最終話怪獣の子
前半部に強い不快感を感じる描写が含まれています。
「オジラァ、帰って来ぉーい!」
付き合っている彼氏の悪行を知り、茉理は盾にした拳を机へ叩き付ける。そして、声を荒げ、彼女が怒りを剥き出す。オパールに対して、並々ならぬ想いを持っていた。
「今すぐオパールに謝れ! この子を虐める人間は誰であろうと許さない!」
「俺が何をしようと勝手だろ! テメェ、口出してくんな!」
茉理の彼氏は冷蔵ショーケースを木刀で叩き、ヒビを入れる。副店長が舌打ちし、調理場へ何かを取りに行く。隣の金属バットを持つ男子生徒も、ふざけてカゴのクッキーやショーケースのガラスを壊す。
女性従業員は侮蔑の視線を向けながら静観した。危険を感じ、オパールが秋菜の膝の上へ避難して震える。誰も男子高校2人の破壊行為を止めない中、三中は手洗い場から出て来た。
席へ戻らず、覚束ない足取りで破壊者達の方に向かう。彼の瞳孔がおどろおどろしく映る。彼らは振り向くと、副店長が三中へ取って来た、赤色の長い棒を投げ渡す。
「アイツらが遊んでくれるらしいぞ。良かったな」
両側は陰茎を模り、中央に握りの溝がある。その正体を理解し、女性従業員は顔を両手で覆いながら叫ぶ。性的不快感を与えてしまう玩具だった。秋菜と茉理は咄嗟に目線を外す。
彼が受け取り、頭上で回しながら相手へ近寄る。数の利を持つ彼らは同時に襲い掛かった。その行動を読んでいる三中は右へ傾けて構え、半身となりながら跳ぶ。すかさず茉理の彼氏を蹴り飛ばす。
着地し、もう1人の片足を薙ぎ払った。茉理の彼氏が袈裟斬りを行い、三中はもう1人を武器の先端で押して、ぶつける。頭部同士が衝突し、2人は呻きながら倒れた。
彼らの武器を壁へ飛ばし、卑猥な形状の先端を向ける。秩序を乱す悪が倒され、オパールは喜んだ。厄介な人間がまだ1人残っており、彼以外は強張った表情を維持する。
1分も経たず、店の外から怪獣の鳴き声が聞こえ、それは徐々に大きくなった。店内へ泣きじゃくる子供と、包丁をその子の首筋へ近付けていた男が来る。
幼児らしき背丈の子供は、オパールと同じ格好をしていた。透き通るような白い肌、まつ毛が長く、切れ長の瞳、美しい顔立ちだ。
それに反し、男は蜥蜴のような顔と、黒い型崩れのTシャツの特徴を持つ。外見に内面の幼稚さが表れている。羽化に失敗した蝶を見ているような不気味さもあった。
2人の姿を視界に入れ、茉理が喉を引き攣らせている声を上げながら卒倒してしまう。三中も武器を落とし、しゃがんで怯える。
「おい、その子を解放しろ。壊されても知らないぞ?」
「櫻晴、絶対にこれから起きる事を止めようとするな。巻き込まれたら、母ちゃんでも助けられない」
副店長は酷く、低い声で警告した。隣の女性従業員が何かを思い出し、突然泣き崩れる。かつて悲惨な出来事を三中の手によって引き起こされたようだ。
男は逆上し、怒鳴りながら包丁の先を幼児の首元へ向けた。ここぞとばかりに、男子高校生2人は起き上がって、三中を痛め付ける。副店長が恐れていた事態を信じていない。
小さい怪獣は極限の恐怖に耐えられなくなり、男の手へ噛み付く。包丁が首筋から離れると、両手を前に出しながら走った。
副店長はレジ横の跳ね上げ式天板から飛び出し、子供を回収する。幼児の反撃で呆気に取られ、男は逃走を許してしまう。
