一つの星が滅ぶまで
この星は、小さな星だった。
遙か昔に、文明が生まれ、滅びるのを繰り返しながら、緩やかに発展していったそうです。
現在、この星にいる人々は、その延長線上に生まれた統一国家の末裔です。
永い時を得て、優れた文明を発展させました。
星から飛び出し、宇宙へと勢力を伸ばしましたが、そこで最初の挫折を味わいました。
他の文明と衝突したのです。
宇宙規模の戦争が、始まりました。
長期化するかと思われた戦争ですが、お互いがお互いの存在を認めないという思考の下、殲滅兵器が投入され、両陣営は消滅しました。
兵器の威力のせいで、空間に亀裂がおき、謎の物体が侵攻してきて、それが止めとなりました。
生き残った人々は、それぞれの母性でこっそりと過ごす事に決めたのです。
高度な科学の発展で、資源の完全リサイクル。超科学のエネルギーによる無限のエネルギーの確保。
完全計画による、食材の確保と人材の調整。
この星だけで、人類は存続可能になりました。
しかし、それは停滞につながりました。
全てが管理され、変化が止まった世界。それは、歪んだ世界になりました。
そんな時、1人の若者が立ち上がりました。
後に、グランドマスターと呼ばれた若者は、娯楽の無い世界に、誰も体験した事の無い素晴らしい場所を作ると言ったのです。
電脳世界で、擬似体験をするシステム化確立されていました。
そこでの遊びが、この星の住民の生きがいといってもおかしくない所まで行っていました。
ただ、それだけでは物足りない。実際に、自分の手足で感じなければ満たされない。
その意思の元、総合レジャー施設”アトランティス”が生まれたのです。
特殊なフィールドを作り、人の思考を読み取ります。
読み取った思考を元に、フィールド内で特殊な現象が生まれます。
炎の矢と念じれば、手元から炎の矢が飛び出すという現象を、実現したのです。
最初は、小さな私設だったアトランティスは、あっという間に巨大なテーマパークとなり、閉鎖間で苦しんでいた人々は、熱狂しました。
遺伝子操作で作り出された怪物と戦う。
パワーアシスト機能のついた鎧を着ることで、超人となり、思い通りの魔法を放つ。
子供から大人まで、幅広い人が遊んでいました。
やがて、アトランティスは一つの大陸を飲みこむまで成長しました。
ここまで来ると、一つの世界が出来上がっていました。
昔の文献を基にして、建物を作り変え、よりリアルな世界へと作り上げていったのです。
役になりきるために、記憶を封印して、アトランティスに行く人も出てきました。
ずっと閉鎖していた世界に、ここの住人は狂っていたのでしょう。
アトランティスを、より楽しむために、色々な計画が動いていました。
それらが完成すれば、この星全体がアトランティスになり、思い白い星に生まれ変わったのです。
ですが、みんなの願いは、達成しませんでした。
今から500年前に、今では機神と呼ばれる存在がやってきました。
長距離の、空間転移でやって来た彼等は、到着後すぐに死亡しました。
この星の住人は、その文化レベルを見て、脅威にならないと判断しました。
とりあえず、調査はしましたが、アトランティスのほうが大事なので、相手にしませんでした。
それから100年後、また機神がやってきました。
アトランティス計画は、だいぶ進んで、星の全域をサイコフィールドで覆う事に成功しました。
最初の大陸のサイコフィールドよりも、高度な技術が使われ、色々とできることが増えました。
結果、それが仇となりました。
2度目の機神も、やってきてすぐに、搭乗者は死亡。原因は、異性人の体質にありました。
この星のエネルギーは、プラネットエナジーと言うのを利用しています。
星に、エネルギーを吸収する仕組みを作り、循環させる事で、莫大なエネルギーを生み出す装置ですが、循環する仕組みに、同調して命を吸われて死亡したみたいです。
2度目の来訪で、相手のことがある程度判明したので、一応対策を練る計画も始まりました。
このときに、こっそりとモノリスが運び込まれ、果て無き迷宮の基礎が産まれたみたいです。
この翌年、世界が終りました。
機神の陣営の、報復攻撃がありました。
無人の宇宙船から、ミサイルが多数打ち込まれました。
この世界の人たちは、脅威でないと思っていたので、対策をしていませんでした。
宇宙船は、ミサイルを撃ちつくした後、月に衝突しました。
月には、アトランティスの予備のサーバーがあり、各種データに異変が起きました。
そして、ミサイルから放たれた攻撃は、最初の大陸以外の生き物を、ほぼ死に追いやりました。
新型のサイコフィールドが、ミサイルに込められたいた呪いを増幅した結果です。
