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第一章――たったひとりの友だち

私はマリアナを両親の家にある彼女の部屋で見つけた。


ベッドに横たわる彼女を、私は恐怖と、そこまでの過酷な道のりで積み重なった疲労を隠そうともせず見つめた。


そこへ来るまでのあいだ、私はずっと彼女が死んでいる姿を思い浮かべていた。


「どうしたの、エメ?」


彼女は冗談めかして言った。


「まるで幽霊でも見たみたい」


「私たち、殺される!」


私は息を切らしながら吐き出した。


「えっ?」


泣くまいと必死にこらえながら、私は怒りをにじませた声で言った。


「あなたは私の友だちだと思ってた!」


「何を言ってるの?」


私は彼女の腕を引いて台所へ向かいながら、すべてを話した。


体は制御できないほど震えていて、話しながらも、頭の中ではこの街から逃げ出す方法を必死に探していた。


出入り口はすべて押さえられている。私たちが助かる見込みはほとんどなかった。


気づいたときには、マリアナは崩れ落ちていた。壁にもたれ、取り乱して泣いていた。


私は立ち止まった。


彼女の肩に触れた。抱きしめたかった。けれど、どうすればいいのかわからなかった。


彼女は力を失い、その場にひざをついた。


そんな彼女を見ていると、喉の奥が焼けつくように痛み、叫びたくなった。人目もはばからず泣きたくなった。


でも、私は強くいなければならなかった。


「どうして私を助けるの?」


彼女は壊れたような声で尋ねた。


自分が何を感じているのか、私は一度も彼女に打ち明ける勇気がなかった。


あの瞬間でさえ、自分をのみ込む激しい感情を言葉にするのは難しかった。訓練されたとおりに振る舞うほうが、はるかにたやすかった。


「ひとりじゃ、私たちは長くもたない」


私は答えた。


「必要最低限のものを持って。砂漠へ行く」


「砂漠? 死んじゃう……」


「だからこそよ。あそこまでは追ってこない」


私が本当にしたかったのは、彼女を抱きしめて、その肩で泣くことだけだった。


でも、そのときの私は、もうひとりだった。


マリアナは、私のたったひとりの友だちだった。


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