第8話泡沫の青
ようやく終幕です。
『急に虹龍と小龍が私の指示を聞かなくなった。昨日、菱餅を与えていないせいか?』
『ヤバいよ、ゲトウ! 私も連帯責任でボン・バーヤージュ受けてしまうじゃん!』
『ショーコ、眩しい光を目指している場合じゃ無いぞ。もう1体の小龍に呪力銃を届けさせよう』
アクシデントの発生で劇の中止を選択せず、彼は対策を講じる。新たな武器の運搬準備を整え、誰かへその報告を行う。
『底碪式呪力散弾銃1丁、同望遠鏡型呪力照準器1基、大口径呪力自動拳銃1丁。武器搬出準備、完了!』
『武器搬出!』
ショーコが搬出の許可を出す。戦時中の敵性語排斥文化の如く、外来語を使っておらず、観客達は内容をほとんど把握出来ない。
別の小龍が黒のボストンバッグを載せて、虹龍を追う。1人用なのか、座席は付いていない。サトルとトウジが到着まで演技を継続する。
1人用小龍が背後へ近付いた瞬間、剣先を横へ向けながら相手の斬撃を受け流す。そして、右手首を返して後ろに伸ばした。飛び移る訳でも無く、彼は何かの行動を起こそうとする。
袖の間から白く細長い物体が勢い良く伸びて、小龍の左角に巻き付いた。サトルが宙を浮きながらそちらへ引き寄せられて、横向きで足場に着地する。物体の返しを左角から外し、全て収納した。
『親愛なる隣人』を自称するスーパーヒーローのようなアクションに、観客達は驚きを隠せない。彼がボストンバッグのファスナーを下ろし、スグルの説明を受ける。
『工具が必要無い所まで組み立ててあるから、残りは宜しく頼むよ。装弾数が5発だ』
『サイドアームは7発。どれも弾の装填に数秒掛かるから気を付けてくれ』
『一応アタッチメントも用意したけど、君、六眼持ちだから要らないよね?』
散弾銃の部品を出して、サトルは組立を行う。陸上自衛隊の戦闘中想定訓練のようだった。観客を退屈させないように、スグルが劇と無関係な話題を出す。
『前さ、ツクモさんから”ロクヨンの分解結合を覚えるの大変だった”って聞かされて、私、ゲーム機の話かと思ったよ』
『訊いたら実は小銃の事だった訳さ。木製の部分もあるから結構重いんだってね』
『センスねぇぇ』
ショーコの適当な相槌で観客達の笑いを誘う。サトルの組立作業は後半に入り、決闘を中断されたトウジが先頭部の木箱へ近付き、しゃがんで吐息掛かった低い声を出す。
『お宝ちゃぁん』
中を開いた彼は、自動小銃と形状が類似する銃器を持ち上げた。横長い台形のキャリングハンドル、ドラムのようなマガジンが特徴的だ。
『おい、スグル、説明しろ! アレは何だ?』
『すまないサトル、片付け忘れていた。連射式制圧用呪力散弾銃だよ』
敵に塩を送るような状況となった。早速、活躍の場を得て、トウジは後続の小龍へ試し撃ちする。けたたましい銃声を響かせた。見えない赤外線を放ち、受光機に当てる形式のようだ。
『虹龍と小龍の背面にある丸い部分を狙ってくれ。あの男は胸の部分だ』
「てっきりあいつのアレ、チーズバーガー食ってそうな奴の真似かと思ったぞ」
「3000回愛している」
誰へ向けているのか分からない彼の便乗した台詞が、思わぬ方向から辛辣な言葉を返されてしまう。アクシデントに巻き込まれたオパールは、表情を失くしながら弓を引く。
問題解決を遅延させるトウジの銃撃が、彼の不信感を募らせた。選りに選って、原作の台詞を引用する。オパールもピンマイクを装着していたようだ。
「自尊心は捨てたろ?」
「えっ?」
言葉の短刀型呪具で刺され、父親は動揺のあまり、攻撃を止めた。明らかに演技で無い様子を面白がって観客達は無慈悲な大笑いをする。
その隙に、サトルが身を乗り出しながら小龍の背後を狙撃した。銃身を切り詰めており、有効射程距離は通常のそれより短い。銃底に象牙らしき物を採用している理由を、敢えて言及しなかった。
