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焼け跡、検証、岩夫人

 学園の薬品研究棟──だった場所。


 僕らと街の衛兵さん等による現場検証が行われている。


「こりゃあ酷いもんだ……修繕にいくらかかると思ってやがる」

「にしてもファイアードレイクがこんな街の近くに出没するなんてなあ」

「死体がなかったら信じられんとこだった」


 衛兵さんのボヤき声が聞こえる。

 無茶だったとは思うけど、ドレイクを倒したのは正解だったかもしれない。



「マスター、あの見るからに衛兵っぽくない連中はどこの馬の骨かね?野次馬(やじうま)?」

「冒険者ギルドだ。折角だからドレイクの死体を回収してもらってカネなりなんなりに替えてもらおうと思ってな」

「解体処分だってタダではないでしょうに」

「差し引いても余裕でお釣りが出るくらいにはカネになる。肉、骨、ウロコ、臓物(モツ)。捨てる場所がないからゴミも出んしな」

「ウンコも?」


 殺すぞ、とマスターの眼が語っていた。



 冒険者ギルドの集団が、急にざわつく。


岩婦人(ミセス・ロック)!わざわざこんな所まで……」

「お構いなく。最近事務作業ばかりで気が滅入っていましたので。あら、本当にファイアードレイク。ギルドメンバーでも手こずる相手によく勝てたものですわね」


 岩夫人…と呼ばれた女性。

 フワフワの金髪に、キラキラと輝く瞳。

 長いまつ毛。

 首から上を見れば深窓の令嬢のようだけど、令嬢というには筋肉がすごい。

 丸い肩、太いふともも、デカい乳。

 意図せず1句作れてしまうくらいにはムチムチしている。



 その彼女が、こちらに気づいて近づく。


「これを貴方たちが?」

「あっ、はい」

「ファイアードレイクに襲われるとは災難でしたわね」

「災難というか悪意というか…」

「?」


 ここまでの経緯を説明する。(世界の危機については隠しておいた)


「悪漢を追ってブニアからこちらへ……ではそちらの男性?が『田舎上がりの無鉄砲』……あ、いえ、なんでも」


 ブニアの冒険者ギルド連中、僕にそんなあだ名をつけていたのか。

 馬鹿にされるのは慣れているけど、それでもちょっぴりムカつくな。


「そういえばご挨拶がまだでした、失礼。フレイミー・ダンドルトン。ギルドでは岩夫人(ミセス・ロック)と皆様に呼ばれております」


 夫人の自己紹介に僕らも自己紹介で返す。

 と、横からギルドメンバーとおぼしき人が口をはさむ。


「岩夫人はすげぇお人なんだぞ、なんたって『名誉冒険者』だからな!」

「名誉冒険者?」

「おうよ、ギルドメンバーの中でも功績と実力において抜きん出たものだけが許される肩書き!冒険者たちの憧れとも言える存在なんだぜ!」

「皆様の助力のお陰ですわ」


 夫人がまたスッと挨拶する。

 なるほど、ギルドメンバーが敬っているわけだ。


「それにしても、其方はなにか……私に話してくださったこと以上に、大きな『何か』を背負っている気がしてなりません。もし、私たちの手助けが必要でしたら、またいつでもお声かけください。お力になりますわ。では、失礼致しました」


 夫人がまたまた軽く挨拶をして、背を向ける。

 そしてこちらを……いや、僕を?チラリと見て去っていった。

 その視線に、なにか僕を品定めするような気配を感じたのは……気のせい、だったんだろうか。




「はあ~あ、それにしても結局、手がかりは燃え尽きてしまった。また相手の出待ち状態になるかなあ」


 マスターの溜息と愚痴がこぼれる。

 そういえばそうだった。

 またしても取り逃してしまったのだ。

 僕も溜息が出てしまう。


「完全に逃げられてしまったねえ」




「そうでもない」


 !!

 突然の否定に、声のする方向へ振り向く僕達。

 そこにいたのは──



「ジョジュア!」


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