前編
閲覧注意。気持ち悪い男が気持ち悪いです。お食事中の方は自己責任でお願いします。
カルタム王は真実の愛を貫く決意をした。
海洋に生息する魔物討伐を終え、城に戻り次第、あの娘を城に迎え入れる。
その娘とは冒険者の「フィラ」。初めて出会ったのは3年前で、その頃は、12、13歳くらいの少女で、子供としか見ていなかったが、子供とは思えない聡明さと他者を思いやる心、そして次第に美しく成長していく姿に心惹かれていた。
その前に、決着を付けねばならない事がある。口うるさい貴族から目を逸らすためだけに娶った王妃と話しを付けなければ。
何故、愛してもいない女を迎えいれたかと言うと理由があった。悲しい事だが、このカルタム国の貴族達は腐敗していた。先代国王は遊びにふけり、執務や政を放棄。そのため周囲の貴族がそれらを担ったのだが、賄賂、横領は当たり前。瞬く間にカルタムの中心は腐っていった。
若い頃からそれを見ていた、現カルタム王は必ずや、政治の腐敗を一掃し、この国を建て直す事を決意していた。
酒や暴食のせいで先代は早くに亡くなり、カルタム王はすぐさま改革に取り掛かろうとしたが、いかんせん、味方がたりない。学友として幼い頃から共に育ってきた側近達のみ。それ以外は先代の頃から仕えている腐った役人ばかりだ。
おまけに彼等は、有力貴族の令嬢を娶り、後ろ盾を得ろとうるさい。腐った貴族の娘などと婚姻しても邪魔になるだけだ。しかも、その娘達は何かとカルタム王の気を引こうと躍起になっており、醜い諍いを起こしていた。どいつもこいつも、権力欲ばかりが肥大し、浅ましい限りだ。
カルタム王は側近と相談し、愚かな貴族達を黙らせるべく、相応しい姫を探した。調査の結果、素晴らしい人格と教養と美貌を持つ姫は何名かおり、それらの国に打診を送るも全て断りの返事ばかりであった。悔しいかな、前国王の悪評のため、他国からするとカルタムの印象は相当酷いもののようだ。
仕方なく、一定期間だけお飾りの王妃を娶り、政治の立て直しが済み次第、適当な理由で離縁し、また新たに王妃を娶る事とした。
そうして婚姻したのが、今の王妃である。
王妃はシェル国と言う小国の第一王女であった。王女は我が儘で性格が悪く、国民どころが、父親であるシェル国王にも嫌悪されていたという。シェル国王は政略で結婚した第一王女の母が亡くなった後、昔からの恋人で、仕方なく愛人としていた女性を王妃として迎え入れた。その恋人が愛人時代に産んでいた娘も正式に王族とし、大層可愛がっていると聞く。王位もその第二王女に継がせたいと考えているらしい。
そのような性悪な娘であれば、こちらで貰い受け、どのような扱いをしようとも心は痛まないし、頼る故郷もなければ大人しくしているだろうと考え、婚姻したのは三年前だ。
婚姻の日、ベールを被り、現れた姫は随分と背が低い。
「小さな、子供のようではないか」
「13歳と聞いております」
側近の一人に確認すれば、なんと本当に子供であった。こんな幼児が出身国で忌み嫌われる程、傍若無人に振る舞っていたのかと思うと吐き気をもよおした。
式の終了後「お前を愛するつもりはない」と言い放ち、お飾りのである事、故郷に帰ろうとしても無駄だという事を分からせてやった。
当然、子供相手に初夜など行うはずもなく、ベールを被ったまま、後宮へと案内されていく後ろ姿を見たのが最後であった。
