第二章 53 王牌と十三不塔
ほぼ会話。謎の単語が出てきますが今は気にしなくていいです。
それと疲労困憊状態で書いたので誤字脱字はないと言い切れません。
咄嗟に褐色肌の青年は笛を咥えようとする。だが吹こうと開いた口から腕が飛び出して青年の口を裂いてもう一人シモスが現れる。そのシモスが笛を取り飲み込む。そしてアースの目の前に立つシモスはアースの空いた腹に腕を突っ込み、何かを探すように臓物をかき混ぜる。その間アースは苦痛の声を上げる。
「あった、『フィッチの意思』。」
シモスはアースの身体から球体を取り出して笛を持つ方のシモスに投げる。シモスはその球体も飲み込んだ。
「おい…お前はいったい…」
「シモスだ。腕を見りゃ分かるだろアースさん」
シモスは冷たくそう言う。
「アースさん、『記憶人形』は何処にある?教えてくれれば記憶を取り戻してやるよ。誰が持ってる?」
「…まてよ、まずお前の素性を教えてくれ。何故助けたんだ?俺の過去を知っているのか?そして時間遡行には対応できるのか?」
「助けたのはお前の中にあった『フィッチの意思』を貰う為とあの青年の持つ『混沌たる魔物』を呼ぶ笛を奪いたかったからだな。それとアースさんの過去は知ってる。時間遡行には対応できる。虫格だからな。」
「まてまてまてまてまて、記憶人形やらフィッチの意思やら混沌たる魔物やら話が見えてこないが」
「9つの神の産物だ。アースさんが知る必要はない。ってかその記憶もねえなら記憶人形の在りかなんて知らないか。フィッチの意思は粗方エリーにでも無理矢理入れられたんだろ。…さて」
「ああ、再生薬とかあったらくれないか?」
「いいやそれは出来ないな。時間遡行は後1回か?さて、もう一度この世界から消えてもらうぞアースさん」
「は?おいおい、お前味方じゃ…」
「何を言っているんだ?大の味方だろ?アースさん、だから俺はあんたに最大限の礼をするためにこの世界から消そうって言ってるんだぜ?」
「まさかお前も俺に恨み辛みがあるのか…?」
「記憶の上に脳味噌も吹っ飛んだか?俺は味方だって言ってんだろアースさん。記憶ねえならわかんねーだろうけど多分アースさんは俺に殺されることに感謝するぜ?」
「いや、昔の俺は自殺志願者だったかもしれないが今は生に媚びてんだぜ?」
「記憶があったアースさんも別に自殺志願者じゃないし、どちらかと言うと生に執着していた方だし。まあとりあえず…」
シモスはそう言って小型のナイフを取り出して振り上げる。そして振り下ろそうとしたところで何者かがそれを阻止する。それはステンレス戦後に現れた謎の爺だった。いや、確かルザ・キルライフだったかな。
「何をしている、シモス」
「あ、ルーザー・シリアルポール」
シモスはルザから距離を取ってもう一人のシモスと融合する。そしてルザは小瓶の液体をアースにかける。するとアースの身体はゆっくりと治癒されていく。再生薬だ。だが、ありがとうと言う前に一つ気になることがあった。
「ルーザー・シリアルポール?ルザ・キルライフじゃないのか?爺さん」
「え??キルライフって名乗ってんのかルーズ?」
「私の名前はポールではない、ルザ・キルライフだ。」
「へぇ…もしかして代わりになれると傲慢マン?」
「…」
シモスがルザを煽るような言葉を吐くとルザは無言で刀を握る。その姿を見てシモスは急に距離を取り、こちらを睨み続けながらそそくさと立ち去ってしまった。だが、あの男から敵意が感じられなかった以上敵とは思えない。
アースは治った体で立ち上がり、「ありがとう爺さん」と礼を言った。
「あの男はペテン師でしてね。言ったでしょう?面倒事に巻き込まれる事件が多発していると」
…そういえばなんでこの爺さんは俺と初対面な筈なのに未来を知っているんだ?結構こういう例外はおおいもんなのだろうか。まぁいいか。
「なあ爺さん、キルライフってなんなんだ?」
「申し訳ないですが私も忙しいのでこれにて失礼しますね。『キルライフ』についてはまた後日話しましょう」
「あ、ああ。話してくれるならいつでもいいですよ。」
「それと、『シモス』はあなたの敵です。信用はしないように」
「…ああ」
アースはあまりに色々な事が起きすぎていて状況処理が追い付いていなかったが二人が立ち去った後にすぐにミラを一人にしていることを思い出してミラの後を追い掛けた。




