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灰色の冒険者  作者: 水室二人
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作戦の始まり

「改めて、予が銀河帝国皇帝、銀河である」

「ここでは、ロードスと名乗っています」

 砦に入り、改めて皇帝と話をする事になりました。

「これ、結構美味しいかな」

「そうですね」

 始穣香と、那由他も同席しています。二人は、戦利品の食料を食べています。

「貴族の部隊でしたからね、かなりの量の食料を持っていましたよ」

 貴族の部隊の中に、空間収納庫があり、それを解析して中身を取り出すと、かなりの量の食料が保存されていました。聖王国の、紙幣も大量にあったので、あの貴族は何故ここまで持ち歩いていたのかが少し気になります。

「さて、君はこれからどうするつもりなのかな?」

「私のやりたい事は、色々とありますが、最終的にはこの世界でのんびりと暮らしたいですね」

「それが出来ると持っているのか?」

「わかりません。私は、色々と知らないことが多すぎます」

「たとえば?」

「何故、貴方はあれほどの恨みを買っているのですか?」

「国一つ、皆殺しにすれば、恨みの一つも買うであろう」

「国一つ丸ごとですか?」

「そうだな、およそ30万人を、予の命令で皆殺しにした」

「理由を聞いても?」

「あの国は、守護獣を己の利益の為に殺した。その結果、疫病が流行り、周辺に広がる前に、予が滅ぼした」

「似たような事が、賢者の国で起きています」

「ならば、予が再び動くとしよう」

「賢者の国は、私が一応疫病に関しては沈黙させました。これ以上広がる事はないでしょう。かなりの、犠牲は出ていますが・・・」

「ならば、その国の事は、そなた任せよう」

「簡単に、信じてもいいのですか?」

「理の魔王に名をつなれるものなら、信じるしかあるまい」

「時の支配者でしたよね?」

「それほど、大した能力は無い、空間を加速させたり、逆に動きを遅くするくらいしか出来ない」

「それだけで、帝国は作れませんよね?」

「これ以上は、秘密である」

「そうですか・・・」

「さて、あまり時間が無いので、話を聞いてもらってもいいかな?」

「どうぞ」


 銀河皇帝の話は、簡単に言うとこの世界の歴史だった。100年ごとに、異世界から謎の存在が攻めて来るというもの。過去4度の侵攻があり、その度に大きな被害を各地に残していた。

 元々、大量の異世界人召喚事件は、それに対抗するための戦力を得るための儀式だった。

 もっとも、召喚された人間が、大人しく従うことはせず、独自に暴れ周り、混乱が加速しているのが現状だった。

 銀河皇帝は、大量h送還事件よりも前に、偶然この世界に落ちたい世界人で、色々と戦っている間に、国を作りう皇帝となったという。

 一代で、これだけの事をした彼は、優れた仲間が多くいるのかもしれません。


「国を作った今、予は自由に行動が出来なくなった」

「それで、私に依頼ですか?」

「北の大陸を調査して欲しい」

「そこには、何が?」

「先の侵略者が現れたとき、北の大陸は全滅してしまった・・・」

「全滅ですか?」

「こちらから、見える範囲で、何も確認できぬ。船で上陸するにも、海流の関係で上手く行かず、航空戦力は、大陸までいけない。距離がありすぎる」

「私なら、それが出来ると?」

「出来るであろう?」

「色々と準備がありますから、すぐにはできませんよ?}

「かまわぬ。次に侵略まで後5年ほど。±3年ほどの時差の可能性もあるが、できれば2年以内に確認できれば良い」

「報酬は?」

「銀河帝国の地位では銅だ?」

「爵位とかは要りません。この土地の、保障はしてもらいたいですが?」

「この土地は、銀河帝国の領土として、登録しておく。その管理人に、任命しよう」

「そんなことが可能なのですか?」

「元々、辺境の誰も気にしていない場所である。帝国の飛び地は、かなり存在する。現状、賢者の国と聖億国とは、戦争をしていない。大丈夫である」

「わかりました。冒険者として、その依頼を受けましょう」

「冒険者なのか?」

「軍人は、元帥と呼ばれていますがあまり好きになれないのです。軍隊は、いかに効率よく部下の命を消耗させか考えるものだと言います。その考えに、共鳴しているので、軍人を名乗りたくないのです」

「確かに、そうであるな。冒険者として、何をするのか?」

「権力に屈せず、自由気ままに旅をするというのは、危険な思想でしょう。私みたいに、力のある存在が、無責任に行動するのは、周りが安心しませんからね」

「そうであるな」

「だから、自分で判断して、適切と判断した依頼を蹴るつもりです」

「予は、世間で大罪人と呼ばれておるが、予の依頼を受けてもいいのか?」

「正義を名乗るつもりはありません。貴方が、なぜ大罪人と呼ばれているのか理解しました。私も、そう言う意味なら、大罪の片棒を担いでいます。貴方のしたことを、否定はしません」

