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命〜mikoto〜 Director's Cut  作者: 黒羽 ジュコウ
4/9

(4) トモダチ



「古世っちの病院めぐりツアー!行ってみよ〜!!」


病院内にはさまざまな施設があり、古世はまるで子供のようにはしゃぎながら案内していった。


長期入院時のための理髪店や美容室、あまりにも品揃えが薄い売店、医師や看護士の聖地である食堂まであった。

中でも一番驚いたのは、小児科の入り口にプレイルームという遊び場があること・・・。





病院内をトコトコ歩き始めて1時間くらい経っただろうか。

突然古世が口を開いた。


「・・・ヒロ」

振り返った顔は笑顔で満ち溢れていた。



「ねえ、これからヒロって呼んでいい?」


「いきなり何だよ」


「だってさ、かしわばらって長いんだもん。舌噛みそう・・・」


もちろん呼んでもらえるのは嬉しい。でも抵抗もあった・・・。











僕には、友達がいなかった






だからもちろん、愛称と言えるものが無かった






呼ばれたとしても”カシワバラクン”






男からも滅多に呼ばれないのに、






女の子から”ヒロ”






「何でそう呼びたいの?」


「同じ病室の仲間・・・?違うな・・・」


そして古世は、はっきり言った。



「友達だから!」






トモダチ・・・






とてもいい響きだった。


「ありがとう」

「いえいえ、どーいたしまして。その代わり、私の事も名前で呼んでよ?」

「それはちょっと・・・」

「だめ!友達だったらそのくらいして当然でしょ」


そう言うと、古世は広人の肩をぐっとつかみ、そのぱっちりした瞳で見つめられた。

「さ、言ってみ」


「・・・・・・古・・・世」

「ぎこちないぞ!」

「・・・古世・・」

「んvよくできました!」

古世は微笑みかけてきた。


こうして、広人にとって実質初めての女友達ができたのだった。



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