表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
79/168

第二章 70 外界からの贈り物

誤字脱字はありま


 二人はステンレスに注目する。


「ああ、紫外線ペンっていうのかあれ…。って急に食いついてきたな、どうした。」


「アース、ちょっといいか?」


 ステンレスは立ち上がり退出を促す。そのステンレスの様子からアースは事態を察する。


「ステラ、数分だけステンレスと話をしてくるよ。」


「ええ、いいけど…」


 ステラは何か言いたげだったがアースは急いでステンレスの後を追い、ある部屋へとたどり着く。ステンレスは暗闇の部屋の中で迷うことなく壁のスイッチを押して電気をつける。そこはオーファンと戦闘して負傷した時に一時的に避難した部屋だった。ブラックペンライト…いや紫外線ペンを見つけたのもここだった。


「この部屋でこれを見つけたんだろ?」


 床に落ちているペンを拾い、アースに見せつける。アースの表情からそうであると確信したステンレスは机の引き出しを開ける。そこには幾つもペンが並べられてあり、その中に雑にしまった。


「…もしかしてお前の部屋だったのか」


「…ああ。昔屋敷に住んでいた時はこの部屋を使っていた。さっきのペンも俺のものだ。紫外線ペンとは言ったが実際は人体からマナを抽出してその液体のマナをペン先から出す物だ。それが紫色だから紫外線ペンとか言って誤魔化していた。」


 ステンレスは机の脇に引っ掛けてあった懐中電灯を取り出してアースに渡す。


「懐中電灯…を模したマナ照射装置か。でもなんでお前がこんな物を持ってんだよ?」


 アースの問いに少し表情が曇る。その様子を見て少し気が回らなかったと反省した。


「ああ悪い、言いたくない事なら無理して話す必要はないぜ。」


「いや、少し苦い思い出が蘇っただけさ。ライトはたとえ透明人間であっても照らせる。この光は必ず反射されるから、それとこれも持っていけ。」


 ステンレスは引き出しの隅の箱から小瓶を取り出してアースに渡す。小瓶の中身は薄く、光を照らすと虹色に輝くような液体だ。


「…これも液体マナか。ステラの針に塗るってわけか」


「ワープホールがあのペン先の液体を拒んだならその液体に塗られた針はワープホールに吸い込まれないだろう?刺さった本数でも見分けるといい。」


 アースは小瓶を受け取ると軽く礼を言い、「戻るか」とその部屋を後にした。そしてステラの元に戻るとアースが右手に持つ懐中電灯と小瓶に目が行き、指をさしてそれは何かと問う。アースは彼が兄だとバレない様に気を付けながら言葉を選ぶ。


「ステンレスが持っていた特殊な液体が入った小瓶と特殊な電灯だ。」


「特殊特殊って、見れば分かるわよ…。そうじゃなくて、それが打開策になるんでしょう。」


「さすがステラだ。察しがいい。この液体はワープホールに吸い込まれずに突き刺さる。」


「針にその液体を塗った場合ね。その液体は刺さらないでしょ」


「そうそう。まあ使い方を知ったところでもう一度説明をするから聞いてくれ。ステンレスも。」


 アースは再び席に着き、小瓶と懐中電灯は机に置く。そして一息ついて話始める。


「さっきの途中からだな。オーファンと共に襲ってくる場合だが、間違いなくリアナは後方支援に回り、オーファンと連携して穴を使う。多分だが現場はオーファンに能力の使用を許可して対応させる。そして自分の持つ針の能力と残る穴を使いつつ…ステラ、お前とテアさんを確実に殺しに向かうだろう。」


「ええ。」


「だが、なんだかんだ事を上手く運ばせた流石のリアナもまさか自分の能力が知られているなんて思っても居ないだろう。だが…あいつのことだ。オーファンと違って少しでも勝ち目が見えないと逃走を図るかもしれん。だから最終的にリアナの能力の特性を利用して不意打つ。だから当初予定していた作戦よりも遥かにお前の仕事は増えるかもしれんがな。」


「それはつまり私が持つ針でワープホールの種類を特定したうえでこの紙に書いてある特性を利用して針をリアナに当てなきゃならないって事?」


「まあ、そうなるな。だが、穴を全て出す必要もないし多分出せない。あいつは必ず逃げ出せる為にαβγのほかにδを用意していた。もしかしたらδのほかにεも用意していたのかもしれない。が、どちらにせよあいつの傍に出現させた穴につながる穴を特定できればいい。それまで俺はオーファンと接戦状態を演出する。リアナを拘束出来たらオーファンは殺しておく。利口ではないからな。」


「まあ大体の流れはわかったわ。けれど彼女の行動もあくまで予測しかない…からこれ以上作戦を練っても意味がなさそうね」


「そうだな。後は合図だが…銃声でいいか?ステンレス」


「問題ない。」


「じゃあそれで。」


「軽すぎるわよ。サイレントを発動してるはずじゃないの?」


 余りにも即答すぎたので流れで反射的に了解してしまった。

 

「ごめん、まあ屋敷の敷地内だけにサイレントかけて置けば敷地外に出てから銃声鳴らすのでも問題ないだろう。まあ…とりあえずは今のところ他に問題はないかな」


「アース、もう一つ気がかりがあるんだが、オークション会場は位置的にどの辺りになる?」


「東の王都を屋敷から見て右側方向のかなり外側。外周からの避難準備については問題ないよ。あの会場位置から俺の祖の神レーダー範囲内にボルボロスを感じられないなら十分安心できる。」


「そうか、ならいいんだが。」


「…こんなところか。まあ明日も明日でやりたいことは沢山ある。今日は早めに寝て…明日の早朝から事を始めようじゃないか。」


「ああ。」

「ええ。」


 アースは椅子を綺麗に直し、ワープホールの説明表と対策装備一式をステラに渡し、ステラの案内で其々部屋を確認した。そして一息ついてからアースは風呂へと向かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