第十八話
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「言わせてごめんね、ありがとう。」
僕は清水さんの緊張をほぐそうと、できるだけやわらかい声でお礼を言う。
「なんで、私が花崎くんを好きだってわかったの?」
清水さんは本日二度目の「なんで」を尋ねた。
「まずは、清水さんが僕の携帯を盗んだ理由なんだけど、こないだ光が僕のアカウントでSNSに拡散した、弁当の動画が原因なんじゃないかと思って。あの動画、体育館が後ろに映っていて、そこに清水さんがいたんだ。確かにあの時、昼休みに体育館使ってたから映っちゃったんだね。」
僕は、清水さんが僕の携帯を盗んだのには、相応の理由があったはずだと思った。でなければ、遺失物ボックスを開けた時に盗む必要はないし、探している時に返してくれたらいい話だ。それはどんな理由だろうと考えた時に、清水さんと僕をつなぐものはそれしかなかった。盗んだ動機も当たっていたようで、清水さんは、そのまま自分の言葉で僕の推理の補足をした。
「その通りよ。私、バドミントンが大好きなんだけど、バドミントンをしてる時の自分は全然かわいくなくて…。好きな人の携帯に、そんな動画が残っているって思ったら思わず…。それに、目線が花崎君を追っている自分がいて…。恥ずかしくって、消したかった。」
「なるほどね。」
やっぱりそんなかわいらしい理由だったのか、と思った自分が、相当浮かれていることに気が付いて恥ずかしくなってきた。
「光が金曜日に、体育館で誰かが僕を好きっていう話を聞いたんだよね。申請のホワイトボードは女バスになっていたけど、実際にあの時使っていたのはバド部だね。」
僕は最初に聞いた知念さんの言葉を思い出して、清水さんに確認した。
「あの時の会話、聞かれていたの?」
清水さんは、また顔を赤くして驚いた。
「光が聞いたんだよ。」
僕は、やんわりと訂正して、教室での光とのやり取りを思い出していた。光は、女バスのマドンナ『くるみちゃん』と聞き間違えていたが、正解はバド部の『久美ちゃん』だ。いつもお騒がせな光だが、今回の間違えは仕方のないところかもしれない
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