第十七話
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僕は気にせずに推理を続ける。
「それで、その落としたリップグロスが遺失物ボックスにあるのを見つけた清水さんは、それを回収するときに僕の携帯を見つけて一緒に盗んだんだ。違うかな?」
「そうね…。ごめんなさい。返すわ。鞄に入っているからちょっと待っていて。」
清水さんは、少しふらふらしながら、ロッカーの方へ携帯を取りに行ってくれた。
「どうして僕の携帯を盗んだの?」
僕は、戻ってきた清水さんから携帯を返してもらいながら聞いた。
「それは…。」
どうしても言いたくないのか、言い訳を考えているのか、清水さんは唇をわなわなと震わせながら、考え込んでいる。僕は、清水さんが言葉を発する気がなさそうだ、と思い、また推理を続けた。
「ごめん、勘違いだったら申し訳ないし、とっても恥ずかしいんだけど、清水さんは僕のことが好きだったりする?」
僕は、自分の心臓の音が、バクバクと少し大きくなっているのを感じた。自分で言うのも恥ずかしかったし、もしかしたら自意識過剰かもしれない、というちょっとした心配もあったが、耳まで真っ赤になっている清水さんを見ると、よかった、間違いじゃなかったんだ、と安堵した。清水さんは、真っ赤になりながら泣きそうな顔を見せた後、その場にしゃがんで手で顔を覆い黙ってしまった。
「大丈夫?清水さん。」
僕はしばらく清水さんがそうしているのを見ていたが、あまりに長いなと感じたので、声をかけた。
「………くん…です。」
すると、清水さんが顔を覆ってしゃがみながら、何かを離したが、僕は聞き取れなかった。
「え?」
聞き返すと、清水さんが観念したかのようにゆっくりと立ち上がり、相変わらず手で顔を覆いながらだったが、今度は大きい声で話してくれた。
「花崎くんが好きです。」
顔が小さいのか手が大きいのか、顔をすっぽりと覆う手から、唯一見えている耳が真っ赤になっている。そうやって声を絞り出している様子は、文句なしに可愛らしいな、と僕はこっそり思った。
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