2人は、まるで、サウナストーン
~先生とジョジュアを石化させた「敵」視点~
んんー……2人釣れた。
馬鹿なもんだな。
あの自意識過剰仮面男の死体が回収された時点で罠張って待たれる事を考慮できなかったのか。
この店に入ってきたのは、たしか3人。
あと1人が1階にいるんだったか。
大声で叫びやがってクソジジイ、よくやった。
おかげで俺が大声出す必要がなくなった。
嫌いだし、苦手なんだよ。大声出すの。
ギッ、ギッ、と。階段を昇る足音が床を介して伝わってくる。
その音が、2階倉庫前のドアで止まった。
「ふ、2人とも……石になったのか?」
ハア~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アホか。
石になってたら返事できるかよ。
俺が代わりに返事しなきゃならんだろうが。
「そうだよ」
ドアのむこうで息を呑む音が聞こえた。
「逃げるなよ。逃げたら石になった奴らカチ割るぞ」
わざわざ返事をしたのは逃げないように釘をさしておきたかったからだ。
逃げられるとスゲ~めんどくせぇからな。
どうせならここでまとめて石にしてやる。
だが人質は1人で充分だろ。
わざわざ全員運びたくねぇし、ドアの向こうのガキだけ残してジジイと女は壊しとくか。
あ~~砕くのもそれはそれでめんどくせぇよ~~。
ハア~~。
こいつら以外にもう1人、仮面男殺した奴が別行動してなけりゃまだ楽だったのにな~~。
ま、後の事はあとで考えるとして。
今はガキがノコノコ出てきたら『石毒』塗りのボウガン矢でプスッと刺す事だけ考えよう。
刺すの失敗しても逃げまわりゃその辺に仕掛けた釘に刺さるだろうしな。
しかし、期待とは裏腹に、階段を下りる音がトントンと伝わる。
マジかよ~~!逃げやがったガキ~~!
上からグチャグチャ言われそうだなクソ~~!
めんどくせぇが、壊すか。
死体の破片はその辺の棚にしまっとけばいいだろ。
人質はこっちにいるってフカしてりゃ充分。
こんなん運ぶ理由ねぇよ。
生かしたままだと石化から回復されるかもしれんし。
俺は置いといてたバッグからハンマーとノミを取り出し、ため息を吐いて作業に入る。
……?
なんか、息苦しい。暑い。
この倉庫には人も通れない小窓しかないとはいえ、換気できてないわけではないし、直射日光のせいでもないはずだが。
いや、なんだ、どんどん暑くなっている。
暑いっつーか、熱いぞ!
なんなんだ!
と、ふと見ると床に黒いシミができていた。
そのシミに近づくと、もっと熱くなる。そして臭え!
これは……。
黒いシミから、ポウと火が昇った。
違う!これはシミじゃなくてコゲだ!
やっと気づいた!あのガキ~~~~!!!!!
1階の天井を!つまりこの2階倉庫の床を燃やしてやがる!!!!
俺が熱さに我慢できなくなって飛び出したところを逆に待ち受けるつもりか!!
ふ、ふざけんなよメス肉ごときがよ……。
いや、メス肉だけじゃねえ!どいつもこいつも俺をバカにして嗤いやがる!
要はドアを開けた時どこから攻撃するか分かってれば対処はできるんだよ。ハア…ハア…!
倉庫には手鏡が、あった!
これを使えばドア前に身を乗り出さずに周囲を確認できる。
倉庫のドア前には身を隠す場所は無いはずだからこれで丸わかりだ!
殺す!!
石にして最初にぶち壊してやる!!ハア、ハア、ハアッ!!
俺はドアノブを握り、ゆっくりと回して、ドアを開け
(ガチャガチャ)
ドアを開
(ガチャガチャ)
ドア
(ガチャガチャ)
開かねえ~~~~~!!!!!
そういえばこのドアのカギは、外側から掛ける南京錠タイプ!!
あのガキ!!!俺を焼き殺すつもりだってのか~~~~!!!
思えば最初に、仲間が2人とも石になったか確認したのは、巻き添えで焼き殺さないためのものだったのか!
カス~~~~!!!!俺の命をなんだと思ってんだ!!!!
やべえ、やべえ、やべえ…!
焦ると顔から脂と汗がダラダラとこぼれる。
ここから脱出する方法は…!
!!
そうだ、ここからなら……!
《『敵』の視点、続く》
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