トリガーガードが外されており、発砲してすぐ機関部下の楕円型レバーを上下に動かしやすくしてある。1発毎にこの動作が必要だった。
『弾切れしているぞ!』
スグルの合図で拳銃へ持ち掛け、隙を減らす。時折、先頭部を遮蔽物に使いながらトウジの攻撃を凌ぐ。装填のタイミングで彼の胸部を撃ち、救出作業とボス戦を並行する。
約3分が経ち、相手は膝を突いて攻撃を止めた。そこから小龍の背後を集中的に撃つと、停止する。急いで2人がシートベルトを外し、降車した。観客達の拍手が沸き起こる。
『艦長、取舵一杯』
『はっ、取舵なさるのですか?』
『左様、取舵一杯だ』
士官らしき人物を演じた担任教師に、スグル艦長は謎の指示を下されてしまう。虹龍の速度が上がり、1人用小龍を引き離す。
ステージ付近で唐突に左へ大きく曲がり、側面を小龍へ向けて停止する。そして、側面の3箇所は開くと、砲身を出した。次々に大砲の発射音を鳴らす。
発射を済ませて尚、虹龍は進行妨害を続ける。直撃が免れないと悟り、トウジは武器を持ってステージへ避難し、サトルが壁側へボストンバッグやカトラスなどを投げ捨てた。拳銃だけ腰の後ろに入れる。
直撃寸前で、彼は小龍の頭部を踏み台にして跳ぶ。再度、角へ白く細長い物を放って巻き付け、そちらに引き寄せられる。直撃後、虹龍が動き出し、側転で着地したサトルは取り残されてしまう。
小龍が活動停止した事で、追いかける術を失う。用意周到なスグルは、控え室から大型オートバイを押しながら登場する。
「もうこれしか無いね。大型呪力オートバイだよ」
体育館でバイクを乗り回すなど、昭和の不良学生すらやらない行為だが、男性教諭はツッコむ気力すら残っていない。
サトルがステージに向かって、オートバイを受け取る。片手に散弾銃を持ちながら彼は虹龍を追った。服の色とサングラスのせいで、観客達が薄々演出のモチーフを察する。
スグルはまた控え室に戻った。サトルが虹龍の背後に発砲し、銃本体を一回転させる。この動作は、海外映画の有名な場面と同じだ。
全段撃ち込んでようやく停止する。アクシデントが解決し、ステージへ戻ってピアノの傍に駐車した。片手の銃をハンドルへ立て掛ける。
サトルは彼との戦いを再開した。観客達の視線を向けられていない隙に、トウジが奇妙な日本刀を用意している。
鍔付近に白い毛皮を付けていた。同じ武器種以外使えない特殊条件をスグルから課されており、サトルはステージを降りて、壁際の方へ走る。目前の場所で、腕の装置を使って、カトラスを引き寄せた。
またステージに上がり、再び戦いの場へ立つ。2人が武器を右顔面へ近付け、所謂八相の構えを取った。本来、片手で扱うカトラスと、この構えは組み合わせが悪い。
「伯父上、お許し下さい!」
サトルは謎の設定を明かして、果たし合いを始める。トウジが上段から斬り込み、それを側面へ回り込んで避けて、彼は横腹を刺す。
トウジの攻撃を封じ込めるように、サトルが袈裟斬りで左右に打ち込む。そして、鍔迫り合いとなり、自尊心を捨てたはずの男は分不相応な事を言い出す。
「お前に傷付けられた家名は二度と戻らぬ!」
明らかに本編と関係無いやり取りのせいか、観客のほとんどはユーザー疑惑の件しか思い当たらない。2人の戦いに、既視感を抱く男性教師が大声で忠告する。
「おい、マサル! 火災報知器が鳴るから絶対、焔の剣は止めろよ! 誉れを忘れるな!」
トウジの走りながらの刺突、上段斬りをサトルは同じ方法で避けて突き、何度かの鍔迫り合いを重ねる。しばらくし、突然2人は構えながら後ろへ下がって距離を取った。この先の動きを読めない。
すると、2人が武器を捨てて、駆け出した。サトルは懐から8本の針状暗器を出すと、両指に挟ませて投げ付ける。
それを左右へ体を逸らせてトウジが避けた。右手を床に突きながら半円を描いて左足を前へ出す。そのまま正拳を打つ。
両膝を曲げて跳び、サトルは避けたと同時に、彼の右腕を片手で押しながら側転する。演者の顔を観客達に見せて跳ぶこの方法が、一種のファンサービスだ。