最初の機神の関係者が、報復処置として、電気機器を破壊する粒子を詰め込んだミサイルでした。
それは、新型のサイコフィールドが過剰に反応した結果、最悪の事態を引き起こしました。
それから100年。
多くの命が失われた事で、アトランティスの機能は変化しました。
死者は、突然の事で何が起きたのか理解できず、徐々に消えていきながら、サイコフィールドにその情報は路記され、星の情報へと刻まれました。
このときも、機神は現れました。
このときは、無人の機械が多かったそうです。
これは、自動防衛であっけなく全滅。
生き残った人々が、機神に対して、反撃をしたと記録にあります。
多くの命の記録を吸い込んだサイコフィールドは、生きている人のいるアトランティスへと融合しました。
仲の人たちは、その影響を受け、自分達の過去を忘れ、アトランティスと言うアトラクションの歴史を、本当の歴史と認識していきました。
また、多くの生贄をささげたことで、世界が変質して、ずれてしまいました。
夢が現実になった世界。
多くの犠牲の元に、それが実現しました。
それから100年後、機神が現れました。
100年前の報復で、かなりの被害を受けたみたいで、今まで無い規模の戦闘力が送られてきました。
生き残っていたアトランティス以外の場所の人たちは、これを予想していたので、激しく抵抗しました。
100年の間に、色々と失った技術があり、戦闘は勝ちましたが、生き残っていた人は全滅しました。
元々、5人しかいなかったので、仕方ありません。
この戦いで死亡した5人は、アトランティスを外から支えたスタッフで、自分の人格をベースに、管理者を作成したそうです。
残念ながら、機神に関しての情報はあまり残っていません。
5人は、報復した事を後悔していたみたいです。
その結果、何か起きたらしく、それが彼らを悩ませ、機神と相打ちになったそうです。
残された管理者は、アトランティスを維持することを使命として、暗躍しています。
元々、無理矢理作った世界です。
色々と不具合がおきています。
その際たるものが、異世界人の召喚です。
システムに無い、バグが、ここにきて発生しています。
色々と、無理がきて、世界の崩壊が迫っているのかもしれません。
それを、認めるわけにはいきません。
バグを除去して、正常化を図っても、中々上手く出来ていないのが現状です。
どうすればいいのか?
管理者たちは、悩んでいました。
AIなので、明確な答えが出せないまま、時間だけが過ぎていました。
そんな中、規格外のエラーが起きてしまいました。
大量の異世界人召喚。
それにより、世界の崩壊は加速しています。
エネルギーが、不足してきたのです。
完全なバランス調整をしていたはずなのですが、規格外の存在に、エネルギーを奪われてしまったのです。
そして、また新しい異世界人がやってきました。
過去に行った、燕魂計画の成果が混ざっています。
その結果、恐ろしい存在が生まれてしまいました。
「恐ろしい存在とは?」
「十色さんです。星の記憶と、願いを受け継いでいます。この星の人たちは、絶大なる猫好きでした。その願望が詰まった存在が産まれたのです」
「それが、問題なのですか?」
「この世界に存在しなかった、神という存在が産まれるかもしれません。それが、良いことなのか、悪い事なのか、わからないです」
「神はいないのですか?」
「何を定義しての神で、答えは変わります。この場合、猫好きの人たちの怨念を集めた存在が危険なのです」
「力が、集まりすぎるからですか?」
「そうです。バランスは大事です」
「それを保っているのが、グランドマスターですか?」
「そうです。過去の生き残りです」
「失敗したかな?」
現在、十色は巨大な湖の調査をしているはずです。底に、宇宙船があると思ったのですが、あれは最初からあるアトラクションの演出でしょう。
そこに、グランドマスターがいる可能性が高いです。戦いになる可能性もあります。
「大丈夫だと思いますよ」
「何故です?」
「彼もまた、大の猫好きです。先日のメトロギア・襲撃作戦も、地の涙を流しながら指揮していました。彼は今、自分を見つめなおすために、修行中です」
「・・・」
「話し合えば、良い方向に向かうと信じています」
若干の不安もありますが、管理者から色々と話が聞けたのは良かったです。
後は、機神関係の情報があれば今後の対策は取りやすいです。
次の目標は、果て無き迷宮になりそうです。
色々と準備が必要です。
その前に、せっかくなので、この大陸で、使えそうなものを探しましょう。
十色からの報告を待つ間、私達はこの大陸を彷徨うのでした。
3日に1度のペースで更新予定です。
アルファポリスさんでも投降しています。
第7回ネット小説大賞に参加中です。




