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干支作品

猫の私が干支になれなかったワケ。

掲載日:2020/09/29

 昔々、神様に憧れている猫がおりました。

 その猫は灰色の体毛をもち、黒い虎模様が特徴的で、そのような猫が神様になるために文字を書いておられたそうです。


「皆の者」


 神様は言いました。


「言葉を巧みに、私を感動させたものを上から順番に神の位を与えましょう」


 そう、神様は仰られたのです。

 私は努力をしました。言葉をどれだけ上手く扱うか。

 ライバルの中には、ペンすら持つのに一苦労なネズミさんや、蛇までいました。

 私はただひたすらに、そのような者たちも視界に入れずに執筆を続けました。


「これでよし! あとは……」


 思わず読み返してみます。すると、頭の中にスラスラと言葉が入ってくるので、どこか違うなと思ってしまいました。


 私の理想の文章──それは適度に咀嚼できるような文章なのです。

 あまりにも読み易いと感動するのも忘れてしまいそうで、私は怖く思ってしまうのです。


「今度こそ……完成!」


 私は遂に理想の文章が完成しました。強弱があり、適度に咀嚼して飲み込める。

 そんな理想の文章。


 私はすぐに神様のもとへ出発しました。自分の文章で感動させるために。


 他の者たちも執筆が終わっているみたいで、皆こぞって大急ぎです。誰が一番最初に到着できるか、これがとても大事でした。


 私は道中で少し寝てしまい、それから再び神様のもとへ進もうとしました。


「あれ? 原稿がない!」


 どうやら、私の原稿は盗まれてしまったようです。


──ちゅっちゅっ!


 そんな笑い声が、最後に私の耳を震わせました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 伝えたいテーマと簡潔なオチがよかったです
[良い点] ネズミさーん(*T^T) ああ、猫さんかわいそうに…… [一言] とてもサクッと楽しく読ませていただきましたー。 また、お邪魔させてもらいますね。
[良い点] エッジがきいている内容で、面白かったです。 短い中に凝縮している印象ですね [気になる点] なし [一言] 最高の文章とスピード、妥協しない猫さん。 猫が負けたのがねずみというのも皮肉がき…
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