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キルライフ  作者: 沼郎
第2章 嘘を吐いた自己正義達
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第二章 93 ボルボロス・トゥ・タイタン 3

pc壊れたので投稿遅くなりました。代理のpc使ってますがすごく打ちにくいので何時にも増して誤字脱字が多いと思います。修理から戻ってきたら修正するかもしれないです。


「…」


「思いもしなかったか?我輩が本体であるにはあまりにも体が軽かったか?お前が望むなら地獄を見せてやろうじゃないか。この世界に存在する祖の神のうちトップ3に入る我輩の神髄をな。」


 そう宣言するとボルボロスの立つ地面がうねり、一気に体の血色が変わる。世界の色すらよどみ、不穏な風が吹き始める。明らかに今までとは何か違う変化が発生した。ただずっと目視していたウィーズの目からはどう行われたのかすら理解できなかった。そこから脳で処理をする前にボルボロスは目の前からいなくなっていた。それに気づき、索敵を開始する前に自らの体は宙に浮いていた。


 両脚は業火に熱された如くとろけて液状化して地面に浸透していく。とっさにエネルギーを四方八方に撒き散らすが、全く効果はない。敗北を察して何か秘策を使おうと胸の内ポケットに手を忍ばせた瞬間だった。指先が動かないと思ったら今度は両腕が断ち切られていたことを理解する。


「還るんだ、文字通り土へとな。」


 これが神なんだ。どの世界にも頂点に君臨している世界が生んだ、世界の意思。人間ごときが抗おうと蹂躙されるだけ。ただ、僕が本当にこぶしに『覇者の証』を宿した本当の英雄ならば、もっと状況は変わっていたのだろう。


 僕はまた、こうやって理由をつけて合理化する。


 四股を失ったウィーズは腹を蹴られて街壁まで吹っ飛んでいく。そしてそのまま壁に沈んでいった。ボルボロスはよりいっそう失望知ったような表情を浮かべてため息を吐く。


「圧倒的な力で捻じ伏せるのは好きだが我輩とてここまで弱い者を相手にしたって何一つ面白くもない。非常に、非常に、とても残念だ。お前ならもう少しやれたと思ったんだがな。我輩は強者が好きだ、我輩より弱く、且つ気持ちよいくらいの勝利をくれる強者が。お前もその一人だと思っていたよ。」


 ボルボロスは意識が朧なウィーズの四股の切断面を溶かして止血して笑みを浮かべる。


「お前はもっと絶望するべきだ。絶望を絶えず味わって死を超えていく者が強くなる。お前のエネルギーにはまだまだ可能性が眠っている。お前はこれからの人生、それを開花させるために死力を尽くすのだ。」


 似たような台詞に聞き覚えがある。僕はそんな言葉を掛けられ続けたせいで自分が特別に凄い人間なのだと自惚れるんだ。そしてこの呪いはやがて僕が打ちひしがれて心を傷つけるまで終わらない。


「だから我輩はお前以外のこの王都にいる人間たちを皆殺しにする。我輩を怨め、我輩を憎め、守れなかったことを後悔して慟哭しろ。力を渇望し続けるんだ英雄ウィーズ。」


 心が何度壊れたのかわからない。この力で救えた命なんて塵の数もないのに更なる活躍を願われる。何度強くなるために脅迫されたか。もううんざりだ。言われなくとも僕はいつだって求め続けている。


「…」


 ウィーズの右肩から泡が発生し、泡は腕を生成しながら指先へと上っていく。そしてその右手で立ち去ろうとするボルボロスの左肩をつかんだ。


「…おい。ここから先は僕を殺してから通れよ泥人形。」


「話を聞いていなかったのか?我輩は有言実行を大切にする男だ。一々他人の言葉になぞ従わん。我輩が皆殺しにすると言ったらそれはもう確定した未来になる。憎むなら自分の弱さを憎めばいい。なんせお前が強ければ我輩を殺して阻止出来たんだからな。」


 ボルボロスはウィーズの右手を泥状に溶かし、右肩についた僅かな皮膚を払って立ち上がる。睨むことしかできないウィーズは今までの声とは想像できないくらいの憎悪に満ちた声で脅迫する。


「お前が…その王都に足を踏み入れえた瞬間から、僕は残りの人生をお前を嬲る為だけに生きることにするよ。お前が自分の口から「死なせてください」と糞尿垂れ流し泣き顔で額を地面に擦り付けるまで永遠に!!!!!」


「ははは、そこで吠えるよりも深淵化で回復が可能なら戦闘準備を整えれば良いというのにもはや現状のお前は負け犬も最底辺のものだな。まあいい、その言葉が本当になることを願っているよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『――――…』


 通信機を所持していた者はボルボロスの声を聞いた。ハッキリと全てが鮮明に聞こえたわけではない。だが相対していたウィーズが敗北したという事実が全員に衝撃を与えた。少なくともステンレスにとってこの事実は作戦をすべて無に帰すほどだった。


 …探知を繰り返すたびに絶望は現実的なものへと変わっていく。当初多くとも3人程度だと考えていた増援が既に東の王都を全体を囲っても有り余るほどの人数がいる。もはや抜け道などは存在しない。ゆっくりとだが着実に者共は王都にたどり着く。鈍足ではあるが間違いなく進んでいる。


「ここまでやるのかボルボロス…」


 そう悪態をついた矢先ウィーズの敗北と実質皆殺しの宣言を聞かされこれ以上ないほど地獄化としている。


 俺じゃボルボロスに勝てないことはしっている。あいつはこの世界の祖の神の中でもトップクラスの強さを持っているから。もはやアース一人が足掻いてどうにかなるような問題ではないのだ。もうこの王都に未来はない。俺がいまやるべきことは…ステラを連れて二人を救うことだ。


 きっとアースは怒りで俺を殺しにくるだろうが俺は俺の優先すべきことをする。それだけだ。


 ステンレスは抗うのをやめてステラのいる屋敷へと方向転換した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『―――――!!!!!』

 

 きっと彼が敗北する自らの運命を悟り、とっさにトランシーバーのスイッチを押したのだろう。彼の行動は間違いなく正解だ。アース殿、ミーナ殿、祖の神ステンレス、屋敷のメイド達。全員に惨状が知れ渡る。


 本当はもっと可能性を模索していたかった。それでももう残された時間はわずかしかないのだ。どうか今は皆が一致団結してこの王都から脱出する方法を、ボルボロスから逃れる方法を…模索してくだされ。



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