研ぎ澄まされた技を期待する観客達と裏腹に、トウジは泥臭い方法を選ぶ。腰を後ろへ捻ってから大振りの拳を繰り出す。所謂予備動作の大きいテレフォンパンチだった。
サトルが右へ避けようとする。最後まで振り下ろさず、トウジは拳を背後へ回して、独特な形状の短刀を抜く。相手を誘い込む為のフェイントだ。
勢い良く切り掛かるが、懐へ踏み込まれ右腕で手首、肩は左手によって押さえ込まれた。油断して刺殺される男と同一人物に見えない即応力だ。
すかさず、下から手首を掴んで捻りながら引っ張り、右の手刀を振って短刀が落ちる。人体の構造を良く理解した実用性のある技だ。軍の近接格闘訓練と見間違う光景に、観客は拍手する。
しかし、まだ彼のカウンター技が終わっていない。手の甲側から手首を掴んで再度引き寄せる。そして、腕を上げさせ、体を翻しながら間へ潜って投げた。床で受け身を取るトウジは大きな音を鳴らす。
起き上がった彼は服を脱ぎ、胸の装置を外して、横に投げ捨てる。懐の拳銃も同じ場所へ投げた。威圧感のある上半身の筋肉が、ユーザー疑惑を打ち消す。疚しさの無い肉体となっていた。
白いホタテらしきペンダントを着けている点だけ謎だ。踏み込みながら左右の正拳を打つ。サトルがそれを腕で捌いていく。
すると、トウジは腰を右へ捻じりながら空中回転し、右踵を相手の頭上に振り落とす。バク転し、彼は回避する。トウジが踏み込んで拳を振り下ろし、距離を詰めた。
サトルの腹部へ左右の正拳を入れ、腰を後ろへ捻る。彼は身を乗り出しながら顎を手刀で突く。次に腰を落として捻じり、横腹へ手刀の打撃を与える。
更に体を左回転させながら跳び、右足を上げて、トウジの首筋へ振り落とす。予備動作が速く、彼は攻撃を受ける。サトルの高い体術設定が存分に活かされていた。
隙の少ない正拳突きや回し蹴りなどでトウジは応じる。横向きの体勢から、膝を曲げた右足を内向きに上げて放つ蹴りで、サトルを吹き飛ばす。彼の良い見せ場となる。
背中を反らして、両手で着地したサトルは押し戻して体勢を整えると、攻勢に転ず。縦拳、背を向けながらの裏拳を浴びせ、その状態から縦軸回転蹴りまで行う。
体を反らし、トウジが間一髪で避けた。サトルは向き直り、相手の出方を窺う。トウジが回し蹴りし、彼は半身になりながら肘を曲げた左腕で受け流す。軸が崩れ、トウジはよろける。
素早くサトルは頚椎へ手刀を入れ、下から顎を蹴り上げた。更に後ろへ回転しながら右膝を斜めに上げて、彼の脚へ蹴りを放つ。倒れた所に内回しで踵を落とす。
寸止めしており、観客側からは本当に行っているように見えた。彼が悟られないように、呻き声の演技をする。素早く洗練された動作の為、辛うじて目で追えた。
「クソッ、ケリを付けるか」
トウジは横へ転がってから拳銃を取りに行く。次の行動を予測し、サトルが背中から拳銃を出して構える。相手は引き金へ指を掛けながら振り向き、撃とうとしたが先手を打つ。
「何だよ、もう」
彼は悔しがりながら倒れ、サトルが傍に近付いて残りの弾を撃ち込んだ。重々しい発砲音を響かせ、彼は踵を返して歩く。
サトルの姿が見えなくなると、幕を閉ざす。今度はナレーションを流さず、1分程で幕を開く。大きな白い布で覆う何かを抱えるスグルと、サトルが合流した。
サトル役は、前半の演者と入れ替わっている。彼らの失われた輝かしい青春は、二度と戻らない。
「女子中学生の護衛任務、面倒だなと思ったけど、リコちゃんの存在が、私達の青を掛け替えの無い物にしてくれたんだよ」
「そうだな。スグル、しばらくアマナイと2人だけにしてくれねぇか。今生の別れだからな」
リコの亡骸を受け取り、彼はどこかに向かう。スグルがその背中を見守っている中、リコらしき声の不用品買取の宣伝を聞く。
『不要なエアコン、電子レンジ、電気ストーブ、洗濯機、冷蔵庫を買い取ります』
