(2) 入院?
「は?小児科??」
真っ先に口から出た言葉が、それだった・・・。
四月、大抵の学校で行われる健康診断。
楽しみなのかイヤなのか分からないが、僕、柏原広人の通う高校でも決まって行われた。
健康体の広人にとっては、ただ待っているだけの退屈な行事・・・のはずだった。
「ちょっと、心臓に異常が見られますね・・・」
心電図を見た医者に、マジ深刻そうな顔でそう言われた。
(いやいや、そんな深刻な顔して言うなって!)
「一度、この病院に検査にいってください」
(行って下さいじゃねぇって!!)
渡された紙を見ると、病院の名前と・・・・・・
”小 児 科”
「小児科ぁ?」
「はい。まだ高校生だからね」
(何でガキの仲間入りしなきゃなんねーんだよ!)
まあ、病気に関しては医者の言うことが全てなので、広人は渋々検査を了解した。
さらに、極度の楽観的な性格が手助けし、どうせすぐに治るさと思ってヘラヘラしていた。
なのに・・・
それなのに・・・
「入院・・・・・・ですか」
小児病棟で、入院することになってしまった。
そこで広人は、ある少女の出会いとともに”命”の尊さを目の当たりにすることとなる・・・。
あなたの身近に、重い病気を抱えている人はいますか?
あなたにとってその人は、どんな存在ですか?
そして・・・
その人にとってあなたは、どんな存在でいたいですか?
家族?
友人?
恋人?
それとも――――・・・