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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 27 感染爆破と流転の塔 4 

キーボード変えたので結構誤字脱字あるかもしれないです


 アースは眼球を抉る右腕を制止しながら全力で走る。迂闊だった。あまりにも馬鹿丸出しな行動をした。あの時勝ちを確信して逃走経路なんてさっぱり考えてすらいなかった。

 

 もっとよく考えれば最善の行動はとれたはずなのだ。奴は恐らく深淵化があったから刺された程度で動じることもなかったのだろう。あの時俺はもっと慎重に再生薬の使用を考え、奴の予測を上回った事に浮かれていなければ俺は別の方法で殺していただろう。


「落ち着け、落ち着けアース…過ぎた事の最善線を考えたって仕方があるまい」


[一瞬で腕を断ち切れるほうがいい。本来再生薬をあの場面で使っていなければ切断した後に徐々に再生させることもできたんだが…腕一つ今は、それほど重要でもない。お前の力があれば包丁で断ち切れるか?]


「自分の腕を絶った経験なんてないからそんなことは知らない…だが、多分できる。オールディと戦った時は怒りも加算されて…と思ったがさっきも建物を抉り登れるほど俺には筋力があるから…出来る。」


 アースは息を切らせながら大通りをなるべく避けて、細道を進んでいく。そして数秒後、再び奴は探知の音爆弾を使ってきた。ぐわんぐわんと世界を歪に湾曲させてしまうような衝撃が世界を覆う。


 ただ右手すら敵になった俺の体には耳を塞ぐ余裕もなく唸り声を上げつつ不快感を露わにしていた。まあつまり最初に行った探知は永続的に続くモノではなく、一時的に俺の姿を音の反射で捉えるといったものだろう。直接的ではないこういう痛みが続くのかと思うとうんざりする。だが、決して俺は苦痛に屈することはない。


[アース、建物を登って人通りが多い場所に向かうべきだ。奴はやたら爆弾をサイレントにして周囲に戦闘を発覚するのを恐れている。]


『逆だろう、爆弾をサイレントにしたのは周囲に発覚するのを恐れていると思わせているんだ。お前が一番最初に言ってたろう。人と人が接触すると爆発が起こるってさ』


[知っての通り私はステンレスと一度も戦ったことがない。間接的にしか奴の情報を知り得ることができなかった。だから俺が言った最初の情報は誤っている可能性もあるということだ。]


『ああだが、その情報が正しいって可能性があるならその時点ですでに攻略のカギとなる。奴は俺を確実に殺したいような明確な殺意を感じさせるほどだった。しかしそれでも感情に振り回されることなく、冷静に俺を貶めようと戦いを続けている』


[ここまでくると…本当に何を信じていいのかわからなくなるな。あいつが隣の建物の屋上でさえまっていなければ全てが深読みだったで済んでいたのに。探知すらも永続的じゃないと思わせるために二度めを打ったのかもしれないしキリがない。]


 アースは一度立ち止まった。


『やっぱり、上ろうか。』


 アースは先ほどと同じようにして建物を上っていく。


[おいおい、人混みの中にはいかないんじゃなかったのか?]


『いいや、考えを変えた。対応ばかりを考えている俺じゃあ奴は殺せない。奴は感情に支配されず冷静に敵を分析するような奴なんだ。能力が強かろうが俺を侮らない。着々と決着へ向けて駒を進めている。そんな人間相手に双方洞察推察そんなものばかりじゃあこっちだけが疲労する。』


[だからといって極端ではないか?なにも人混みに突っ込まなくとも…]


『俺は一言も突っ込むなんて言ってねえよ。ただ、登る。奴が俺を予測しようとするならするがいい。俺は俺が想像する未来を予測させる。ただそれだけだ。』


 6m程上ったところでステンレスの姿も見えてくる。そして奴も俺がまるで登るかを感知していた様にほぼ同時にステンレスは瓦礫を投げる。


[人体支配の爆弾だ!アース!一旦落ちろ!]


 瓦礫は確実に射程内距離に入っている。この爆発を避けるには飛び下りなければ確実に被弾してしまう。登るには今度は下半身までもが自由を奪われてしまう。確かに…落ちなければ俺は一巻の終わりだろうな。


「だが、降りない。」


[おい!アース!!]


 アースは続けて登り始める。そして瓦礫は爆発し、建物を壊し、その破片は重力に従い落ちていく。先の爆弾は人体支配の爆弾ではなく、衝撃を生む炸裂の爆弾だった。だから両足の肉が少し抉れた程度で済んだ。


『言っただろう、俺は「降りない」と。そして正解だっただろう降りなくてな。』


[それは結果論だろ!今、あいつが炸裂弾を撃たずに人体支配弾を放っていたらお前は両足すらも支配されていたぞ!大体今だって、ふくらはぎが抉られてる…この状態じゃあ走れやしない!]


 そのまま登り終えて激痛に顔を歪めながら体重を掛ける度に足から噴水の如く血を噴き出し、探知をせずとも血が印となりアースの行く先を教えてくれる。


『結果論なんかじゃあない。俺は確信していた。あいつが、炸裂弾を撃つことを。さっき、お前ならどうしていた?』


[…間違いなく飛び降りていたな。爆破によって生まれた瓦礫も落ちてくるからそれも避ける為に細道を行く…もしかしてお前ゾンビが前から歩いてくると考えたのか…?それで挟み撃ちになってしまう危険性を…]


『いいやちがう。奴は俺が利口な行動を取るということにいままでの行動で確信していたからだ。だから炸裂感染爆弾を撃って破片からの連鎖爆発を起こそうとした。だからこそあの場面では絶対に人体支配爆弾は使用しない。』

 

[…?お前が登った理由は分かったが何故炸裂弾を撃つと確信できたんだ?確かに炸裂爆弾で連鎖爆発を起こしてしまえばこの細道じゃあ逃走ルートは一方通行だが…それと使用しない確かな理由がわからない。]


『人体支配の爆弾に破壊性がないから。それが答えだ。連鎖爆発が起こる条件を考えろ』


[ああ…確かに奴は一回の爆発から生まれた破片を爆発させ…それを繰り返して連鎖爆発を起こす…]


『奴は孤立物しか爆破することができないってのは『人体を爆破できるならあの時点で右手を爆発させておけばよかった。おそらく人体は爆発しない。切り落としたものはわからない』からヒントを得た。一番最初、青年の全身が感染していたら爆発していたかもしれないが右手だけでは体とつながっているから爆発はできない。だからわざわざコインを使って俺を爆破させようとした。と結論付いた。』


[アース…!]


『まあ、俺のこの邪魔な右手を切り落としてみなきゃ人体が爆発するのかどうかは確信を持って言えないが。やはり敵の能力をよく知ることだな…さっきは勝ちを急ぎすぎた。』




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