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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 18 火炎にて我輩を暴く。

 

 アースは銃の引き金を引き、床のアルコールに着火する。青白い炎が地面を這い、ダストシュートを昇ってジョニーに開始の合図を送る。


「つくづく阿呆な連中だ。勝算もない戦いを起こそうとしている…これをアホという言葉を使わずに他に何の言葉を使えばいいと。ジョニーから聞いただろう?ボルボロスは恐ろしいと。お前には僕につくか野たれ死ぬかの2択しかなかったというのにそれすらも蹴って…一体何がしたいんだか」


「…」


「そもそもこの状況だって僕と戦ったお前ならば分かる筈だ。火炎なぞ無害化できるんだぞ。寧ろ悪化したのはお前なんじゃないか。生身の体でこの火炎になど耐えられない。」


「悪い事ばかりではない。お前に開けられた傷口はお陰で焼く事ができる。俺にはこの苦痛や激痛が怒りへと変化していく…血液は感情露呈の様に沸騰し…匂い立つだろう、虜になっただろう?アルコールも嗅ぎつく事が出来ない程に。オールディ…想定予想が掌の上であれも結局はお前は出し抜かれたんだよ、この俺に」


「アース……ッ!!」


 鬼の形相で睨むオールディに向かってアースは挑発するように笑う。これから起こる出来事全てが予定調和のようだと見せつけるように卑しい笑みを溢す。


「俺に怒りをぶつけてられる暇があるならすればいい。俺はお前がやる気なら相手してやるぜ…俺としては足止めなんて考えてもいねえからな。もとより五体満足で生を捥ぎ取る事なぞ現実的ではない。現状俺のこの焼け爛れる姿も嫌味を言える状況も紛れもない生の証だ。」


 オールディはアースの言葉を全て聞く前にシャッターを蹴り破り、外へ出る。


 さて、どうしたものか。外へ出て一度ボルボロスの顔を拝んで見るか先に屋敷の惨劇を確認するか。しかしそれよりも施設内部の把握の為にジョニーの補助をするか、今後戦いが激化するとなれば舞台は此処になるからな。


 アースが少し悩んでいる間に天井から駆け足で動き始めた物体が多くなった。オールディは違うとしてティディ、ピークの二人以外にも数名の+αがいるのだろうな。全身火傷のアースがシャッターの外へ出た瞬間に脳内に声が響く。


[…意識が曖昧になっていないのに私が君に話しかけられる理由が…分かった。どうやら祖の神が近くにいる場合に話しかけられるらしい]


 なるほど、じゃあそれはつまり…お前は祖の神だってことか?


[その通りだ。まあそれでも…どのくらいの距離から反応するか分からないが少なくとも…2人いることは分かる。お前がジョニーと話していた最悪のケースである可能性が高い。悪い事は言わない…次の人生は彼らに関わらない様にするのがいい。]


 アースは少し考えてからシャッターに対面する壁を蹴り、手錠を壊して会場の二階へと壁をよじ登りながらポジティブに回答する。


「オールディは敵は臆病者のボルボロス一人だといっていた。個人的にだが想像上のボルボロスはオールディ達が束になっても勝てないと思うんだよ。だから一人、祖の神の味方を一人つけているんじゃないかと思っている。今…俺がこうしてオークション会場を炎上させたから祖の神に連絡を取って助っ人に来てもらったんじゃないかと。」


[…一理ある…ビシブルが暴れるならもっと派手にするだろうな。ボルボロスは確かに臆病者だが…ビシブルはその遥か数千倍は臆病だ。だからビシブルは戦いを起こす時に決して一人では起こさない。よく言えば病的なまでに慎重だ。そう考えるとビシブルの可能性は低いな]


 アースは二階位の高さまで登ると肩の筋肉を隆起させ拳を振いレンガの壁を粉砕する。その穴に入り、一つ深呼吸をして暗い廊下を歩き始める。


「そこでだ、祖の神はいったいどれくらいいる?」


[私が知る限りでは10人だな。ジスト、チェスタリーチ、ミッドナイト、ファーブルファイト、ボルボロス、ビシブル、ステンレス、モルガン、ファルコーネ…そして私だ。私は存在しないからまあ9人になるか。どいつもお前より遥かに強い。]


「それぞれ特徴教えてくれ。もし対峙するとなれば事前情報があるとないとでは天と地の差がある。」


[本気か…?]


「冗談を言っている時間はないぞ空欄。どの道ここで祖の神を倒せないなら所詮俺にこの人生は歩めない。」


[…まずは分かる奴から…ジストは時と空間に関する能力、ミッドナイトはあらゆる毒を生産できる能力、ボルボロスは大地や泥に関する能力、ステンレスは爆発に関する能力、モルガンは伝達系の能力。チェスターとファーブルFとファルコーネは一度も戦った姿を見た事がなかったから分からない。ビシブルは戦った事があるが全く意味不明の能力だった。]


「なんとなく理解した。お前が能力を教えてくれた祖の神であれば良いんだが。」


 アースが走る廊下の奥から足音や悲鳴が聞こえてくる。ジョニーが足止めして守るにも足りないのだろう。死人は出る。「どうせ今回は結局は巻き戻されるのだから」とは割り切れず。アースは声を辿り、加速する。






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