異世界人は今
冒険者二人を殺された事件は、一応解決しました。
実行犯は判明し、その手段を手に入れています。
解析に時間はかかっていますが、一つの手段を封じたと思っていいでしょy。
賢者の国には、色々と爆弾が仕掛けてあります。最終的に潰す予定なので、二人の敵討ちは、その時になります。
召喚されて一年になる日が、行動を実際に始める日です。
色々と、準備が大変でしたが、ほぼ準備が完了しています。
後数日、十色でもからかいながら、大人しく過ごす事にします。
「まさか、失敗するとは・・・」
人形を奪われた事は、かなりの痛手だ。
俺、斉藤一樹が、異世界に召喚されて手に入れた力。
それは、憑依という能力だった。
これを使って、この国の王に乗り移り、権力を手に入れた。
黒の国と言う組織と接触して、操り人形と魔道具を手に入れた。
憑依することで動かせる人形は、死というリスクを軽減してくれた。
人形に憑依しながら、魔物と戦っても徳は手に入る。
その状態で、迷宮に入り徳を得て、レベルを上げた。
手に入れた魔道具は、殺した相手のスキルを奪うと魔道具だった。
こんな便利なものを、手放すのには理由があり、奪ったスキルは、人形に宿るものだった。
人形にスキルを集め、俺は更なる力を手に入れた。
今では、賢者の国の国王は、俺のしもべとなっている。
今日まで、死なないように慎重に生きてきたつもりだった。
ギルドの情報を、部下のアイが手に入れて、その中で見逃せない能力があった。
身代わりと、豪運、金運、空気清浄、の四つの能力。
身代わりに関しては、道具の効果と判明したので、ギルドを使い、無効にした。
冒険ギルドが、裏では能力者を集めて色々とやっていたと知った時、その力が欲しいと思ったものだ。
金運と、豪運は、簡単に手に入った、
元々、怪しい団体に所属してた人間だ。殺したところで、問題が無いと思っていたのだが、アイに猛抗議を受けてしまった。メトロ・ギアと言う組織は、現時点で敵対するのは危険と言う話だった。
もっとも、俺があの二人を殺したと、誰が解ろう。
ギルドの職員に、空気清浄という厄介な能力を持つ人物がいた。
俺の推測が正しいなら、空気を操れる存在だろう。
空気中の成分を、自在に操れるとしたら、そんな危険な存在は無い。
部屋中を、気づかない間に二酸化炭素だけにされたら、防ぎようが無いし、殺される。
ギルドは、こいつの危険性を気づいているのだろうか?
知ってしまった以上、無視は出来ない。手ごろな兵士に憑依して、ギルドを監視したのだがその直が相手がやって来た。
黒い、何処かで見たことのあるような鎧の男と一緒に、外を歩いていました。
その場所は、例の冒険者が死んだ場所。
偶然なのか?
少し不安でしたが、これはチャンスでもある。
人形を起動して、その職員を始末します。
能力を奪うのは、確実ではないのが残念だが、危険な能力者は死にました。
人形には、暗殺と言う危険な名前のスキルが追加されました。
俺が感じた危険は、間違っていなかった。
ただ、上手くいっていたのはここまで。
黒い鎧の男に、人形を奪われました。
とっさに憑依を解いて、兵士に移動したのだが、こっちも行動不能になれました。
この状態で、兵士を殺さないとは、甘い連中なのかもしれません。
兵士から離れ、もとの体に戻ります。
この憑依という能力は、ギルドの情報だと3人いたみたいだ。
全員死亡しているので、今は俺1人。
まだ俺は、死にたく無い。
人形は失ったが、何とかして生き残る方法を探さなければ行けない。
「1人では、無理なのかな・・・」
一緒に召喚されたメンバーを、早々に見捨てて俺はここにいる。
今更ながら、選択を間違えたのかもしれない。
「酷いと思いませんか?」
私は、今時分の中にいる別の存在に話しかけています。
「貴方のおかげで、私は色々とやる事ができました、感謝していますよ」
それは、迷宮の中の出来事。
倒れて、気を失って、何かに乗っ取られた後の出来事。
大元の存在は、あの時消滅しました。
その後、こっそりと私の中に紛れ込んだ存在がいます。
そのおかげで、お兄ちゃんの策略は崩壊しています。
私の治療をしてくれるのはありがたいです。
でも、折角異世界に来たのに、こんな中途半端な状態で戻そうとするのは鬼畜の所業です。
元の世界への未練は、確かにあります。
色々と、考えてくれた結果と言うのは、理解できます。
「でも、酷いと思いませんか?」
私の中にいる、存在は問いかけても返事をくれません。
私を追い出して、体を完全に支配するつもりみたいです。
彼女の肉体はありません。迷宮で死んでしまったそうです。
それに関しては、自業自得でしょう。そう言う世界なのです。
もっとも、私はそこまで割り切れるほど大人じゃないです。
この人が、かわいそうと言う気持ちがあります。
「お兄ちゃんの所に行けば、猫にしてもらえるかもしれないよ」
私は、こっそりとメトロ・ギアの中を見ています。
最初は、ここから動けなかったけど、アニマルロイドの一つを、操る事に成功したので、ブリッジ要員として、紛れ込んでいます。
後で知ったけど、私の事に気づいた伊藤さんが手配してくれたみたいです。
私の計画を話すと、このお姉さんは喜んで協力してくれました。
この世界と、私達の世界は、時間の流れが違うみたいです。
それを利用すれば、私の野望は叶います。
そのついでに、お姉さんの願望も叶えましょう。
この際、私に取り付いている存在も利用します。
そのための準備を、こっそりとやっています。
子供を甘く見た大人は、酷い目にあう事を覚悟して欲しいですよ、お兄ちゃん。
「誰かが、よからぬ事を考えていますね・・・」
少しだけ、悪寒がしました。
「恨まれているからにゃ」
「表立って、恨まれる事はしていないつもりですが?」
「裏で、色々とやりすぎだにゃ」
「そうでしょうか?」
「女の敵という意味で、やらかしてるにゃ!」
「手を出しているのは、貴方だけですよ」
「それが一番たちが悪いにゃ。この世界なら、ハーレムだいじょうぶにゃ」
「そういわれても、他に手を出せる女性はいませんよ」
「三姉妹に、申し越し優しくしてやるにゃ」
「あの子達は」
「外見が、ちっちゃくなってるにゃど、心は大人にゃ。相手にしないと、壊れるにゃ」
「そう言えば、そうでしたね・・・」
大人と言っても十代後半。外見が、十代前半になってしまったので、そのことを忘れていました。
「大事な事だから、わすれにゃい」
「はい」
「まぁ、今は忙しいから、落ち着いたらもっとよく考えるにゃ」
「十色は、優しいですね」
「にゃ」
照れて、布団にもぐりこむ十色。
微妙に爪が私のお腹を攻撃しているので、辛いです。
でもこれは、辛くない痛みです。
そんな事を感じながら、のんびりと、夜は深くなるのでした。
3日に1度のペースで更新予定です。
アルファポリスさんでも投降しています。
第7回ネット小説大賞に参加中です。