後宮には自分と婚姻を望み、醜い争いを繰り広げていた令嬢達を侍女として送り込んだ。令嬢達は後宮で、王に見そめられれば、そのまま妃として迎えられる。上手くいけば、醜悪な王妃と強欲な令嬢達とで潰しあってくれるだろう。カルタム王は、そう期待していたが、側近に様子を探らせれば、王妃は部屋に閉じこもっており、侍女となった令嬢達は、控えの間で菓子を食い散らかし、怠惰に過ごしていると言う。思惑が外れて、残念に思ったが、下手にこちらに興味を持たれる方が厄介だ。カルタム王は後宮を放置し、政務に励む事にした。
またカルタム王は国王の身分を隠し、王都の警備隊長も担っているので忙しい。兼任している事を隠しているのは、民草の王侯貴族への不信感が大きいからだ。政治改革が済み次第、公表するつもりだ。自分達のために、身を粉にして働いてくれていた警備隊長が、国王だったと分かれば、王への不信感など一掃され、敬愛の念へと変わるだろう。
フィラと出会ったのも、警備隊長として職務に付いていた時だ。カルタム国はとにかく人材が乏しいため、魔物討伐の際など、冒険者に協力を求めるが多く、フィラも冒険者で隊を組んでいた中にいた。
ボサボサの茶色の髪で、顔は分かりにくかったが、頰にそばかすがあるようだ。細い体で屈強な冒険者の中にいる姿は非常に目立っていた。
初めは子供は帰れと怒鳴ってやったが、他の冒険者のとりなしがあり、様子を見ることにした。
そうすると、フィラは魔術師として素晴らしい活躍を見せた。攻撃だけでなく、仲間の防御や、負傷したもののフォロー。とても子供とは思えない。
これは捨て置けない人材と思い、自分に仕えないかと聞いてみれば。
「私、この国の王侯貴族も大嫌いなんです。隊長の家来になったら、そいつらと関わらなきゃならないでしょ」
腐った貴族のせいで断られた。
「本当に嫌いなんです。ナメクジの方がマシです」
その後も何度か打診したが良い返事はもらえなかった。
そうして何度か戦いを共にしている際、風で髪が巻き上がり、フィラの素顔を見た。恐ろしいほど整っており目が離せなくなる。
懇意にしてるギルドマスターに尋ねれば、変な輩に絡まれたら面倒だとわざと髪で隠しているとの事。なるほど、納得の理由だ。あれほどの美貌だ。そばかすなんぞ、気にならないほどだ。
彼女に危険が迫らないよう、警備隊長として、国王として、一人の男として、目を光らせねばと思い、定期的にギルドマスターにフィラの情報を渡すよう依頼する。しかし、フィラ本人は自分に気後れしているようで、一向に心を開いてくれる素振りはなかった。
冒険者仲間とは楽しそうに会話をしている姿を見ていたので、決して人間不信という訳ではないだろう。一人暮らしだという老人の世話をしたり、街に住み着いている浮浪児とよく話したり遊んでいる姿も見かけた。子供達には、掃除の代行などで、小遣いを稼ぎ、スリなどの軽犯罪をしないで済む方法などを伝授していそうだ。しばらくすると、リーダー格の少年が子供達を取りまとめていくようになり、彼等の身なりもまともなものへとなっていく。
なんと心優しく、気高い事か。優秀な能力、他者への慈愛、そして美しい容姿。まさしく王妃に相応しい。そう思うようになったのはいつ頃からか。もはや、はっきりとは分からない。ただお互いの立場もあり、カルタム王はフィラを見守ることしかできず、歯がゆい気持ちなった。
そして三年もたつとフィラはさらに美しく成長した。顔を隠さずとも魔術師としての腕前が広まっているのでトラブルは少ないそうだ。
この頃になれば、お互い視線と視線で通じ合えるようにもなった。フィラは目が合えばすぐに逸らすが、そこには結ばれることのない、この恋への切なさが込められている。その健気な姿にカルタム王は早くフィラを安心させてやらねばと決意を新たにするのであった。
そして、3ケ月にも及ぶ海洋魔獣の討伐を終え、無事カルタム港へと戻ってきた。
