決着
「……ナウニカーズさん、そろそろ魔力がきれたのでは?」
先ほどの心境とは裏腹に、テイルズは得意げに微笑んだ。
「あの_____」
だが、ナウニカーズさんは焦っていない。
「先ほどの激流暴風は………」
ナウニカーズさんが、近くの海へ体を向ける。
「あの海から魔力を導き出したのです。私の体内の魔力はほんの少ししか使って無いのです」
激流暴風は、消滅した。
と、同時に___。
「…っカハッ…!!」
ナウニカーズさんが、白い液体を口から吐き出す。
魔力がきれたのである。
「ナウニカーズさん……」
テイルズは目を細める。
「言いたくなかったんですけど、腕。見てください」
「?」
ラルラニーザさんとナウニカーズさんは、ナウニカーズさんの左腕に視線を移す。
「おいナウニカーズ、お前……!!」
「これは________!?」
ナウニカーズさんの左腕に、魔法で作られた茎が絡まっている。
「先ほどの茎ですよ。あれ、物を消滅させるだけでなく、魔力を奪い取ることができるんです。つまり……?」
「私に茎を絡ませ、魔力を奪っていたと言うことですね………」
目を伏せるナウニカーズさん。
「んじゃ、ナウニカーズは魔力がきれて、攻撃できない。つまりテイルズの勝ちってことでいいんだな?ナウニカーズ」
「えぇ。テイルズさん、いえ、テイルズ。貴方は魔導師。決して魔法の威力は高くないけど、魔導師。神の言うとおりね」
ナウニカーズさんは、心からの微笑みをくれた。
「テイルズ、ナウニカーズを倒すなんて、あんた以外そうそういないぜ。あんたが将来大魔導師になってることが、見える」
「……ありがとうございます」
テイルズは、2人に礼をした。
夕日が、暮れる。子供の時間が、終焉る。




