魔導師と魔法使い
「魔導師のくせに」
「能力は皆無、ですと?」
二つの丸い目が、こちらに向けられる。
「いや、少し待ってください。1000年も前も昔、占師の世界では、弱小は者は魔法使い、最強である者は魔導師とラタン神もおっしゃっていますよ」
「そうだよな、魔導師のほうが、魔法使いより強く聞こえるしな」
困る。魔法使いと魔導師の違いなんて聞いたこともないし、教わってもいない。
「じゃあ僕は、魔法使いなんですかね」
「そうみたいだな」
「そう見たいですね」
とにかくテイルズたちは、広場へ出て、魔導師か魔法使いか調べることにした。ナウニカーズさん曰く、テイルズは魔導師なのらしいが。
「んじゃ行くぞー」
ラルラニーザさんの長き足が、テイルズを蹴ろうとする。
テイルズは、目を見開いた。
「っち、強力な防御結界!!」
「結界の強力さは、魔導師ということですね」
今になって説明するが、戦闘民族であるラルラニーザを蹴りを、防御結界でふせげたら魔導師ということである。
「では次、そうですね…。
私と戦ってみてください」
「「!?」」
ナウニカーズさんは占師。魔導師?であるテイルズと戦っていいのだろうか。
「ふむふむ、今、占師が魔導師と戦ってもよいのか疑問に思いましたね。占師は、ただ神の告げを聞くだけてなく、ちゃんと戦闘はできるようになっているのです」
「占師+魔導師ってことだな!」
唾をゴクリと喉奥まで届ける。ナウニカーズさんは、絶対に強い。前のラルラニーザさんの蹴りからも、強力な守りで覆ってくれた。才能あふれるナウニカーズさんとは、自分は足元にも及ばないのである。
「さぁ、テイルズさん。来てくださいよ」
始まってしまった、ナウニカーズさんとの戦闘が!




