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灰色の冒険者  作者: 水室二人
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VS機神 前編

 迷宮探索は、余り順調とはいえない状況になっています。

 隠し部屋は、かなりの数があり、そのほとんどが遺体安置所となっていました。

 その数は、数千人を超えています。

 それらを調査するのは、時間の無駄なので、現状は放置しています。

 所々、ダミーの部屋があり、今後の安置所かもしれません。機神は、死体を集めるのが目的かもと思うぐらいですが、もう一つ集めていたものがありました。

 それは、過去の機神です。

 各地の大陸に、かなりの数の機神が残っていたみたいです。

 管理者のデータを確認した所、果て無き迷宮が範囲を広げ、残っていた機神を飲み込んで行ったそうです。

 最初は、地下を掘っていましたが、途中で半分に空間になっている迷宮は、進化しながら範囲を広げていたみたいです。

 これは、アトランティスの技術が流用されています。

 機神に協力している勢力が、どうやらいるみたいです。

 アトランティスで保管されていた機神と違い、本家の勢力が回収したとなると、どんな威力か不明です。

 スペックは、こちらでも把握していますが、アトランティスの技術を吸収した可能性を考えると、油断はできません・

 なので、探索を一時中断して、戦力の確保に時間を割きました。

 B-S3は、ナナとノノの専用機として、改良しました。車状態を、完全に1人載りにして、変形してもコックピットが中心になるように改良しました。

 パイロットは、ナナです。精霊使いで、人形使いでもある彼女は、変形合体と言う浪漫を追求した結果発生するかもしれない不具合を、人形使いの能力で補うためにパイロットをお願いしています。

 ノノが乗る予定のメカは、今はまだ間に合っていないので、今回は出番がありません。

 大石君は、先行してアンディで迷宮地下に向かってもらっています。果て無き迷宮の中でも、転移できる魔法陣を作成したので、ボスの部屋と思われる直前までは、彼に行って貰っています。

 今の所、順調に進んでいるようです。

 私も、自分専用のメカの作成に入りました。趣味を詰め込んで、色々と追求した結果、試作機は爆発しました。

 失敗を繰り返し、試作5号機が完成した時に、大石君から最下層に到着したと連絡がありました。

 失敗は許されませんが、こちらの準備はほぼ完了しました。

 最下層へと向かいます。


「格納庫ですか・・・」

 そこには、数多くの機神が並んでいました。

 全長20メートルほどの機体が多いです。動力は停止しています。

 ざっと見て、200機ぐらいが並んでいます。

「奥のほうに、稼動している機体があります」

「この場所の広さはわりますか?」

「半分異空間になっています。正確な距離は不明です」

 私は今、試作5号機の中にいます。

 操縦技術の未熟さをカバーするために、サポートとして三姉妹が一緒に乗っています。

 ロボット系の作品の不満の一つ、主人公が乗るメカが小型だったり、高速戦闘系が多いと個人的に思うので、試作系は重装系です。ガチガチの、重量級のメカです。基本的に人型ですが、足は巨大なブースターです。バックパックも巨大ですし、巨大な砲身を二門、背中に装備しています。

 本体の大きさは、20メートルほどになっています。バックパックを合わせた全長は50メートルを超えます。

 腕は、巨大な砲身となっています。接近戦は、隠し腕を装備しているので、そちらが対応します。

 各所に、ブースターがあるので、小回りは効きますし、見かけより素早い仕上がりとなっています。

「各種装備、安全装置を解除します」

「エネルギー充填は、60%で安定しています」

 この機体は、小型化したプラズマエンジンを搭載しています。何十もの安全装置をかけていて、出力に関しては、理論上星を壊せます。

「探索球との同調を終了。解析は、お任せください」

 この空間には、数多くの探索球が飛んでいます。それから得られる情報を、にぃが解析してくれます。私1人では、戦闘中にそこまではできません。

「大石君とずさは、動いていない機神を、確保してください」

 現在、この場所にいるのは、私達と大石君、そしてずざとナナです。他のメンバーは今回参加していません。色々と、事態が動きそうなので、色々とお願いしている最中です。

 やっぱり、色々と人手が足りません。人で不足解消のために作成したアニマルロイド関係で、人で不足になっているというマイナスの状況です。

 銀河帝国で立ち上げた宅配ピザが、大ヒットして忙しくなるなんて、予想外でした。

 半分死にかけていた、吉良さんが復活して、現在マネージャーとして指揮を取っています。

 金策に関して、かなりの才能を彼女は持っていたみたいです。

 その結果、また自分達の首を絞めているので本末転倒です。

「ナナは、そのままついてきて下さい」

 動力が止まっているなら、先制して奪います。

 私達が、ここまで来ていることに、無名は気がついていなかったのでしょうか?