彼女が調理場へ戻り、幼い命は危険に晒されなくなった。一方的な暴行を受けている三中が、男子高校生の脛を殴り、転倒させた。温情のある彼は過去となり、左右の親指で相手の眼球を突く。
流血し、のたうち回る男子高校生の上体へ跨り、両拳を何発も顔に叩き込んだ。血飛沫が飛び、獲物は泣き叫ぶ事しか出来なくなる。茉理の彼氏が三中の背中を蹴った。
しかし、歯牙にも掛けず、彼は立ち上がって、ストーカー男へ迫る。男が包丁を振り上げたと同時に、横振りの拳で顎を砕く。俯せに倒れても尚、彼の頭を蹴り上げる。
呻く男の髪を掴んで、ショーケースの縁へ彼の顔面を滅多打ちにした。秋菜とオパールは啜り泣いて、三中へ謝罪する。小さな怪獣が副店長にあやされながら未だ泣き続けた。
茉理の彼氏の横で倒れている男子高校生は、顔面の皮膚が腫れ上がり、原型を留めていない。遊び飽きた玩具を捨て、三中は新しい玩具へ視線を移す。
「お、俺が悪かった! カツアゲした金は返す! だから許してくれ!」
後退りつつ茉理の彼氏は許しを乞うが、無意味だった。漆黒の怪獣はにじり寄り、彼の右手首を引っ張りながら顎に掌底を放つ。そして、曲げた膝を踏み台にして肩へ飛び乗り、両脚で頭を挟む。
間を置かず、前転して茉理の彼氏の後頭部と背中を床へ叩き付ける。散乱していたガラスの破片が突き刺さり、彼は悲鳴を上げて、藻掻き苦しむ。
三中が立つと無理やり茉理の彼氏を起こし、彼の手首を引き寄せて、鳩尾へ肘を打ち込む。続けて、内側から片腕を相手の腕の下へ入れ、手首を掴んだ反対の手と共に締め上げる。
最後は両脚で捕え、彼を床へ押さえ込んで、腕の関節を極めた。わざと解放し、三中は起き上がって、武器を取る。弱者を虐めていた男子が悔しそうに喚きながら立ち、金属バットを持つ。
バットを振り上げる途中で、三中は後ろ蹴りを放つ。次に、膝を内側へ曲げてから、前屈み体勢に陥る彼の顎を蹴り上げた。勢い良く倒れて、茉理の彼氏はだらしなく口を開けながら痙攣する。
遊び足りないのか、三中が彼の顔面へ武器を振り下ろす。小さな怪獣は疲れて、泣き止んだ。それを境に、副店長が事態収拾の対策を講じる。
「そろそろネーサー兵器を投入するか」
「絹穂、ヤングエリート集団を出動させろ」
彼女の足元で身を縮めていた女性従業員は頷き、準備を行う。冷蔵ショーケースの上へ業務用冷蔵庫から出した、数体のぬいぐるみを置く。
茶色の獣人型ウサギが、ボーダー柄のTシャツと白のウエイディングパーカーを着用している。灰色のホーランドロップイヤーは、大砲とパラボラアンテナを組み合わせたような飾りを背負う。
昨夜、殺人事件に巻き込まれたオラウータンが、灰色のシャツと茶色のレザージャケットを着ている。どの格好でも若者らしさは無かった。
三中はその置物を見て、動作を止める。小刻みに手を震わせ、武器を手放した。女性従業員が彼の背後へ来て、抱き締める。店に平穏が取り戻された事を確認し、1人の人物は姿を現す。
茶色ウサギと同じ服装で、黄色のシフォン生地リボンを後ろ髪に着けている。三中の正面で目を閉じて、謎の行動を取った。
「汚名返上したいから、僕が精神感応でオジラ撃退した事にしといて」
「そんな事しなくて良いから」
体裁を取り繕うとするポニーテールの人物に、副店長は呆れてしまう。数分後、救急車とパトカー数台が到着し、三中とポニーテールの人物は警察官達に連れ出される。
「ちょっと!? 文希ちゃん、通報者なんですけど!?」
