表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
54/168

第二章 45 悪漢のワルツ 1

悴んだ手で書いたので誤字脱字あります(確信)


「ね…ねぇミーナちゃん?アース()()を助けに行かなくていいんですか?」


 アストレアはミーナの袖を掴みそう尋ねる。ミーナは能天気に「大丈夫大丈夫」と笑う。


「そうとう自分に自信があるみたいだしーそんでもって自己防衛出来ならそれはそれで盛大なボケとして受け止めるよー」


「ミーナちゃんが言うなら大丈夫だね…!」


 そう答えるレアに少し呆れてしまったミーナはその場で立ち止まり背伸びをした。正直、レア以外死んでもどうでもいいしなあ。


『こちらアース。片方の男は逃した。返事は必要ない』


「お、アースやるじゃーん」


「え?逃したからダメじゃないの?」


「男が逃走を辞さないくらい派手に戦ったんじゃないー?生き残っただけでもすごいよ。私はあのヘタレな姿を知っているからねー。やっぱり敵はそれほど強くないのかもねー」


 ミーナが能天気にあくびをすると廊下の突き当りからリアナが現れる。瞬時にミーナはレアに下がるよう催促する。


「アースが言っていた「穴」ってのには絶対近づかないでねー?」


 ミーナは低確率であるリアナの能力がワープホールという可能性は捨ててはいなかった。レアは怯えながら穴の位置を警戒する。だがリアナは乾いた笑いを披露する。


「いやーよかったぁー!オーファンが殺されたからあんな化け物が他にもいるのかと思ったけどぉ…ねえその子…女王でしょ?」


 その問いに表情一つ崩さず不敵な笑みで答える。


「へぇ~そうやってかまかけて探してるんだー?阿呆くさいねー」


「あらぁ?確信しているのだけれどぉ?その子にひとーつ聞きたいことがあるだけなのよぉ」


「馬鹿だねーそんなウソに乗るわけないじゃーん」


「嘘じゃないわよぉ」


「いいや嘘だねー。私には嘘が見えるからねー」


「へぇ…奇遇ね、私は相手の嘘が見えるのよぉ。だからよぉく分かるの。あなたが嘘を見破れないってねぇ」


 ミーナは瞬時に通信機に手を伸ばす。だがその通信機は手ごと取っ手のないアイスピックの様な針に貫かれる。手の横には小さいワープホールが出現していた。ミーナは手に突き刺さった針を抜こうと掴んだら針は球体へと変わり、すぐに針へと戻る。その際に針は90度回転した状態でもう一度ミーナの手を貫通する。


「ぐっ!」


 針を利用できないことを知るとミーナは腰に携えた直剣を抜き穴から距離を取る。ミーナは戦っている相手が能力複数持ちだと知り焦る。レアは察して通信機を出さない。穴が2種類あるという事は自分も出したらそこを狙われると考えたからだ。しかし舐るような声でリアナは質問する。


「中庭で襲ったメイド二人は各自通信機を所持していたのよねぇ…それにオーファンが襲ったメイドたちも2つ持っているしぃ…不自然よねぇ…女王様?」


「ひっ…!」


 女王は自分が針で貫かれることを恐れて宙へ放ってしまう。それをめがけて飛んできた針がそれを貫こうとする。ミーナはその針を見事剣で裂く。


 だが避けた先で通信機と垂直の地点に達すると2つに分裂した針がそれぞれ球体へと変化して2つとも速度を落とさず通信機に向かっていった。ミーナは先に通信機を剣の持ち手で遠くへ飛ばす。


 針はそのまま空を切り通信機は無事だったがその直後リアナから放たれる針がミーナの腹部に突き刺さる。ミーナはこの針の特性を知っていた為に逸早く針を抜こうとした。だが針は球体へと変わり横に刺さった筈の針は縦へと形を変える。そのせいでミーナの身体に内臓を貫きながら針が埋もれて取り出せなくなった。


 苦痛の表情を浮かべながらも通信機を遠くへ飛ばして目視しなければ当てられぬようにした。ミーナは血を吐きながらも剣を構える。レアは自分のしてしまった行動で招いた事態にショックを受けて涙を流す。