彼だけステージに取り残されると、三中の後説ナレーションが流れた。前説と同じく重低音音声で物語を締め括る。
『斯くしてディーコンの野望は海の底へと消え去った。人々はドライランドに新たな文明を築くだろう』
『そしてマリナーは、羅針盤だけを共に、再び旅立ってゆく』
『果てしない海、〇ォーターワールドへ』
本編と全く関係無い内容に、観客達は困惑する。左右から演者達がステージの中央へ集合し、担任教師の詐欺ナレーションも聞こえた。
『〇ォーターワールドのキャストです』
列中央のトウジは拳を何度も前後へ振り、後の演者が頭を下げた。そして、彼以外の演者は手刀を右、左、前へ振り、半円を描いて再度黙礼する。トウジだけ拳を握りながら同じ動作を行う。
特別待遇を受けていた彼が未だ上半身裸のままだ。どうやらこの劇の花形演者は、観客からイジられていた男性としている。
参考作品
「呪術廻戦 芥見下々著/集英社」
タイパ重視する猿...読者向けに内容の解説を載せておきます。
〇菱餅
劇当日が桃の節句の翌日だからです。
〇ボンバージュ
「ワンピース」のオープニングテーマタイトルです。
〇望遠鏡型呪力スコープ
使用中、相手の動きを一時的に遅くさせられる装置です。「龍が如く0~誓いの場所~」や「龍が如く極」のヒートアイと同じ効果を持ちます。
〇大口径呪力ハンドガン
デザートイーグルを基にしているハンドガンです。発射時の反動が大きいです。
〇六眼
相手の呪力、生得術式の情報を視界内に表示される特異素質です。(ターミネーター2の死傷者0で有名なターミネーターの視界と似た機能です)
絶えず情報が表示され、裸眼の場合、疲労を溜めてしまう為、サトルは普段、サングラスを掛けている。
天元、六眼、星漿体の3つは因果に結ばれており、天元の同化の場に、必ず六眼持ちが立ち会う定めとなっていた。ただし、ユーザーのリコちゃん殺害によってその因果は崩れてしまい、今後、六眼持ちが生まれるかどうか不明です。
〇白く細長い物体を何かに巻き付けて移動
「名を消した男 7外伝」ガジェット「蜘蛛」のオマージュです。8外伝のワイヤーフックと迷いましたが、袖の関係上、「蜘蛛」の方を選びました。
〇武器縛り
「呪術廻戦」では特定の条件を課す事で能力強化を行える仕様があります。それを破ると、当然、ペナルティもあります。
〇親愛なる隣人
世界中の人々の記憶から存在を消されたスーパーヒーロー、「スパイダーマン」の事です。
三中はサム・ライミ版スパイダーマン世代です。
〇ロクヨン
●天堂の家庭用ゲーム機で無く、64式7・62ミリ小銃の事です。まだ夏鈴の時代はハチキューと完全に入れ替わっていないです。
〇お宝ちゃぁん
龍が如く8外伝で船長が宝物を開ける時の台詞です。他に「何が入っとるんやろう」など色々バリエーションに富んでます。
〇フルオート制圧用呪力散弾銃
U.S. AS12を基にしている軍用ショットガンです。U.S. AS12は、「沈黙の要塞」の主人公が終盤に使うショットガンとしても、それなりに有名です。
〇銃撃演出に使われる機械。
レーザー交戦装置を参考にして作られています。乗り物に乗りながらシューティングしてスコアを稼ぐアトラクションも同じ仕組みだと思います。
〇チーズバーガーが食ってそうな奴のアレ
「アイアンマン」ことアンソニー・スタークのアークリアクターの事を差しています。
アイアンマン・スーツの動力源として利用されていました。
〇3000回愛している
「アベンジャーズ エンドゲーム」でトニー・スタークが娘に度々言っていた台詞です。
〇レバーアクション式呪力散弾銃
「ターミネーター2」で使用されたソードオフ型ウィンチェスターM1887を基にしているショットガンです。
ただ、ストックの象牙は「メタルギア・ソリッドⅤファントム・ペイン」の登場人物、スカルフェイスの愛銃、ソードオフ型M1873をモチーフにしています。