その後、幼児以外の関係者は警察官からの事情聴取を受けた。気絶している間に、問題を片付けられた茉理が目を覚まし、たどたどしく説明する。恋人の容体は全く気に留めていなかった。
重傷者を救急隊員が担架で運ぶ様子をぬいぐるみ達は眺める。ネーサー兵器が用意されていた理由は副店長が固く口を閉ざし、明かされない。
翌日以降、暴力と無縁な生活を取り戻した石津は、ケーキ屋、『クレール・ド・リュンヌ』や茉理から距離を置く。恥ずべき過去を捨て、人々の記憶からも彼の存在が徐々に消える。
新しいクラスへ所属し、石津は巣で親鳥が運ぶ餌を待つ、雛鳥のような振る舞いを継続した。必要最低限の交流しかせず、積極的に孤立する。学生らしく勉学しか勤しんでいない。
他のクラスメイトは体育祭の打ち上げを行っている週末、呼ばれていない彼がショッピングモールを訪れた。アニメ鑑賞時に食べる菓子を買う為だ。
食料品売り場前でケーキ屋の出張販売を見つけた。専用の冷蔵ショーケースを設置し、店舗と遜色無い種類のケーキを並べている。石津は足を止めて、様子を観察した。
ちょうどベージュのピーコートを着ている女性が苦情を出している最中だ。金色のウェーブ掛かった髪は良く目立っている。
「インバウンド価格を設定するなんて、もう1度川へ流すわよ?」
「オキャクサン、マネー、ハラエー」
白いカチューシャを着けた男性従業員が、片言の喋り方で往なす。店の責任者らしき姿は近くに見当たらない。ワンオペレーション営業状態を女性客が狙っていたようだ。
値切りに失敗した彼女は代金を支払い、紙箱を受け取る。男性従業員が似非外国人の演技を続け、ふざけた挨拶をした。
「アリアスター!」
女性客の神経を逆撫でしてしまい、彼女は横の机に置かれているぬいぐるみへ悪戯を行う。自衛隊員の格好をした赤ちゃんオランウータンの肩から、旧式の国産小銃を外す。
横の切り替え金を回し、また肩へ戻した。銃の知識に疎い石津が女性の目的を理解出来ない。
赤ちゃんオランウータンは迷彩柄の戦闘用ヘルメットを被り、オリーブグリーンの弾帯に、迷彩柄のポーチを下げていた。弾倉も弾帯の隙間へ挟んでいる。
「お客はん、それいろたら困るんだす!」
「インバウンド価格を設定する悪い店は報いを受けなさい! 後、万博連れて行け!」
「バンパク? そいつ、ツエーのか?」
男性従業員は器用に上品な男性の声と、豪快な中年男性の声を使い分けていた。取り付く島も無い女性客が文句を漏らしながら帰ってしまう。
赤ちゃんオランウータンのぬいぐるみの他に、目立つ格好のぬいぐるみを置いていた。大きな熊の口からオランウータンは顔を覗かせる。腹部中央に着脱用のボタンを付けていた。
フクロテナガザルがレザーホットパンツを穿き、ノースリーブレザーベストを着る。同じ素材の帽子も被り、丸形サングラスを装着していた。不審者同然の格好だ。
その後ろには、トーイングトラクターの置物を展示している。航空会社らしき首長鳥のシンボルをボンネットへ付けており、空港から盗み出したようにしか見えない。
男性従業員が笑みを零しながら悪戯の後始末をする。見つかって、彼に声を掛けられたくない石津は俯いて通り過ぎた。人目を憚らず、女性が甲高い声を上げてケーキ屋へ押し寄せる。
「おい、オバン、儂に飛び付くな! はよケーキ買わんかい!」
彼女は挫折を経験しても、必ず目的を果たす、凄まじい執念で乗り越えていた。
向上心の高い読者向けに内容の解説を載せておきます。
〇オジラァ、帰って来ぉーい!
