激流暴風
目の前が闇に覆われる。手には、星の剣が握られていた。激流暴風がこちらへゆっくりとやってくるのが、目をつぶってもわかる。
「おや、もう終わりですか?つまらないですね」
他に手はないのか……。水と風。水は雷、光に弱い。風も雷に弱い。そこをつけばいいのだろうが、ナウニカーズさんに読まれてしまう。こうして考えていることも、ナウニカーズさんは読んでいるのであろう。
「星よ、夜空へ還れ」
今まであった右手の感触が、なくなり違和感がある。
テイルズは目を見開く。
「魔草・毒」
そう唱えると、うにゃうにゃと茎がのび、激流暴風へ襲いかかった。
もちろん、初めは効かない。たかが草の茎だ。そんなものが、勝てるはずかない。
「テイルズさん、やはりあなたは魔法使いですね。珍しく、私の占いが外れました」
「……まだ、終わってません」
体全体の魔力を、茎へと集中させる。さらにうにゅうにゅと、茎がのび、様々な方向から激流暴風を襲う。
「激流暴風が押されて来ている___?」
「そうです。水は草にも弱い。風はイマイチ。ですから、水のところだけを茎で襲うと、効くんですよ」
「__っ!?」
テイルズは、更に唱える。
「雷の槍!!!!!」
「っ!たくさんの魔法を唱えるから、どの魔法が来るか読めない!?」
雷の槍が、襲う。
だんだん、激流暴風が小さくなっていった。