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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 19 大地に穿つ者 1

寝る前に書いたので誤字脱字あるかも

 

 銃を乱射するオールディから多くの亜人が逃げ惑っている。そこに一人少女が振り返り、両腕を広げ、他の亜人を守ろうとする。少女は恐ろしさに全身を震わせ恐怖に怯えているが他の亜人達を守る為に自らが犠牲になろうとしている。


 銃のリロードを終えるとオールディが醜い笑みをこぼして銃口を少女へ向け、銃弾を放つ。少女は撃たれる前に上げた余りにも小さい悲鳴にミラが駆け付け少女を庇いミラの小さな肩に銃弾が命中する。


「いっ……!」


 ミラはオールディの方を見て涙目でキッと睨みつける。それが癪に障ったのかオールディは舌打ちして銃口の方を掴み、殴ろうと近付こうとする。すると後方の方で銃声がしたと思ったら自分の背中に激しい痛みがあるのを感じる。懐かしい感覚。


 オールディが振り返ると其処には銃を持ったアースがほぼ真後ろに立っている。


「とことんゲスな野郎が…!!」


「またお前かぁ…いい加減顔を見るのも飽き飽きしてんだよアース。」

「…アースさん!!」


 ミラは聞き覚えのある声と見覚えのある顔におもわず緊張が解け、笑みが綻びる。


「悪いねミラさん。今はまだ、だけど。必ずもう一度来る。」


 ミラは小さく頷き少女の手を引いて廊下を走り去っていく。オールディは銃を床に叩きつけ、両こぶしを強く握り締める。


「最早僕の計画はおじゃんになってんだ。こいよアース…僕の殴り方を知ってんだろ?」


 余りにも言動が可笑しすぎる。一体コイツはなんなんだろう。下で対峙した時は構っている暇などないとほざいていた癖に…血眼で亜人を追いかけまわしていたと思ったら今度は俺の相手?もしかしたら二重人格の可能性があるのか単に最早狂ってしまったのか。どちらにせよ…俺にはコイツを軽く凌ぐ程の力をつけなければならない。次はあまり時間を掛けずに殺せる様に。


 アースも銃を床へ投げ捨てて両腕を上げて拳を強く握る。爪が皮膚に喰いこみ血を流す。一度力を解いて節を鳴らすと同時に殴る個所に血を塗る。


「俺の血が乾く前にカタをつける。」


 冷静に、冷静に。不気味さに怒りの感情を払拭されてしまっていた。怒りを込めろ、痛みを熱に変えろ、戦いの鼓動を為らせ、全身に血液を巡らせろ。


 掌からゆっくりとしたたり落ちていたアースの血液は徐々に速度を速め、蒸気を発生させている。血だまりが沸騰している。先程の怒りがまた再び込み上げてきたのだ。


「また面白い事をしているなアース。宴会芸かい?それは」


「ああ、俺の祝勝会で披露しようと思ってな」


「はははは、何を可笑しなことをいっている。お前のではないだろう。」


「そうかな、俺にはテメー以外に敗者しか見えねえから必然的に俺のだと思うが」


「一度僕にねじ伏せられた癖に何をぬかす?」


「おいおい、3対1で粋がられても困るぜ」


 両者同時に全力で利き手の腕を両者の顔面にめり込ませる。衝撃波が廊下の窓を割り、更に火炎は広がり炎が両者を包む。


「上等だ、ガキ。力ずくで捩じ伏せてやる…!!」


「なら地に叩きつけてみろよ俺を!調子づくなよオールディ!テメー飛び道具もなければ食っても掛かって来れねェ癖に戯言ばっか吐き散らしてんじゃねぇぞ!!」


 アースはそのまま拳を全力で床に目掛けて振り下ろす。オールディは余りの重圧に体ごと浮いて拳に乗る形で床すら突き破り1階に叩きつけられる。


「畜生……無能力の癖に…所詮淘汰されていく存在の癖に……これだから白痴人類は大ッッ嫌いなんだ!!アース!!特にテメエみてえな目先の善業だけに囚われて本当の正しい事を認識出来てねえ奴がよォォォーーーーッッ!!」


 顔面の崩れたオールディは瞳孔を開いて慟哭する。そのまま火炎に包まれる床を蹴りアースが見下す顔の目の前まで迫り、殴り掛かろうと拳を振った。けどアースはその前にオールディの頭蓋を掴み、右手を水平にして首を絶ち切ろうと肩の筋肉を盛り上がらせ振り下ろす。


 間違いなく不可能な行動だろう。あんなにも厚い掌で一人の男の首を絶ち切ろうなど。だけどそれに現実味を帯びせてくるのは片手で人の体重を持ち上げ頭蓋に指を喰い込ませることのできるパワーだ。アースならやりかねない。このままだと血で満たされている掌で首を切断されてしまったら首がもう一度くっつく事が無くなってしまう。首だけは避けなければならなかった。


 脱出をしようにも能力の仕様上自分よりも小さい面積部分からしか取り込めない。余りにも大きく握力の強いアースの掌は完全に密着して上頭部の面積部分よりも大きく取り込めない。これから振り下ろされる手刀を掌で防御すれば臨機応変に対応できるアースならば今度は確実に僕を殺す手段を取るだろう。


 常人の枠を遥か超越しているのだ。銃弾を数発くらっても動き、血を大量に失っても動き回り、無能力なのに戦いに身を投じる。恐怖を盲点とし、攻略法を編み出し、突き進んでいく。


『存外、そういう男が道を切り開いていくのだろう。いつの時代も考えの読めない奴が切り開いてきた。どの時代も奇妙なものだった。……………なぁメイデイ、お前またどうでもよくなったんだろ。』


 この瞬間で最早無茶苦茶に不貞腐れていたオールディにイカヅチが落ちた様に全身に力を入れる。


 僕は初めて能力を手に入れた時、過去の自分を超えたんだ。それは今だって同じなのさ。この程度のザコに負けていたのなら先生にもこれから歩み行く未来にも顔向け出来ないし。


「いつだって過去の自分を乗り越える時はッ!現状の壁を乗り越えた瞬間だ!!」


 オールディの顔面から薬指と中指が高速で飛び出していき、アースの両目に突き刺さる。アースはよろめく事無く拘束を解かずそのまま手刀を振り下ろす。オールディは空かさずそれを掌で受けて血の汚染に苦痛を感じつつも血を拭う事と傷を体液で覆う事に成功する。そのまま首を通り抜けるが血が付いていないので完全に無傷のまま攻撃が終わる。

 

 それでもアースはオールディから手を離せば手がかりが一切なくなる事を危惧して一向に放そうとはしない。オールディは間髪入れずに小指を放出し、硝子の破片を弾いて体内に入れる。アースは勘が鋭く放そうとするが時すでに遅く先に首元から高速で硝子を放出してアースの手首を切断した。


 オールディはそのまま落ちて一階へ、

 アースは盲目に足を踏み外し不意に一階へ。


「そうさ、アース。これが僕の戦い方だ。能力をフルに活用して敵を蹂躙するのさ」


「いいぜ、マイ・オールディ……………俺はお前を超えていく」




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