〇運搬準備報告
自衛官の真似です。外来語表現を控える文化もあります。
〇『弾切れしているぞ!」
『龍が如く0誓いの場所」のカーチェイス中、弾切れすると尾田に言われる台詞のパロディです。
『龍が如く極」のカーチェイス中も伊達さんから同じ事を言われますが、比較的落ち着いた口調です。
〇取舵一杯
「坂の上の雲」の日本海海戦中、参謀長が艦長にその指示を出します。
〇虹龍の砲撃
8外伝の海賊船バトルのオマージュです。
〇大型オートバイ
ハーレーダビットソン ファットボーイです。自転車を卒業した三中君の通勤手段です。
〇バイクを乗りながら行う発砲準備
スピンコッキングと呼ばれる技術です。「ターミネーター2」のT800(シュワちゃん、アーノルド)と同じ動作をしています。
〇トウジの日本刀
釈魂刀と呼ばれる推定5億の呪具です。あらゆる硬度を無視して斬れますが、使用者の技術次第です。
〇果たし合い
「ゴースト・オブ・ツシマ」のラスボス戦のパロディです。
〇焔の剣
上記ゲームの油? を使って刀身に焔を纏う技です(作者は貧乏性なので、プレイ中、ほぼ使っていません)
焔を纏っている間、ガード不可の攻撃を行えます。敵の蒙古も使っていました。
〇針状暗器
「龍が如く0誓いの場所」真島編ラスボス、老鬼が使う暗器です。作中、突き刺したり投げたりしていました。
「龍が如く8」のソンヒも使っています(アサシンジョブのニードル)
〇戦闘開始の特殊演出
老鬼戦のオマージュです。トウジが暗殺者という繋がりで採用しています。
〇トウジの基本戦闘スタイル
「龍が如く0誓いの場所」の旨チョコミルク...阿波野のオマージュです。荒々しいながらもボクシングの片鱗が見えます。
〇サトルのナイフ攻撃カウンター技
アーニス(カリ)の技です。各国の軍隊や特殊部隊で採用されている技術だからこそ、現実味を持たせられます。
〇繋ぎの投げ技
四方投げです。「暴走特急」のケイシー・ライバックがキッチンで敵の傭兵と戦う時に使っていました。
〇トウジのペンダント
「グランド・ゼフト・オート サンアンドレアス」の収集アイテム、オイスター(牡蠣)のパロディです。
50個集めると、恋人条件を無視して、どのような体型でもガールフレンドが作れます。
ちなみに、配偶者から未だに”ガキ”扱いされています。
〇サトルの基本戦闘スタイル
最後穴倉送りになった人...老鬼のオマージュです。高い身体能力と、中国拳法が特徴です。
〇サトルの回し蹴りに対するカウンター技
ブルセラをやめろ...日侠連、世良勝総裁のQTEのオマージュです。
〇サトルの死体撃ち
「アウトレイジビヨンド」ラストシーンのオマージュです。
本家の五条悟は学生時代、善悪の指針を夏油傑に委ねていたらしく、それを表現しています。
親友が悪と決めたから、処理する、ただそれだけ。そこに憎しみも悲しみも無い。
〇サトルがリコちゃんをお姫様抱っこしてどこかに行った理由
海辺で因果によって誕生した者同士、その破壊を笑い、青春の精算を行う為です。
布を被せたまま、リコちゃんの亡骸をサーフボードへ乗せて、沖縄の海へ流す展開(死体遺棄)と迷いました。
〇不用品買取アナウンス
新たな星漿体の少女で無く、凡庸な業者アナウンスです。サトルとスグルは非日常から日常へ戻されたという意味合いが込められています。
作品上の意図は「エミリア・ペレス」の冒頭にある不良品買取アナウンスのオマージュです。
〇トウジが主役の理由
水上スタントショー、「ウォーターワールド」と同じく、悪役の行動が物語の雰囲気を支配しているからです。
トウジの登場シーン、ショートコント、実の息子からの心無い言葉で笑われ、戦闘シーンはしっかりと緊迫した雰囲気を観客へ提供しました。センター演者として相応しい活躍ぶりです。