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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 72 白煙に潜む嘘の黒煙

ねむりながらかいたのでごじだつじあるかも


「…悪いな、朝早くから。助かったよ。」


 アースはステラに礼を言う。そしてアースが起き上がるのと同時にミラも目を覚ましたようだ。


「…あ、アースさん、まだ安静にしてなきゃダメですよ!」


 アースはミラの言葉に耳を貸すことなく地に立ち、額に触れた。


「問題ないですミラさん。少し額が割れた程度なのですぐに治ります」


「そう…ですか」


「アース、それより何があったの?」


「なんでもないよ。それより…ステンレスは何処へ行ったんだ?屋敷にはいないようだが。」


「…さあ?私には祖の神の考える事なんて見当もつかないわね」


「誰も見かけてないってことは…まぁ粗方予想はつくが。…ああそれとステラ、そういう祖の神への先入観は払拭しておけよ。過去がどうあれ今は味方なんだ、味方を信用できないってのは論外だ。作戦の足枷にしかならない。」


「…ええ、分かったわ」

「…」


 アースは部屋にある洗面所で顔を洗い、歯を磨くと足早に屋敷から立ち去った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 アースの予想通りステンレスは街の門を抜けて荒地に立ち、パーライドを囲む壁に触れて見上げていた。


「調子はどうだ?ステンレス」


「多分無理だ。ここまでサイレントは届かない。だがもう今更作戦を変えようにも時間が足りない。あの時は口を挟まなかったがお前も分かっていたのだろう?」


「分かってる。それより肝心なのはサイレントだ、何処まで届いた?」


「町の半分も覆えていない。仮に住民全員に爆発音を聞かせたいってならサイレントの意味はない。元より爆発音は仮に消せたとしても爆発のフラッシュがボルボロスに異常を知らせるだろうな。」


 ステンレスの言葉を聞くとアースは呆れた様子でため息をつく。


「もう数分したらミーナも此処に来る。今のうちにサイレントをかけて置けよ。そん時に説明するけどな、少しは察してくれ。そもそも考えてみろよステンレス。会議中あの面々でプランAが通ると思うか?」


 アースが馬鹿にするかの様に語り始めるのでステンレスは少し腹立たしく思ったのか眉間にしわを寄せる。


「…通らないな。」


「通りもしないプランAと二つ並べたらほぼ100%プランBに票が集まるのを俺が自覚してて何故プランAの作戦を説明したと思う?」


「まさかお前…プランAの作戦内容も知っていてもらう為にか…?」


「その通りだ。俺は正直あの女王に対しての信用度はゼロだ。過去であいつの本質をよく知っている。表面上決定権は女王に渡した。俺はあくまで女王の選んだ道に沿って進むのだと皆は思っただろうな。だが俺は状況的にプランAに移行させる。あくまで偶然を装ってな。」


「へぇ~!それ大賛成ー!」


 アースの背後からひょこっと顔を出してミーナがアースの意見を肯定する。


「ステンレスも協力しろよ?秘密裏にな。」


「分かっているが…上手くいくのか?」


「やるからには必ず勝つ。この次はなんて言葉はねえ。それとプランAには移行するがプランBの内容を全くしないわけじゃあない。作戦会議に参加した殆どのメンバーはプランBを実行し続けるし、あくまで事故の演出でAに移行するわけだからプランAも密かに同時進行していることを知るのは極僅かな人達だけだ。」


「…そのプランBを知る僅かな者が俺とこの女という訳か」


「失礼な人だねー、私ミーナって名前があるんですけどー」


「やかましい、アースが作戦を話すんだ静かにしろ。」


「この神嫌いだなー」


「…」


 そんな態度だから祖の神は嫌われるんじゃないのかと突っ込みを入れようと思ったが止め、秘密裏に行われる作戦の説明を始めた。


「ボルボロスの話を総合すると多分かなり頭がキレて身体能力も扱う能力もトップクラスに強い。そして単身でこのパーライドをおとせる癖に腰抜け…?間抜け…?ビビり…?」


「慎重では」


「慎重…そう、臆病であるんだ。だから何があっても敗北が起こる真似はしない。けれど失敗もしないしさせない。仲間を集めて襲撃はさせるけど自分から前線に立つことはしない。だけれど漏れが無いよう最後の後始末は必ず行うし、何か問題があった場合の為に作戦が遂行されているときはきっと現場の近くにいる。しかも居場所が悟られぬような絶妙な距離感且つ現場を把握できる場所から。予想位置は唯一パーライドの全体を把握できる少し離れた丘と予想する。そして万が一異常が発生した場合、時差が生まれない様にするためその異常を知らせる信号を我々が思っているより遥かに素早く伝達されるようにしているのかもしれない。だからもしボルボロスを対処するのならば強力な味方をぶつけて勝ちを祈るより部が悪いと判断させるために強い味方+人数、物量で押すのも手かもしれない…と。奴は決して頭が固い訳ではない、理に動く、勝つ見込みのない闘いは避けるべきだと考える利口な奴なのだろうと、ボルボロスの事を前世で考えていた。ここまでは前置きだ。」


「長いよー」

「それでお前なりに分析して作戦を練ったわけか。」


「俺の人生2つ分掛けてんだ。安くねえよ。まあ簡潔に言えば万が一お前がサイレントで王都の音を隠し、閃光も消せたとして、ボルボロスの保険の量には敵わないってことだ。だからお前のサイレントは常時オークション会場を包んでればいい。あいつらに逃げられた方がやっかいだ。」


「分かった。」


「まあでもアースの推測通りで行くならさー、外周から避難初めても確実に間に合わないよねー?そこは警備兵に伝えてプランAを実行するつもりー?避難指示は行わないっていうやつ」


「ここの警備兵は暗視ゴーグルとか持ってるか?」


「多分ないねー。仮にあっても4,5人分程度かなー」


「まあそんなものか。避難指示は行わず()()()プランA通りで問題ないよ。避難がスムーズにいかない可能性の方が高い上に門の方角からくる事は知ってるんだ。どのみち住民に被害は及ばない。そっち方面に引き続きお前が立っててくれればいい。ステンレス、ボルボロス姿さえ視認出来たらお前がウィーズに向かわせて援護してくれ。俺が亜人救出まで踏ん張ってくれるだろう。最終的には主力全員でボルボロスを叩く。」


「まずはプランAとは?途中からプランBに移行するつもりか?」


「その通りだ。万が一戦闘が荒野だけで抑えられなかった場合は避難が必要だし、ボルボロスの存在を理解させるっていうのがプランAの一番の目玉ポイントだからな。」


「まあーそれがなきゃプランAに価値はないよねー」

「ああ…だがしかし、それだけか?」


「もう一つはリアナとオーファンの挙動についてだな」




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