5年前
5年前___。
「門番、何をサボっているのです?起きなさい」
この建物の主、×××の声に××は夢から覚めた。
「すみません……」
「ったく、貴方は門番という肩書きがあるのですよ?それを自ら汚すとは……。とにかく、侵入者が入らないよう守ってくださいね」
それではと付け足すと、×××様は長い髪をひるがえし、建物へ入って行った。はぁーと××はため息をつく。この建物に関わる仕事に入れたのはよかったものの、門番とは……。運が悪い。銀のおりの内側に、まだ×××様の指紋が残っている。軍服が、風でふわりと膨らんだ。
すると_____。
バキッ。ボキボキボキッ!!!!パリッ!!!!
突然、空が割れた。
「×××様、空がっ!!!」
必死に叫ぶ。
「なんです!?空が!?」
それは人類にとって、思いがけない情景である。空が割れる。どのような反応、対処法をすればいいのか、わからない。辞書にも載っているはずがない。
割れた空から、様々な種族がどさどさと降りてくる。なんだこいつら……。
すると建物から、軍が飛び出してきた。そして種族に槍を突き立てている。
「おい、軍員たちよ!×××様の許可を得ているのか!?」
「××殿。えぇ得てますもの。×××様は、この建物だけを守るよう指示されました」
___×××様はそんなことをおっしゃる方でない。いつも建物より民を大切にしていたのに。
××は、上唇を噛み締めた。
「仕方が無い。×××様がおっしゃっていたのなら……、この建物に手を出すもの全員を刑に処す!!!!身を引き締めろ!!!!!」
そして、様々な種族対、この建物の関係者。
これが、世界の異変を引き起こした原因だ。




