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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 15 生と朧の男 4 ‐生への執着‐

誤字脱字あるかもしれないです。

※あとがきに能力説明追加しました。


「お前の…その銃の残弾は幾つだ?…先に撃たせてやる…俺が…俺の奇跡を証明してやるよ…」


 右足を掛け、枠組みに残ったガラスを両手の甲から貫通させている状態を見て平常なごく一般的な人間とは思えない。頭だけをアースの顔に息がかかるくらいまで近付けて挑発するように喋りを続ける。アースは挑発に乗った様に銃口をピークの口に咥えさせて引き金に指を掛ける。


「そうそう…奇跡は起こらない。そして逆転劇も起こりはしない。お前が俺に能力者だと理解させてしまった時点で…その時点でお前は俺を仕留めねばならなかった。俺はお前に対して考える時間を得た。もしお前が俺に死なない事へ対する絶望を望んでいるならば改めろ、アースは決して焦らない。」


 ピークは嘲る様に笑う。勝利への頬笑みを汚らしい狂喜に唾液まで垂らして表情筋を曳くつかせながら必死に笑みを隠している。まるでアースが引き金を引くのを待ちわびている様に。何故そうなのか?ゆっくりとじっくりと考えていけば辿りつくんだ答えに。


 アースは銃をピークの口から離し、オールディの頭蓋に向けて4発放つ。血は噴き出し零れていく様からまだ麻痺が持続して能力を発動していない証拠だ。つまりこのアースの攻撃は実質オールディの殺害成立である。


「……はぇ…?」


 ピークはオールディから噴き出す血を見て情けない声を出す。そして恐る恐るアースに顔を向けるとさっきよりもずっと恐ろしい鬼の形相でピークを睨む。


「お前、時間稼ぎをしていたな。結局はオールディ頼りかよ…お前は俺を大笑いして転げ回ってやろうとか考えていたんだろうが…残念だったな。なあ…言ったよな、ピーク…『戦いには敬意を払え』ってさ」


 血の気が引いて反射的に窓枠から家の中へ入ろうと体を戻すが目に見えぬ速さで首を掴まれて身動きが取れなくなる。


「無敵なら…奇跡なら別に身を引く意味もねえよな?じゃあなんで今擬死反射みたいなスピードで身をひっこめたんだよ…なあおい…お前はまた!再び!『保険』に気を緩めたなッ!つまりお前は「家」と似た条件の範囲に入れば奇跡が繰り返し起こって助かる…そういう能力だと仮定して…じゃあよ…ピーク……」


「く、くそぉぉおおお!!」


「答え合わせをしようぜ…」

「うおおおおおおおおーーッ!!!」


 アースはピークを窓から引きずり出し、顎を肘で砕く。そして悶えるピークの両目を拳で殴り潰し、通路の真ん中へ殴り飛ばす。ピークは唸り声を上げながら盲目に横たわる。


「戦闘終了だ。…(それよりステラは何処まで行ってるんだ…そろそろ応援に…)」


 ふと、たまたまオールディの安否を念の為確認する為に目を向けるとオールディの傷はもう完治していてゆっくりと立ち上がろうとしていた。色々と疑問の点はある、だが麻痺毒の時間切れだ。それが意味する所はほぼほぼ絶望と変わらない。アースはただ何も言わずにオールディの方を見つめている。


「悲惨の先だ。」とオールディが一言呟いて完全に立ち上がり、アースの目を見て続けて喋る。


「悲惨の先に、壮絶な過去を乗り越える為に能力は発現する。『過去は悲惨である程打ち消す為のエネルギーを要する』乗り越えられぬ者はただ淘汰されていくだけ。故に能力者は強者であると僕は思っている。死を乗り越える度に惨劇を繰り返す度に人は衝動に駆られ精神の成長を突き動かす。」


 オールディは思い切り拳を握り、爪を皮膚に喰い込ませて血を滲ませる。そしてその血に塗れた手を天に翳し、中指を立てて首元へ持っていく。そして上を向き、ゆっくりと首を掻っ切っていく。


「生への執着の深淵化が僕の状態だ。僕は忠実に、忠実に、生へ執着しているんだ。僕の脳も細胞も血液も遺伝子すら…僕の死を許さない。」


 オールディは皮膚に突き刺さっていたてのひらを見せる。傷はもう既に治っていた。そして首も掻っ切られ始めた場所から徐々に治っていく。まるで細胞一つ一つが確かな意思を持っているかの様に修復していく。


「能力者は強者だと自惚れているとほざいていたな。僕はもとよりチンピラを数人集めて集団を作った訳ではない。お前が僕らを自惚れているというのなら、僕らの戦いを遊びだというのならば否定などしない。だがしかしそこに反省はない。マイ・オールディは改めないッッ!!」


 アースは危機を察知するがもう遅く、オールディの全身至る所から弾丸が放出されていく。とてもとても…予備動作が判断できず唯一の手がかりである斑点模様も服に隠れて見えないその武器の引き金は無敵に相応しい。たとえ放出の目が粗く正確に心臓や脳天を撃ち抜く事は出来ずとも、この量の弾丸では狙わずとも当たる。


「今の乱射はお前が撃った弾とジョニーが僕に向けて放った殺意の総量だ。熱いだろう?死も見える。」


 「うう…ううううう……」


 アースは散々撃たれた後に顔面を両手で覆い、防御をするがそれも無意味となる。だが、まだそれは生きている証でもあった。


 オールディはもう弾を撃ち尽くした…だが、アイツはもう俺には近付いてこない。かならず遠距離から仕留めにかかるだろう…だから奴が対策を練る前に俺も奴に対しての対策を練らねばならない。そう考えていた矢先、背後から臍を撃ち抜かれた。そして続けて右足首も撃ち抜かれる。


「自惚れたなアース。お前が仕留め損ったせいで自分の首を今更しめる。確実に殺してもいないのにそいつが戦闘不能だと、お前は高を括った。悪いなアース、僕の勝ちだよ」


 訳も分からずアースは地面に経たりこみ、振り返る。そして振り返り様に両目を弾丸で撃ち抜かれた。その最後に見た光景は、ピークが銃を握り、ティディが指の無い両手でピークの頬を押さえ、俺のいる方角を向かせていた。


 完全に盲目が振り返った時、奇跡を起こしたのかそれとも偶然なのか、アースの脳天は貫かれた。



■人形 1(3)

所有者 ティディ

・体を人形化させ臓器を綿化させ、刺傷や物理攻撃を緩和させることができる。

・天敵は炎であり、焼かれたり、綿を千切られたりするのに弱い。

・能力発動中は綿でうまく口が動かせず独特な喋り方を強いられる。

・綿である間は痛みを感じない。問題は解いた後。



■マイルーム 1(1)

所有者 ピーク

・最低限部屋として認識されている7割壁で囲まれた室内であれば幸運が舞い込む。必ずではない。

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