 そう言えば、遺体安置所に関しても、セキュリティーがありませんでした。何か理由があるのかもしれません。

 確認すると、大石君とずざは、異空間倉庫へ、次々と機神を詰め込んでいきます。

 数が多いので、少し時間がかかるかもしれません。


「これは・・・」

 奥に行くと、機神が何かをしている最中でした。

 機神は、何かを組み立てています。それは、巨大な、人間に見えます。ロボットではありません。

 生き物を、つぎはぎの人間を作っています。

「それは、何ですか?」

 思い切って、聞いてみます。それで、はじめてこちらの存在に気づいたみたいです。

「いつの間に、ここまで来た?」

 それは、以前話した無名の声です。

「つい先程ですよ。無用心すぎませんか?」

「迷宮の上層部は、監視している。ここまで来れる存在がいるとは思わなかったよ」

「馬鹿ですね」

 人を甘く見すぎです。

「まぁいい。これは、われ等の希望の一つ。これを見られた以上、死んでもらう」

 機神の一機が、こちらに向かってきます。

「そんな不細工なメカなど、われ等の最高傑作に勝てるはずが無い!」

 剣を抜きながら、駆けつけてくる機神。周りの被害を恐れて、砲撃戦は避けているみたいです。

「そちらの都合を、考える必要はありませんね」

 容赦なく、こちらの砲門が火を噴きます。

 両腕は、それぞれ4問のレーザー砲になっています。合計8本のレーザーが相手に向かいます。

「な!」

 その全てを受けて、あっという間に、機神は消滅します。オーバーキルでした。

「今の出力は?」

「50%です」

「30%まで落としてください」

「了解です」

 勢いあまって、この空間を破壊するわけには行きません。ここは迷宮の中心部です。

「一つ破壊した程度で、調子に乗るなよ。我が軍団の恐怖を思い知れ!」

 無名の声だけが、空間に響きます。

 彼の姿は見えません。作業している機神の数は10。それは、こちらに加わらず、作業を続けています。

「軍団?」

 何も、動きはありません。

「後方の機神が起動しました。残りは10機です」

 大石君とずざが頑張ったおかげで、数はだいぶ減っています。

「二人は、ここから離脱してください。後は私達が相手をします」

 そう言うと、二人は姿を消しました。

「後部レーザー、全弾発射!」

 バックパックから、レーザーが上空へ飛び出します。

 その数は24。左右12ずつ射出口があります。上に向かったレーザーは、進行方向を変え、動き出した機神に向かいます。

 探索球で正確な位置は把握してあります。それをにぃが解析して、さんが予測した場所に、正確にレーザーは着弾します。

「ぐなっ!!」

 10機の機神は、あっけなく大破します。

「これで、終わりかな?」

 そんな事は無いと思いますが、打ち止めかもしれません。

「お前は、俺に恨みがあるのか?何故邪魔をする!」

「一応、私は話し合いに来たのですが?」

「何を話し合うというのだ?」

「貴方が、死体を集めている理由とか、機神の勢力の事とかです」

「あれを、見たのか?」

「見ましたよ」

「・・・」

 無名は何かを、確認しています。

「見ただけなのか?」

「今のところは。後は貴方の話次第です」

「異世界人か・・・」

「そうですが?」

「一応、試さしてもらう」

 空間がゆらぎます。

「これは、使うつもり無かったけど、これを倒したら、なんでも質問に答えよう!」

 次の瞬間、巨大な機神が姿を現します。

 50メートルはある巨大なメカです。

「この数に、勝てますか?」

 それが、12機あります。

「それで、全部ですか?」

「そうだ」

「後で、やり直しとか言わないでくださいよ・・・」

 そう言って、私は操縦桿を握り締めます。ある程度の情報を、直接私に伝える方法を確立したので、意思の力で操作できる機体になっています。

「サポートは、任せます」

「はい」

 三姉妹の返事を聞いて、私は敵の中に飛び込むのでした。





 3日に1度のペースで更新予定です。

 アルファポリスさんでも投降しています。



 第7回ネット小説大賞に参加中です。

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