「そうか・・・」

「北の大陸の調査の依頼は、受けましょう」

「よろしく頼む」

 皇帝は、依頼が終るとし穣香たちと一緒に国に帰ってしまった。始穣香は、皇帝と協力関係にあるといっていた。連絡要因として、時々遊びに来るそうだ。

 砦の中は。捕虜が増え、色々とやることが増えています。

 勇気を閉じ込めている結界の時間が、残り少ないので、まずはこちらを優先しないといけません。

「これより、作戦を開始する」

「了解しました」

 戻ってきた十色たちの前で、そう宣言します。

 賢者の国を、崩壊させるための作戦は、ここから始まったのです。



「何故、貴方が生きているのですか?」

「何故、私が死ぬと思っていたのですか?」

 異世界人の館で、アイさんとメリアムが出会いました。

 異世界人の1人、刈谷と言う男は、時々消えてしまう。位置を検索する道具を埋め込まれているので、こんな事があってはいけないはずだった。恐らく、何かの能力だろう。

 アイは、それを調べるために、何度も彼の部屋を調査していた。今日も、その一環で訪れたのだが、部屋中には、魔女と恐れられていたメリアムがお茶をのんびりとした様子で飲んでいた。

「私の事は、誰にも言う出ないぞ」

「は、はい」

 強制的に、そう返事させられる。良く見れば彼女を封印していた包帯が見当たらない。

「恐れる事はない。私もたまには自由が欲しいからね。チャンスが来たから、利用させてもらっただけだ」

「あの異世界人は?」

「私が、有効利用している。面白い能力を持っておるからな」

「それは、どのような能力なのでしょう?」

「教える必要が無い。あの力は、私が有効利用させてもらう」

「そ、それでは私の立場が・・・」

「事前ポーションと言うのの開発は、私がやらせている。材料が無いのと、私の能力でも異世界人相手だと完璧ではない。時間がかかるので、少し待て」

「わかりました」

「後、毎日食事をここにもってこい。最高級のものを用意せよ」

「・・・」

「異世界人に出しているような、食事を持ってきたら、どうなるかわかるよね?」

「りょ、了解しました。ヤノツ様への報告は?」

「既に終了しておる。確認しても良いが、下手な事を言えば、そなた死ぬぞ」

「っ!!」

 次の瞬間、言いようの無い不安な感じが、アイを襲った。

「余計な事すればどうなるか、試してみるか?」

「大丈夫です。私は何も見ていません・・・」

 余計な事をしたら死ぬ。直感がそう訴えている。

「そうだ、実験材料に、1人用意して欲しい人材がある」

「実験ですか?」

「この世界の人間ではない。異世界人で伊藤と言うのがいただろう?あれは中々の魔力を持っている。一緒にいた二人は、私は処分した」

「勝手な事を、しないでください」

「異世界人の召喚自体、禁止してあったはずだがな。賢者の国が、聖王国に範囲ありと伝えてもいいのだぞ?」

「貴方は、この国の人間ではないのですか?」

「元は、聖王国の所属だよ。今は賢者の区に預かりだ。私の魔眼は、厄介なのでな。とにかく、伊藤と言う人間を、引き渡して欲しい」

「殺すのですか?」

「実験しだいであるな。絶えられれば、生き残る事もできよう。何なら、体験するか?」

「・・・。わかりました、異世界人の伊藤と言う少女を、貴方に差し上げます」

「出来るだけ、速めに頼むぞ」


 そして、次の日伊藤紗枝は、異世界人の館から姿を消した。

 仲間二人が、急死したため落ち込んでいた所を、簡単に捕獲され、メリアムに引き渡された。


「まったく、何で私がこんな事を・・・」

「仕方ありませんよ。何処まで騙せるかわかりませんが、ロードス様の作戦ですから」

「・・・」

「いいじゃないですか、こんなに美味しいご飯が食べられるなら」

「まぁ、そうだけど・・・」

「それで、協力してくれるという事で、いいのよね?」

「私は、あの人には逆らえません。それでも、こんな生活も、いいと思えてきました」

「確かに、ここにいて美味しいご飯を食べるだけなら、羨ましいわね」

「今まで、苦労した分少しは休みが欲しいです」

 伊藤さんにとって、異世界人は敵でしかなかった。でも、ロードスの部下と言う立場なら、この異世界人とは仲良くしなければいけない。前なら、拒絶していたかもしれないけど、今の彼女は、その存在を受けいるれることができました。

 彼女の境遇も、ある程度は聞いています。だから、受け入れましょう。


「これから、よろしくね」



 3日に1度のペースで更新予定です。

 アルファポリスさんでも投降しています。


 オーバーラップWEB小説大賞に、応募してみました。

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