秘密の部活、知らぬ間に動き出す
昼休み。教室はいつも通りのざわめきに包まれていた。
僕は弁当箱を開け、手早く食べ始める。
「なあ、風見」
隣の席の立花が声をかけてきた
「この前のテスト、どうだった?」
「うーん、微妙かな。理科が特にヤバかった」
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立花は笑いながら、
「お前、理科苦手だったっけ?」
「うん、化学はなんとかだけど、生物が全然ダメ」
「まあ、俺も社会が全然ダメだからおあいこだな」
僕たちはそんな感じで、くだらない話を続けていた。
教室の外からは、どこかで誰かが軽やかにギターを弾く音が聞こえていた。
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「なんか、今日やけに校庭が賑やかだな」
僕がつぶやくと、立花は肩をすくめて、
「そうか? まあ、みんな新学期で張り切ってるんじゃね?」
そんな会話を続けている途中、僕のスマホが震えた。
画面には見知らぬ番号からのメッセージが届いている。
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『旧校舎の一番奥、部室に放課後来てください』
僕は一瞬戸惑いながらも、そのメッセージを何度も見返した。
「なんだこれ……?」
立花が興味深そうにのぞき込み、
「おお、呼び出しか? お前、何か秘密の部活でも入るのか?」
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「いや、まだよくわからない。秘密にしろって言われてるんだ」
立花は笑いながら、
「お前らしいな。まあ、頑張れよ」
そんなやりとりをしながら、僕の心はざわつき始めていた。