ヒゲ熊調教師の「白豚、入って来~い!」のパロディです。副店長は基本、〇夢語録を使わない人です。
〇茉理の彼氏と金属バットを持った男子高校生が店内を荒らす理由
バイトテロする学生と同じく、面白半分でやっています。後の事を考えていません。
〇三中が高校生2人を懲らしめた理由
中途半端に倫理観を持っており、彼らの行為へ怒りを覚えていたからです。
〇明らかに用途が違う武器
服装と同じく「グランド・ゼフト・オート サンアンドレアス」の武器、D〇ldoのパロディです。そのまま出すと、警策の二番煎じなので、長い棒状にしました。
〇三中の棒捌き
「スターウォーズ エピソード1 ファントムメナス」のダースモールのフォームを参考にしています。三中はアナキンと同じく愛故にダースサイドへ堕ちた人間です。
〇茉理が気絶した理由
ストーカー男の暴走までは予想していましたが、実際の彼は幼児を人質に取ってしまいます。
その幼児が三中の息子という最悪な偶然も重なり、茉理は許容範疇以上のストレスと、罪悪感で倒れました。
〇三中が怯えた理由
小さな命を救えなかった記憶がフラッシュバックしたからです。人質の正体は気付いていません。
女性従業員、大友絹穂も彼と同じ記憶が原因で泣き崩れています。
〇過去に起きた悲惨な出来事
第2次萩三抗争と無関係の出来事です。明確な意思の無い、事故に近い内容です。
〇三中の暴走
三中の別人格、所謂姉さん格は幼児の怯えに共鳴してしまい、理性を失いました。
主人格の場合、実力行使の前に、対話を選ぼうとします。
〇茉理の彼氏にした技
「シェンムー」シリーズの白猿落としと朧無双を基にしています。ゲーム内で非常に出し辛い技です。
〇ネーサー兵器
「メーサー殺獣光線車」と「姉さん」を掛け合わせています。その正体はウサギのぬいぐるみです。別人格の三中がウサギを苦手とする為、副店長が用意しました。
〇ヤングエリート集団
「ゴジラVSビオランテ」の防衛庁特殊戦略作戦室の通称名です。ゴジラ対策に特化した部署です。スーパーX2を遠隔操縦し、ゴジラを迎撃しました。
〇茶色のウサギ
有為子と名付けられています。持ち主がオパールの父方の叔母、斎方華弥です。実の娘のように可愛がり、専用の服をいくつも作っています。
有為子の服装は「ゴジラVSビオランテ」の三枝未希をイメージしています。劇中、三枝が関西国際空港建設予定地でゴジラと対峙し、足止めを成功させました。
〇灰色のホーランドロップイヤー
今日子と名付けられている、ユーザー(斎方櫻香)が持ち主のぬいぐるみです。オパールのひいおじいちゃんから2歳の誕生日に、プレゼントされました。
ユーザーは妹のように愛でて、アクセサリーも与えています。
背負わされている模型がメーサー殺獣光線車の砲台部です。マイクロ波の光線で怪獣の皮膚に含まれる水分を蒸発させます。雰囲気を演出する為、今日子は背負っています。
〇オランウータンの格好
「ゴジラVSビオランテ」のヤングエリート集団こと防衛庁特殊戦略作戦室の室長、黒木特佐をイメージしています。防衛大学主席卒業の正真正銘エリートです。
〇別人格の三中がウサギに怯える理由
彼の祖父(母方)から、余命いくばくも無いウサギの殺処分を命じられ、絞め殺した時の感覚が忘れられず、トラウマとなっています。
空襲、食糧不足を経験した彼の祖父(母方)は、動物を道具としか見ていません。
〇ポニーテールの人物
小さな怪獣の祖父、三中の父親です。三中忠文は息子に欲情した結果、妻の折檻を何度か受けています。
彼の格好は有為子と同じく三枝未希のコスプレです。息子をゴジラに見立てています。
目を閉じて、棒立ちし、映画のワンシーンを再現しています。
副店長が有為子の服装を伝えなかったせいで、被ってしまいました。
副店長とユーザーにとって、第2の父親です。ゴジラの映画も彼と一緒に観ています。
女装趣味の変人ですが、職業は検事の53歳です。
黄色のシフォンリボンは「ゴジラVSビオランテ」公開当時、コスプレの為に買いました。
〇小さな怪獣
三中と嫁子の息子、三中慈染ちゃんです。名前は「鉄鼠の檻」に登場する監院兼知客の僧侶、和田慈行と、嫁子の本名、染子から1文字ずつ取っています。
染を入れる条件だけ出して、三中に命名を丸投げしました。
乳児期に強盗事件を体験している、三中の息子らしく波乱万丈な人生です。