「フィラを迎えるぞ。この決定を覆すことはない」
「わかりました。もう反対はしません」
親友とも言える側近には以前よりフィラへの思いを伝えていた。側近は、平民の冒険者を後宮に迎えるなどと正気の沙汰ではない、腐った貴族の格好の獲物だ、フィラの幸せを願うなら諦めるか、外で囲うかにすべきだと言った。側近がカルタム王とフィラの幸せを願って反対していることは分かっていた。しかし二人の真実の愛について繰り返し伝える事で、今では良き理解者となってくれている。
フィラを迎えるに当たり、王妃には釘を刺しておかねばならないだろう。アレは我が儘で醜悪な女だ。フィラに危害を加える可能性もある。ところがだ。
「いない、だと?」
後宮に遣いを出した侍従は申し訳なさそうに戻ってきた。しかも、いつ戻るかも分からないとの事。どこか遊び歩いているに違いない。王妃ともあろうものが、なんという無責任な行動を取るのか。
「今すぐ、呼び戻すように言え」
「どこにおられるのでしょうか?」
「そんなもの、侍女に確認しろ」
「侍女達も知らないそうです」
「何だと」
ここにきて、やっとカルタム王は後宮へと出向いた。
「まあっ王のおなりよ!」
「あらまあ、陛下、ご機嫌麗しゅう」
「さぁさ、どうぞ、こちらへ」
「お会いしとぉ御座いましたぁ」
「誰ぞ、お茶の用意を!」
「いえ、ワインのほうがよろしゅうございますわ」
むせかえるような香水の匂いを漂わせた女共に迎えられ、気分が悪くなる。しかも侍女である彼女達はあたかも、この後宮の妃であるかのように着飾っていた。
何度か押し問答の末、王妃がいないなら王妃の部屋で待つと押し通し、彼女達の侍女の一人に案内させた。それにしても、侍女として働いているのに、侍女を侍らせるとはどういう事だ。
しかし、さらに驚いたのは王妃の部屋に入ってからだ。まるで何ヶ月も何年も掃除していないかのように埃っぽく、調度品が全くない。
つまり、人の生活の気配が全くないのだ。
「これは、一体どういう事だ!」
侍女達は「掃除は自分達の仕事ではない」だとか「王妃には何も言われていない」だとか「こんな事をするために後宮に入ったのではない」だとか言い訳していたが、職務放棄で全員、貴族牢にぶち込んでやった。これで、この愚かな令嬢達を処罰する事が出来る。
しかし面倒な事には変わりない。この様子だと、王妃は長らく後宮にはいないようだ。一体何処へ消えたのか。
側近達に王妃を探し出すよう伝え、久しぶりフィラに会いに行く事にした。何といっても三ヶ月ぶりだ。自分が率いるカルタムの警備隊が討伐に行くことは知っているはずだ。心配で夜も眠れぬ日々を送っていたに違いない。これだけ、離れている期間が長ければ、普段は自分に興味のないふりをしているフィラも、目に涙を溜めて胸に飛び込んでくるだろう。
「いない、だと?」
ところが、ギルドでフィラの所在を尋ねると、職員の女はフィラはとっくにこのギルドを脱退したと言う。
「馬鹿な!何かの間違いではないのか!」
「いいえ、三ヶ月前に脱退届けが出されています」
「そんな……」
ありえない。フィラがいなくなったなんて。仮に何処かへ行くとしても、自分に断りもなく消えるなどありえない。
「冒険者が、突然、拠点や活動範囲を変える事はよくある事です」
そういって職員の女は仕事に戻ろうとするが、待合スペースにいた冒険者達が言った。
「でも、フィラは義理堅いよなぁ。わざわざ手紙を送ってきたぜ」
「ああ。世話になった、急に辞める事になって申し訳ないってな」
「そうよね、手紙なんてくれる子は今までいなかったわねぇ」
多くの冒険者が手紙を貰ったらしい。
「私宛の手紙は……」
「ありません」
