表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
65/168

第二章 56 爆散した者の足跡を重ね潰す

寝る前に書いたので誤字脱字あるかもしれません


「あ、おにぃ~?」


 アースが部屋を出た瞬間、声色を2オクターブ上げて猫を被ったような口調で喋り始める。てっきり何か極秘な事でも話すんだろうなと思ったらそういう姿を見せたくなかった訳か。アースは聞かなかったふりをしてミラの元へと戻る。


「アース、本当に感謝してる。感謝しきれないくらい…」


 ステラが近寄ってきて泣きそうな顔でそう言う。本当に心の底からミラの事が心配だったのだろう。拉致される運命を変えただけで一人の安全の保障は出来たのだ。


「感謝だけで十分。もとより全員救うんだから。それよりステラ、ミラさんをどうする?」


「危険……よね」


「ああ、実際のところティディ、ピーク、オールディのほかに味方は居たっぽいし、もしあれがαだとしたらまだ中央王都アラドールにそういう亜人拉致の組織が潜んでいてもおかしくない。それこそ東の王都と比べアラドールの広さは尋常じゃないからな。事務所で置いておくにしてもあのザマじゃ犯罪に巻き込まれる可能性は高い。今は暗黒龍の討伐やらなにやらで躍起となっている分、手薄になって治安も一時的に荒れそうだし。かといってパーライドに連れていくとして今後どんなトラブルが発生するかもわからないし、安全は保証できない。」


「大丈夫、私はアースを信じてるから…その決断についていくわ。態々ここで告白したのも今回に全てを賭けているからでしょう?αもボルボロスも屋敷を襲う人間も、ステンレスも…すべて解決するために。」


「…ありがとう。俺は何度も言うが、誰も泣く事が無いように、泣かない為に行動する。俺が目指すはハッピーエンドなんだ、誰一人犠牲を出さずに…な。それとステンレス関連の話はもう解決した、勘違いの行き違いだった。」


「あら?そうだったの」


「…まあ俺たちがああだのこうだのミラさんの行動を制限するわけにはいかない。まずはミラさんの意思が大事だぜ、ミラさんはどうする?」


「私もパーライドに行きます!…これと言って何か役に立つわけではないですが…それでもあの場にいた人たちを救出したいです…」


 こちらのやり取りを黙って聞いていたミラはついて行くことを即答する。


「役立たずなんてとんでもないわミラ。あなたは生きて居てくれるだけで世界が救われるのよ」


「…ありがと」


 ステラは悲しそうに話すミラを抱きしめてそう囁く。ミラも照れながら礼を言う。アースは一度咳払いをしてから粛々と話す。


「一刻も早く、自らで助けに行きたい、助け出したい。という気持ちは凄くわかります。ですが救出は我々が行います。それにミラさんがついてくる事で何か迷惑があるというわけではないですからね。寧ろありがたく思います。救出した人たちの手当て等、して欲しいことは山ほどありますからね。」


 なるべく邪魔な存在というワードを消して気持ちを沈ませないように配慮した。一番厄介なのが無理にでも救出に参加すると言い出すことだ。それで問題があった場合は一気に積み上げたツミキは無残にも崩れ去る。


 なるべく適材適所の意思を無意識に認識させて理解してほしいものだ。だが彼女の判断力、決断力はしっかりしているのでまずそういう事態は起きないとは思うが一応な。


「適材適所という感じですね。精一杯頑張ります…!」


 素直だ。彼女の場合亜人達に感情移入してしまって窶れた亜人達に何かしてあげたい、奮闘するみんなの為に貢献したいという想いが強いから役割を与えられるだけでも救われるのかな。


「作戦は例の如く屋敷で話するの?」


「の方が手っ取り早いだろ?俺だって何度も説明して時間を無駄に浪費したくない。」


「まぁ確かにそうね」


 一通り方針が決まったところでアースは救出した眼球のない少女を見てからゲルに話しかける。


「ごめんゲルさん、俺が急に変な話をし始めたから聞きそびれたんだが、この子は病院に連れて行かなくていいのか?」


「連れていきますよ。彼方から今ここに向かっているはずです。あくまで彼女に施したのは治療ではなく応急処置ですからね。結構濃いめの再生薬使ったお陰で眼球もゆっくりとですが治ってきていますし」


「ありがとう、再生薬は貴重なのに」


「まぁそういう効果の高い貴重な物も勿体ぶって使わなかったら宝の持ち腐れですからね。使ってなんぼですよ。気にしないでください。それより会話には全く参加できませんでしたが…死なないでくださいね。幾らそういう時間遡行能力があろうとも…」


「…肝に銘じておくよ」


「おまたせー!ウィーズ君は会えるそうだよ!冒険者ギルドで待ってるみたい!」


 ミーナは奥の扉を豪快に開けてとびっきりの笑顔を見せながら大声で喋る。よほど兄と話が出来たのがうれしいのだろう。


「お、丁度良いですね。頑張って来てくださいねアース」

「応援してますアースさん!」


 ステラはこの状況でアースを見つめる。何となく言いたいことは分かる。お前、冒険者ギルドがどこにあんのかわかんの?って言いたいんだろう。勿論わからない。昨日今日でこの広すぎる世界のマップを理解しろという方が無理なのだ。


「第二の告白の形になるようで悪いが、俺は中央王都の土地勘はゼロだ。冒険者ギルドの場所も存在も珍紛漢紛だね。」


「え?」と驚くゲル。ミーナはそれを聞いて棚から大きめな巻物を取り出す。


「はい!現在地がこの東部街ティーツ区ね!ここからずぅーっと西にいってね~。中央部レスティ区に聳え立つ天空時計塔の向かいにギルドはあるから!時計塔はかなり目立つから地図でたどりながら行けばすぐ分かるよー!」


「あ、はい」


 ミーナは大きめの地図を笑顔で渡す。珍しく変に突っかかってこずに素直に地図を渡すミーナに違和感を感じつつも「それでは。俺の行動は気にせず東の王都へ向かってください」とだけ伝えて事務所を後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