格好の女が降りてきた。


「君は一人で何をしているのかな。ここはアンデスの森だよ」

 少女は優がここで何をしているのか気になっているようだった。

 

 優は先程起こった事を話すと少女が自分の事を疑う可能性があったので隠すことした。


「僕の名前は白石優といいます。言っても信じられないのですが。じつは僕はいつの間にかここにいたんですよ。

 優の言葉は信じられるものではなかった。だが、赤い髪の少女は優が嘘を言っているとは思えなかった。


「そこのおまえ、嘘をつくではない。そんな事が現実に起こるはずがないだろう。嘘をつくならもっとマシな嘘でも言え」


 騎士のような女は優に威嚇をするように言った。優はその目に見覚えがあった。その目は中学校の時にみんなに犯人だと疑われたときの目と同じだった。優は自分の頬を一滴の水が流れたことに気がついた。


「なぜ、泣いている」

 騎士のような女は優が涙を流したことが以外だった。そのときに赤い髪の少女は口を開いた。


「あなたが悪いんですよ、ミシャー。この方が嘘をついているとはまだ分かっていませんよ。君は嘘をついていませんよね」


 優は首を立てに振った。少女はそれを見て笑顔になった。


「私はこの国の第二姫のエリ・エル二ールと申します。それじゃあ、君ではなくて白石優に聞く君は私の所に来てくれないかな」

 赤い髪の少女ことエリは優に尋ねた。


 これが運命の道の第一歩だった。この国で一番の問題児と評判になる白石優とその親友で一番の理解者になるエリ・エル二ールの初めての出会いだった。

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