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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 14 生と朧の男 3

誤字あるかも


「むだむだ!ピークはぜったいにオールディにはめいちゅうさせないからな!そしてオールディをたてにすることもおれがさせないぜ!」


 ティディはそういうとアースの腕を掴み、引き剥がそうとする…が、びくともしない。脚でアースの体を蹴って脱出しようと試みるが全く通じない。


「お前の強みってのは無敵ってだけだろう。それで?肉弾戦を繰り広げられるパワーは?絶命させること可能にする攻撃手段は?銃の一つくらいでも持っていたらまた状況は違ったかもな。さて、このままお前の頭にどのくらい加圧していったら弾け飛ぶかな、それとも血液を噴出させるのかね。」


「くそぉぉ!!はなせ!!おれは『無敵』なんだあああああ!!」


「能力者=強者でない事を理解していないな、お前。勝利までの過程を穴なく完璧な結果を叩きだし、それを、その論文を一字一句間違いなく完遂した者が勝者となる。そこに自惚れなんてものは必要ない、全く持って必要ない。お前が今歩んでいる今現在の過程は自惚れた過程、敗北の過程だ。今現在は分かるまい、『自惚れ』は『敗北の条件』にとても合っている事を未来のお前が死に、知る。死に際に理解する。…だがお前ほど知能がないのなら…死に際にも能力に縋っているだろう」


 アースは一気にティディの頭に握力で加圧していく。だが、力を加えていくアースの指の隙間から頭部が漏れだしてくる。


「は、ハハ!そうだよ!むてきだからいたくもかゆくもない!」


「潰れる、貫く。がダメならまだまだ方法はあるぞ、触れる時点で可能性は幾らでもある。きっとこの加圧にもダメージがくらわないなら強い衝撃を加えたって無駄だろうな、お前の体はまるでスポンジのようだな」


 その言葉を聞いた瞬間、ティディはより一層顔を赤くして抵抗をする。と言う事はつまりは綿やスポンジ状に体を変化させる事ができるんだろう。弾丸が通じないのなら綿かな。まあ、つまりは燃やしたり引き千切れば死ぬという事か。だが、それを行うにも太い首じゃあ多少時間を喰う。ピークが弾を込め直している内にオールディ諸共戦闘不能にしておきたい、邪魔されないよう足首を引き千切っておくか。


 アースは蹴ってきたティディの足首を掴み、一度首を放して全力で引き裂くと予想通り体の方の断面から綿が飛び散り、切り離された足首を遠くへやると綿が血へと変わる。両方とも遠くへ飛ばしてやり、自由にしてやるとティディは更に顔を真っ赤にして奇声を上げる。


 ティディはそれでも無理矢理地面に立とうとするが切断面が綿では上手く立つことも出来ずにすっ転ぶ。この感じだと痛みは感じていない。


 それよりも完全に弱点が判明した。人形化状態が継続できるのは恐らく体で最も面積の覆い部分であるか頭部から半径2m程まで…つまり四肢をもぎ取って遠くへ放ってやればダメージは確実に与えられる。だとしたら俺はお前よりもあの男に集中しなければならないな。


 アースはティディの髪の毛を掴み、その体を盾にしながら銃を構えるピークとの距離をゆっくり縮めていく。その異様な状況に恐怖が拍車をかけ、大きく震えたまま銃弾を乱雑に放つ。そんな弾丸など当たる筈もなく、弾切れを起こし、仕舞いには唯一の武器である拳銃自体を投擲する始末だ。


「余りにも哀れだな。お前達が本気で国を悩ませる程の奴らである事が不安になる。」


 アースがそう言ってティディをピークに向かってぶん投げる。ピークはティディの下敷きになって無様に転ぶ。その際に胸ポケットにしまっていた弾丸を一面にぶちまける。転がってきた弾丸の2つを拾い、銃に弾を込めてピークの両足のアキレス腱を貫く。


「うっ」と声を漏らすとそれ以上はなにも言わず、ただ歯を食いしばり、自身の上に覆い被さるティディを退かして這いながらこの場から離脱しようとしている。単にピークは能力者ではないから武器を持って至近距離で戦わなかったんだろう。


「人間二人が応援に来てこのザマかよ。俺は無能力者でいてお前達はとても有利な状況でありながら。数の多さの保険につい気が緩んでしまったか?戦いには『敬意を払う』事が大切なんだ。前提理由はなんであれ…お互いに複雑な感情が絡み合ってない以上…戦いには敬意が必要だ。だがお前はそうはしなかった。お前は見下し、見縊った。」


 アースは続けて転がってきた弾丸を拾い、6発込める。そしてゆっくりとピークの元へ近付き、追い越し、這い逃げる情けない面前に仁王立ちする。そしてその銃口をピークの頭に狙いを定める。


「チクショォォーー!テメェーーーッ!!嘘を吐いたなァーーアースゥ”ェ”ェェー!」


「いいや、戦いには敬意を払う。だが、お前の様な誰かを人質にとって最も汚らしい保険に余裕噛まして自惚れている奴に慈悲などない―――――――――。」


 引き金を連続して引き、全弾頭部に放たれる。ピークは最期に汚らしい声を上げて絶命した。だが、生への執着が残っていたのかピークはゆるやかな坂を転がっていき、何故か徐々に勢いをつけて家屋の窓を突き破って中に消える。


 アースは残る床に散らばった弾丸を4発銃に込め直し、ゆっくりと麻酔が効いたオールディの元へと向かっていく。油断はしない。もしかしたらオールディはもう既に麻酔から解放されているのかもしれないからな…。あの男のことだ…有り得ない事が起こるかもしれない。


 そう思った矢先に有り得ない事が起こる。丁度さっきのピークが突っ込んでいった窓の横を通りかけた時、ゆっくりと手が伸びてきてうっすらと顔が街灯に照らされる。額に弾痕は間違いなくあり、確実に絶命した筈のピークがあろうことか呼吸を荒くしている。コイツも能力者なのか…!?だとしたら一体どんな…


「最初から…こうしていれば良かった。お前が恐ろしくて恐ろしくって堪らなかったけど、…最初からこうしていれば良かった。」


 ピークがそう呟き、窓枠に足を掛けた所でアースが再び額に弾丸をぶち込む。ピークはまた血を盛大に噴き出し、家屋の中に倒れる。


「本当に…恐れずとも最初からこうすれば良かった。」


 ピークは死んでいない。さっきから同じような事を呟きながら呼吸を荒くしている。そして死なずにまた、窓枠に手を掛けている。そんな事…有り得る筈もない。アキレス腱は確かに断裂させたし、脳も穴だらけの筈なんだ。生きている訳がない。奇跡でもそんな事はありえない。


「とても…とても…運が良かった…奇跡的に致命傷にはならなかった…そしてアース…今度は俺が返す番だ…撃たれようとも心臓が引き裂かれようとも…今の俺は運がいい…」


 ピークは再び窓枠に足を掛けた。





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