ナウニカーズの家
そのあと、数分ほど話を聞いた。
「____あっ、ごめんなさい。語りすぎましたね」
ナウニカーズさんが、申し訳なさそうに俯く。
「いえ、こんな話聞く機会があまりないので、楽しかったです」
「それは良かったです」
先ほどの彼女は少し年上に見えたが、こんなに熱心に語ると、テイルズより幼く見えた。
「ところで、なぜ魔導師の貴方がこのラタン街へ?」
これだ。これを伝えないと、ナウニカーズさんに助けてもらった意味がない。
「僕は、この世界の異変について調べてるんです。それで、占師の街とこのラタン街が言われていると知ったので、貴方達なら何か知っているかと…」
ナウニカーズさんは、水晶玉を子供の頭のように撫でている。
「そうですね。私の友にも、世界の異変に立ち向かっている人がいます。ちょうど私は、その人と旅をしようも決意していたのです。あちらにいるので、行きましょう」
「はい!」
ラタン街は、静かだ。普段は賑やかなのかもしれないが、魔導師のテイルズが入ってきたため、周りの人の視線が冷たい。
テイルズは、トンとナウニカーズさんの肩に当たった。
「ここが私の家です。どうぞ上がってください」
「ありがとうございます」
扉に手を置く。ギィと音を立て、部屋の中が明らかとなる。
「ん?お前誰だ?ナウニカーズのダチか?」
そこには、一人の男性がいた。
テイルズは、鳥肌が立ってきていた。