「女王にしては脆い精神と弱い脳をしているのねぇ…あなた通信機を手放した時点で終わりなの知ってるかしらぁ~?」


 ミーナはまさかと思い後ろを振り返るが既にワープホールが出現しており通信機が破壊されていた。これで連絡をする方法は閉ざされてしまったのだ。


 だがミーナは続けて思考する。持ちこたえるだけなら可能だ。でもこのワープホールは思いのほか強力で、その場に留まり続ける程苦戦を強いられる。かといってレア一人で逃がしてもワープホールで移動されかねない。


 今のところ針は同時に2本までしか出せていない。3本目を使用するときに1本目は消滅している。私の中に入っている針は2本目の針。つまり次にリアナが針を使っても消滅するのは通信機を壊した針であって私の中の針は残る。それになんどもこの針の十字変化を使えば私の内臓を傷つけられるのにそれをしようとしないのは一度だけしか十字変化が出来ないという弱点があるからではないか。

 

 少しずつ希望を増やしミーナは強く剣を握り締める。そして腹の肉を切り裂き針を掴み斜めにしてから上部の腹から針を出す。針は投げずに床に捨てる。多分投げたところで穴に入れられ返り討ちに会う。ミーナは素直にリアナにじわじわと距離を詰める。


 ある程度距離を詰めるとそこで止まってしまう。二人の間には8m程ある。剣を伸ばしても届く距離ではない。リアナがそれを鼻で笑ったと同時にミーナは8mという距離を一気に詰めた。詰めるまでの動作が全く見えなかった。


「なっ…!」


 咄嗟に針を出現させてミーナに向けて撃つ。だが体に向けては撃たず手の平に向けて放つ。ミーナは貫通しても構わず剣を突き立てた。そのタイミングで針を球体へ変えて縦に刺さった針を横へと変える。その際に持ち手の部分を弾き勢いを弱めさせる。この為に手に撃ったのだ。


 そしてそれを利用してリアナは突きの剣を脇に挟み固定して相手の脳髄を吹き飛ばそうと針を飛ばそうとするがミーナもそれに対応して固定された剣を重心として回し蹴りリアナの顔へヒットさせる。リアナは怯んで剣を離し距離を取る。


 リアナは頬を摩りながらミーナの下半身に注目する。裾から飛び出た足首から下が獣の足みたいに変わっている。一気に8mの距離を詰める事ができたのは獣化による驚異的な脚力のお陰だった。


「亜人だったのねぇ…あなた」


「そうだよー。見る目ないねー…そういうの…節穴っていうのかなー?」


 リアナはその挑発にクスりと笑い弄るような目で見下す。


「今の攻撃で私にとどめを刺すつもりではなかったのかしらぁ?どぉ?避けられちゃったけど」


「正直殺せると思ったけどねー。別に殺せなかったとしてもやり方はたくさんあるし別にいいけど」


「あらそぉ?じゃあ私はあなたのその余裕が崩れる最期の瞬間まで見届けようかしらぁ~」


 リアナがそう言って針を飛ばす。だが飛ばした瞬間リアナは急に辺りを警戒し始める。乱雑に投げられた針をミーナは剣で捌かず持ち手で受け止める。そしてリアナの警戒通り窓ガラスを突き破りギレオがリアナに飛び掛かる。だが警戒をしていたリアナは目視するとすぐさま距離を取り、挟み撃ちにならないように2人の対になる形に避けた。


「廊下の花瓶が揺れていたので…しかしミーナ殿がここまでやられるとは…」


「結構強いよー、ギレオ。針は切っちゃダメだし穴に飛び道具入れてもダメだからね。針は刺されたらかなり不味い事になるし…散々だよーもう。」


「ここに来る前に念のため通信機でβと言っておきました。とりあえずミーナ殿たちは一階へ向かってください。メーリアたちと共に行動を!」


「しなないでよー!!」


 ミーナは剣を仕舞い怯えるレアを抱えてその場から逃走した。ギレオは剣を構えリアナと対面する。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