なんて事だ、フィラ。何故黙って出て行った。
「もしや」
慎ましく心優しいフィラの事だ。カルタム王は実際の身分は隠していても、王都で尊敬を集める警備隊長、一方でフィラはただの冒険者。立場の差を気にし、心を引き裂かれる思いで自ら身を引いた可能性が高い。
「あー隊長さんよ、俺も手紙はもらってねぇから」
動揺するカルタムを慰めようとギルドマスターが声をかけたが、職員の女性は冷たく言い放った。
「ギルマスはしつこく私的な事を聞き出そうとして、フィラに嫌われてましたからね」
「だって、それは……」
ギルドマスターが助けを求めるように、こちらを見たが、カルタム王はそれどころではなかった。
「冒険者はそれぞれ事情がある人が多いんですから“個人の事情に必要以上に立ち入らない”それは冒険者同士の暗黙の了解ではなかったんですか?」
そうギルドマスターを問い詰める職員のエリーはフィラと親しくしていた者の一人だ。孤児のエリーは中々雇ってくれる場所がなく、14歳でこのギルドへやってきた。今年で10年目になる。
一見、冷静沈着に見えるエリーだったが、自分が働き出した年齢よりも、幼いフィラを気に掛けていた。すると、この警備隊長がフィラに付きまとっている事に気付いた。この男はエリーより6歳年上のはずだ。10代半ばの少女に執着する30歳近くの男。気持ち悪いの一言だ。
自分に仕えるよう、しつこく声をかけては断られている。にも関わらず、フィラの周囲をうろついては、意味ありげな視線で見つめていた。
フィラが男性の冒険者と話していると牽制するように相手を睨み付け、フィラが町の子供達やお年寄りの世話をしてやっているのを見かけると、何故かドヤ顔をしている。2人に歳の差があり過ぎるのと、フィラが一切、隊長を相手にしてなかったので、最初は分からなかったが、しばらくして「嘘でしょ、もしかして彼氏ヅラしてる?」と気が付いた。
あのネチッとした視線と、異様な振る舞いをフィラも分かっているようで、絶対に目を合わせないようにしていたが、隊長は、時折、無理矢理フィラの視線の先に入り込んで彼女をヒエッ!とさせていた。そんな反応をされても、一瞬でもフィラと目が合うと満足そうにしているので意味が分からない。
槍使いのジェシカは、鳥肌の立った腕をさすりながら「顔が良いのに、気色悪いなんて奇跡のような男だねぇ」と言っていたし。
最近、生まれて初めて恋人が出来て、少しばかり調子に乗っているトニーには「隊長さんは女を口説いた事がないのさ、恋愛童貞ってやつだな。フッ」などと言われている。
ベテラン揃いのパーティーのリーダー、ガイルさんは同じくらい歳の娘さんがいるらしく「いいか、フィラ。絶対、あいつと二人きりになっちゃダメだぞ。ヤバいと思ったら股間を蹴り上げて潰してやれ。遠慮はいらねぇ。分かったな?」などとアドバイスしていた。
それから、殆どの人間に言わせると。
「でも隊長って王様だよね?」である。
カルタムは国の行事の際、王族が城から国民に手を振るが、なんせ小さい国だ。当然、城も小さい。王族の顔が良く見えるのだ。
国王は結婚してる。何年か前に他国のお姫様を娶ったのだ。しかも、そのお姫様もかなり若いと聞く。国のトップが結婚してるにも関わらず、身分を詐称して、年若い少女に付きまとう。この国終わってるなぁとエリーは思う。
おまけにギルマスとこの男は親しいようで、この少女趣味男に協力している。フィラの情報を渡しては隊長から謝礼を受け取っているのを見た。最低だ。
