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第三話

Twitter(X)リンク:https://twitter.com/jun_satoh_novel

「先週の金曜日の部活中に、体育館のそばいたんだけどさ、」

光は、少し上体を後ろにおこし、声のトーンを普通に戻して説明を始めた。

「その時に薫の名前が聞こえてきたんだ。それで、ちょっと耳を澄ましてみると、どうやら恋バナみたいでさ、告白とか、好きとか、そんなワードも一緒に聞こえてきたのさ。」

(ひかる)は、ニヤニヤしながら、僕を見てきて、「お前もやるなあ。」といった言外の雰囲気をにおわせている。

「それだけだと、藍沢さんってわからないだろ。」

僕は呆れて光を見る。

「誰が話しているかまでは、わからなかったんだけど、その恋バナの中に『くるみちゃん』ってワードが聞こえてきたんだ。それで、体育館の利用申請のホワイトボードを確認しに職員室に行ったら、その日の利用申請がなんと女バスだったんだ。確定だろ!」

 光は、名推理だ、とでも言うように、えっへんと胸を張って、興奮気味に説明を終えた。

僕は今の説明を聞いて満更でもなかったが、言っているのは、あの光だ。あまり期待しない方がいいと思って、ふーん、と受け流した。

「つれないな、告白されたらどうするんだ。」

「その時考えるよ。その話が本当ならな。」

 その時、タイミングよくチャイムが鳴った。

光は「信じてくれよー。」と口をとがらせながら自分の席に帰っていった。


僕は国語の準備を終えて、先生を待ちながら、さっき光に言われたことを考える。「本当に告白されたらどうしよう」と一瞬頭をよぎったが、やっぱり「いや」と僕は頭を振った。 

こないだだって、体育館へ繋がる渡り廊下の前で、光と一緒に昼飯を食べていたら、妹の弁当と間違えて持ってきてしまったのを動画に撮られた。そして、いらないことするなよ、と釘を刺したにも関わらず、僕は「かわいい弁当を食べている男」として、SNSに拡散されたのだ。しかも、ご丁寧に僕のアカウントでときた。


僕は、当時のことを思い出す

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