ナウニカーズ・レイ ー占師ー
「槍を収めなさい。貴方達は、占師の誇りを汚すのですか?」
テイルズより年上そうな女性の声が、その場の全員の耳に届く。
「ナウニカーズ様!」
首筋の槍はもう収められている。
「貴方達は、間違った未来を彼に突きつけました。占師にとって、あってはいけないのはわかりますよね?」
テイルズは女性に目を向けた。空をふわふわ浮いている女性の、水晶玉がキラリと光る。
「まず占いとは、心を落ち着かせて行うものです。彼が街に入り、魔導師だとわかった。そのときは、貴方達は落ち着いていたのかもしれません。ですがその後。彼を無礼者と未来が告げているのは、心を落ち着かせていない、占師の誤りだったのでは?」
「……」
ナウニカーズさんの言葉に、その場の全員が唇を噛む。
「私の占いでは、彼はこの世を救ってくれる英雄という未来を映し出してくれました」
「ぼ、僕が!?」
こちらを見て、ナウニカーズさんが微笑む。
「ですから貴方達、彼を喜んで歓迎いたしましょう」
「はっ!」
テイルズは目を丸くした。普通なら、あの調子で打ち首なはずだ。なのにナウニカーズさんは……。
「大丈夫ですか。少年」
考え事をしていたが、ようやくテイルズは我に返った。目の前にはナウニカーズさんが立っている。
「は、はい。ありがとうございました。こんな僕なんかを救ってくださって……」
「いいえ」
歓迎の表情だったナウニカーズさんが、険しい顔に変わる。
「我々占師の占いは確かです。私は、貴方に希望があると告げられたのです。神に。その神は、嘘をついてなどいません!」
ナウニカーズさんは、必死に占いを語った。