このギルドに勤めて10年目だが、職員は自分しかおらず、仕事はどんどん増えるのに給金は上がらない。ギルマスは全く仕事をしないし、何故かいい加減な自分がミステリアスでカッコいいと思ってる勘違い中年だ。冒険者達と街の住人が良い人ばかりだから頑張ってこれたが辞めてしまおうか。
事務の能力はしっかり身に付いたし、近隣の国の言葉も簡単な会話なら三ケ国語は話せる。近頃、イヴィヤが景気が良いと聞く、ルヴァランに行ければ一番良いが、国王が代変わりしたエルドラも住みやすくなってきたらしい。
よし辞めよう。
善は急げというし、すぐに退職届を提出することにした。お世話になった人達に挨拶をして、ギルマスは後任を雇う様子がないので、実務内容の手引書と引継ぎ書を作成。
そして退職の日はすぐにやってきた。
最後の業務を終えてギルマスの部屋に行く。ギルマスに世話になった記憶はない。仕事のやり方は、もう退職してしまったベテラン職員のマダムから教わったのだ。しかしエリーは義理を果たそうと、最後の挨拶をするつもりだった。その手には冒険者達がプレゼントしてくれた花束を抱えている。
「お世話になりました」
「え、本当に辞めんのか?」
「はい、お元気で」
「いや、退職するって言って、俺の気を引こうとしてるだけかと」
「意味わかりませんね。さようなら」
「ちょ、待てよ」
「ウッギャーー!」
何をとち狂ったのか。
背を向けたエリーをギルマスは後ろから抱きしめた。本人に言わせると、大人の男の色気でエリーを誘惑し、引き止めようとしたそうだ。
幸いにもエリーの悲鳴を聞きつけ、すぐに冒険者達が駆け付けた。ギルマスへの挨拶が終わり次第、美味い料理屋で「お疲れ様エリーの会」を行う予定だったので、皆、ギルドの待合スペースで待機していたのだ。当然ギルマスは呼ばれていない。
勘違い中年はすぐさま、屈強な冒険者達に取り押さえられ、散々罵倒された。
「今までエリーに仕事を押し付けてきて、最後はセクハラか!」
「冒険者同士のケンカの仲裁もエリーに押し付けてたよな」
「エリーが影のギルマスって呼ばれてたのは冗談じゃないんだからね!」
「この役立たずの無能!」
「お前みたいな奴にギルマスの資格はねぇ!」
「時々、ウインクしてくんの、マジでやめろ」
「無意味に髪をかき上げるな」
「キモいんだよ、ジジイ!」
その後、ギルド本部から調査員が派遣され、徹底的に調べられた。セクハラだけではない、職務放棄や低賃金のままエリーを働かせて続けた事など、問題だらけだった。
それなりに長くギルドマスターをしていたのだから、冒険者から擁護があっても良いはずだが、皆口を揃えて「このギルドの本当のギルマスはエリーだ」と言うではないか。
本人は、普段はチャランポランだが「いざという時」は頼れる、燻し銀のように渋い凄腕ギルドマスターのつもりだったらしい。
こうして、変色金属男はギルドマスターの資格を剥奪され、ただの勘違い中年となった。
調査員曰く。
「カルタムのような小国では、ギルドは街の治安維持の一端を担っています。常に“いざという時”です。それに、そのような機関のトップが倫理観が欠如しているなど許されません」
また、セクハラについてだけでなく、今まで安い給金で働かせていた分も慰謝料として支給され、エリーとしてはちょっとラッキーと思っている。
もちろん元ギルドマスターからの支払いだ。支払い能力がないので、ギルドから借金という形になっている。
ギルドの問題は解決したかのように見えた。
しかし新たなギルドマスターの派遣が決まらない。このような小さな国にわざわざ移住してギルドマスターになろうという者が見つからないのだ。こうして、カルタムにギルドが存在しない期間が数年間も出来てしまう。
それが、カルタム滅亡の理由の一つとなる事をエリーはまだ知らない。