両親が手間暇掛けて育てている、幸せ者の2歳児です。泣くと、ゴジラの鳴き声になります。
〇精神感応
三枝未希が持つ特殊能力です。テレパシーとも呼ばれ、相手の思考を読み取ったり、相手へ自分の思考を送ったりする力です。これでゴジラを足止めしました。
〇そんな事しなくて良いから
大人の事件簿~その猥褻の構図~第一章「時計仕掛けの外科室」に登場するTRNの台詞です。
〇出張販売ケーキ屋のクレーマー客
ドイツ人の母親と、日本人の父親を持つユーディット・ハッセです。三中が記憶喪失へ陥った原因を生んだ女性です。三中に「三中知努の心から私が消えた時は、貴方の幸福を奪う」という内容の呪いを掛けました。
ケーキの代金を三中のツケにしたり、値切ろうとしたりする厄介な客です。今回はインバウンド価格の因縁を付けています。
従姉の副店長から、ブロンドモンスターカスタマーと呼ばれている27歳児です。彼女の父親が三中忠文の弟です。
最愛の従弟と会う頻度は減っても、彼がいつまでも影の守護者になっています。
〇インバウンド価格
訪日外国人に設定されている価格です。地元民より数倍多く支払わされます。
女性客はケーキ屋もこれを導入していると主張しています。しかし、根拠の無い言い掛かりに過ぎません。
〇アリアスター
「ヘレディタリー 継承」や「ミッド・サマー」の映画監督です。完全に語感で挨拶に彼の名前を使っています。
〇旧式国産小銃
64式7・62mm小銃の小型モデルガンです。引き金を引いたり、切り替え金を動かしたり出来ます。
ぬいぐるみの装飾品として、三中が製作しました。女性客は安全装置を外し、連射状態へ切り替えています。
実銃の場合、暴発の危険性があり、上官から怒鳴られながら体罰を受けます。(それか始末書を書かされます)
SNSの炎上対策として、この小銃を選んでいます。
〇赤ちゃんオランウータンのぬいぐるみ
「SPY×FAMILY」や映画「ブラック・ウィドウ」の影響を受け、斎方華弥が、三中の誕生日に贈った手製ぬいぐるみです。摂理と名付けられており、ニックネームはセツ坊です。
恐竜坊やの正体がファイヤーラドンの着ぐるみを着たセツ坊でした。
正門警備隊員を参考にしている格好で、冷蔵ショーケースの警備に当たっています。
アパアパの娘役設定です。当然、全裸など許されません。
〇オランウータン、アパアパの格好
「ミッド・サマー」の有名な熊のパロディです。「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」の入場者特典、ゴジハムくん(ゴジラの着ぐるみを着たハムタローサングッズ)のパロディ要素もあります。
熊の着ぐるみパジャマです。
〇フクロテナガザルのぬいぐるみ
顔立ちにクリント・イーストウッドの面影を感じ、動物園の売店で購入したぬいぐるみです。
西部劇映画の名無しの男と同じく、名前を付けていません。
服装はお笑いタレント、レイザーラモンHG氏のコスプレです。
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以前書いた短編作品、『エソラごと』が想定外ながらもレビューを頂き、新たな短編作品の執筆を決めました。次回作の内容を考えていた時、あるラブコメアニメの感想コメントが頭に過ぎりました。
「絶対〇〇さん(メインヒロイン)、寝取られるだろ」
昨今、アニメ化されている人気ラブコメ作品は、主人公がメインヒロインの魅力を引き立てる装置となっています。「何とかさんは何語」や「お隣のなんとか様」です。
そのトレンドや社会問題を取り入れ、次の短編作品、「絵に描いた餅」の連載を始めました。
連載中、多くの感想コメントを頂けて、それが執筆のモチベーションになってました。もし無ければ最終話の掲載は、半年後か翌年になっていたかもしれません。
題名の由来は「絵に描いた餅」と「棚からぼた餅」から来ています。燻ぶっているままだと恋愛成就の可能性すらありません。
ショッピングモールのケーキ屋出張営業、それが孤独から抜けられる、石津に与えられた最後の機会です。彼を気に掛けるお人好しは三中しかいません。
受動的な石津がケーキ屋の客に戻るかどうか、その先は読者の方のご想像に委ねます。
約3ヶ月間、お付き合い頂きありがとうございました。
反響次第で、またケーキ屋の人達が事件の原因を作る、短編作品を執筆しようと思います。




