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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 51 yの世界より

二章もそろそろ後半に突入。恐らく80話くらいになると思います。

二章の主要キャラは章タイトル通り大半が何かの為に嘘を吐いています。


『時を戻すという事は、いけないことなんだ。すべての運命を変えてしまいかねないその遡行は、大罪なんだ。私が知っている時に干渉する能力者はすべてが悲惨な死を迎えている。そして決定づけられた運命は根本的に覆すことはできない。回避した人生はいずれ同じ道を辿る。遅かれ早かれどのみち運命は変わらない。』


『…それは誰かを必ず不幸にする能力だ。そして使ってはならない能力なのだ。奇跡的にかみ合って生まれたこの現状を否定する能力は…あってはならないのだ。いずれ私が死を迎える時、私は他の誰よりもロクな死に方をしないだろう。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[いまさらここまで戻ってどうするというんだ]


 遡行して、アースが意識を取り戻すその直前に暗黒世界で空欄は一言だけ呟いた。目を開いてこの世界を見る。空欄がそういった理由も分かるような気がする。


 人混みの中で行きかう人々の中俺は突っ立っている。誰も俺の存在に違和感を感じず、ただその場に突っ立っている俺を迷惑そうな目で見る者ばかり。


 もう解決したところから始めるのは悪趣味だろう。もう残機は2しかないってのに。空欄の能力だが、ここまで戻ったのは空欄の意思ではない事が彼の言葉で理解できる。紛れもないこの遡行は俺が望んで行ったことなのだ。


「意味はある。」


 ミラは少なくとも俺と出会うまでは無事だったんだ。まずはミラと出会った場所へ向かい、ミラに事情を説明するんだ。まずはあの場所を思い出さなきゃならない…俺はどう行動した…?まずは行動を整理しよう。


 俺は図書館を探したんだ…そしてその図書館が改装中だったはずだ…そこの路地でミラと出会ったんだ…!アースは急いで通行人にその場所を聞いて急いで向かう。息を切らしてたどりついたその場に既にミラは誰かを探すように辺りを見渡していた。そしてアースの姿を見つけるとこちらに向かって走ってくる。


「アースさん!!」


 まるでその反応は俺を知っているような素振りだった。ステラ、ステンレスのほかにもこの遡行の記憶が維持される味方がいるとは思わなかった。


「俺が分かるんですね!?」


「はい…!アースさんが「もう一度必ず来るから」って言ったのを覚えています!!もしかしてずっとこの時間を巻き戻していたのはアースさんなんですか?」


「そうです。けど回数制限もあります。それにこの時が戻ってるのが認知できるのはあなたとステラとステラの兄だけです…とにかく、俺から離れないで行動してもらっても大丈夫ですか?いつあいつ等が貴方を拉致しに来るかわからないので。」


「分かりました!」


「ちなみにあなたを拉致した人の特徴とかわかりますか?」


「私を拘束したのが大柄の男で、東の王都まで運んだのは別の男二人組でした。皆さんフードを被っていたので大柄の人位しかこれといった特徴がありませんでした」


 ジョニーはこの時にはもう精神が限界だったんだな。だから初めて出会ったときにあんなに酒を飲んでいたんだ。自らの能力をも上回る程現実逃避した。現状から目を背けたんだ。


 アースはミラに礼を言う。そしてミーナの居る事務所へ案内して貰おうと考えたが一つ大事なことを忘れていた。褐色肌のあの青年の存在だ。ここまで戻ってしまったという事はあいつは捕まっていない。今あの住宅街にいるだろう。


「ミラさん、この中央王都でここから近いコテージ…?があるところに案内してほしいんですけど…わかりますか…?」


「えっ…あ…わかります!えーっと…」


 ミラが案内しようと歩き始めるとアースはミラを抱っこして「案内を頼みます」と言ってミラの指し示した方向へ走り始める。ミラは羞恥心を抱き顔を赤くしながらアースのその真剣な表情にどもりながらも道案内をする。


 たどりついたそこはあのシモスという男を見た場所だ。そこにシモスは居ず、静寂が包んでいた。アースはミラを下ろす。


「…綺麗」


 ミラはその景色に見惚れて思わずそう口にしていた。だがハッとして何かを探すアースについていく。アースは目的の家を見つけたようでレンガの家の扉を開いて中へと入って行った。ミラもそれについていき入るとそこには異臭が立ち籠める。4人の惨殺死体が無残に転がっていた。


 心見惚れたあの景色との惨劇のギャップにミラはその場で蹲り胃の中身をぶちまける。アースはその光景を見つめ続ける。まるで信じられないという表情で。母親の冷え切った頬に触れながら。



 …助からなかったのだ。



 助かる訳がないのだ。どれだけ頑張っても。



 アース表情には怒りが徐々に込められていく。



 助からないのだ、どれだけ運命に抗おうと。

 

 俺がこの世界に来る前にこの家族は死んでいたのだから。



 あの時抱いた怒りの感情は惨劇を起こした怪物と青年への怒りだった。今はそれに加えて自分とエリーにも湧いている。エリーを信じて助かっただろうと勝手に思い込んで明日へ進んだアースと、明日へ進めさせるために正義の為に4人家族は助かると嘘を吐いたエリーに。


 そしてこの惨劇を生み出したあの男に。


 吐瀉物をうつろに見続けるミラを置いてレンガの家から外に出る。そこには褐色肌の青年が笛を咥えて突っ立っている。そしてアースが睨んだその瞬間、汚らしい音色は静寂のこの世界に響き渡る。


 2人の怪物は最後に倒した時よりも更に完全防備して甲冑を着ている。両者が大鎌を持ち、褐色肌の青年も銃を構えている。


 空欄はこうなることを知っていたのだろうか。

 エリーはこれを避ける為に強引に前へ進めさせたのだろうか。

 

 真意などわからない。アースの頭に浮き出た血管は切れて血は噴き出す。まるでジョニーの精神が入ったような精神で叫び、激昂した。





褐色肌の青年っていちいち打つのだるいから名前決めとけばよかった。

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