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灰色の冒険者  作者: 水室二人
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殺戮の3日間 その4

 長い夜が、始まるはずでした。

「誰も来ませんね・・・」

 無音ヘリの監視の下、警戒をしていますが、こちらに向かってくる存在ありません。

「未確認の存在も、姿を消しています」

 体温がけ確認できた3人も、何処かに言ってしまったようです。

「夜襲を仕掛けるつもりは、無いのですか?」

「元帥、ここまで移動する時間を考えると、今日は、人は来ないの可能性が高いです」

「そう言えば、そうでした・・・」

 昨日来た連中は、最初からこの付近にいた、もしくは移動手段を持っていた存在です。それ以外の人達が、ここまで来るとしたら、ある程度準備しなければこれません。

「では、今日はこのまま少し休んで、明日の早朝から、準備をしましょう」

 そう言って、私は寝床に行きます。砦の中央に、私室が作られていて、眠りの棺が既に用意してあります。

「うにゃ!」

「はぁ・・・」

 棺の中には、十色がいました。

「そちらの状態は?」

「武器は、クロー系の武器を作ってみたにゃ。防具藻色々と作ったにゃ!」

「迷宮のほうは?」

「勇気がいる場所までの道を確保するにゃ。後、くろとらを貸して欲しいにゃ」

「それに関しては、任せます」

「くろとらを、改造しても良いにゃ?」

「それは駄目。村雨を含めて、色々と改造済です。後で確認をお願いします」

「うにゃ」

「それで、なぜ此処に?」

「何故でしょうね?」

「はぁぁ・・・」

 私は、ため息をつきながら、横になります。

「辛いかにゃ?」

「辛いといえれば、楽になるのかな・・・」

「元帥は、まじめに考えすぎるにゃ」

「そうはいっても、少し前までは、普通の日本人だったんだ。簡単に、割り切れない・・・」

「私は、日本人でしたが、守護獣と交じり合って、だいぶ変化したという。自覚はあるにゃ」

「・・・」

「辛いなら、私と交じり合うにゃ」

「言葉の意味を、理科視しているのですか?」

「むしろ、理解していないと思っているのかにゃ?」

「辛いから、と言うのは、ちょっと違うかな・・・。魅力的ではありますが、今はやめて起きましょう」

「にゃぜ?」

「私も、一応男ですからね。流されてというよりは、自分の意思で動きたいというものです」

「へんにゃの」

「まぁ、今日は、こうしてもらいましょう」

「にゃ」

 すぐ側にいた十色を抱きしめる。

「この温度が、丁度いいですね」

「にゃぅ・・・」

 

 早朝、色々と準備を始めます。十色のおかげで、色々と回復できた気がします。

 砦の中央に、作戦室を作ります。

 モニターを設置して、監視を強めます。

 捕虜の中の1人、ブルーと言う子が、協力してくれる事になりました。生き残った中では、最年少の少年です。黒の国の所属ですが、戻っても殺されるだけだから、協力したいと言ってきました。

 それなりに、怪しいですが、人で不足は事実なので、色々と設置するのに使っています。ちなみに、監視をよんが担当しているので、逃げたり反乱を起こしてもすぐに制圧されるでしょう。

 ブルーをこき使いながら、色々な装備を各地に設置していきます。働くといったのなら、使うしかありません。

 私自身も、色々と製作して、設置してきます。

 日が昇る前には、砦は立派な要塞へと変化しました。

「疲れました・・・」

「ご苦労様です。これまでの働きは、中々でした。今日の所は、休んでいいですよ」

「でも・・・」

「多分、貴方にとって辛いものを見るかもしれません」

「それは、ある程度覚悟しています」

「そうですか。なら、よんを手伝ってモニターの監視をお願いします」

 

 一連の出来事は、色々と不可解な事が多いです。冒険ギルドの試練なら、冒険者がやって来ると思っていたのですが、やって来たのは、子供たちです。

 しかも、全員ボロボロの服装で、大きな荷物を背負っています。

「魔物は、どうしていますか?」

「あの子供たちは、魔よけの札を持っています」

「背負っているのは?」

「毒物の可能性が高いです。荷物と接触している肌が、変色しています」

「それで、良く此処までこれたものだです」

「要塞から。5キロの所に、敵のキャンプを発見しました」

「5キロですか?昨日夜は何もありませんでしたよね?」

「転送の魔法陣で、先程転移を確認」

「そんなものまで、転送できるのですか・・・」

「そこから、射出されたみたいです」

「生身でですか?」

「着地で、1人死亡しているのを確認」

「相手は?」

「不明です」

「子供たちは?」

「解りません。ただ、射出装置の関係で、重量の軽い子供が選ばれたのでしょう」

「外道が・・・」

 子供数は、全部で6人でした。全員が、要塞の風上に移動して、荷物を降ろします。

 そして、同じように動きながら、荷物から何かをこちらに向けて飛ばします。

「メリアムに付けられていた、包帯みたいなものか?」

「恐らくそうでしょう。行動を支配する、魔法陣を着けられている可能性があります」

 飛び出した毒薬は、風に乗ってこちらに向かってきます。飛び出した瞬間、すぐ側にいた子供たちは、それを吸い込んで倒れてしまっています。

「助けられるか?」

「元帥なら・・・多分」

 さんが、悲しい声でこちらを見ます。にぃは、十色についていっているので、この場所にはいません。

「了解、出撃する!」

 私は、子供たちの風上に既にいました。フルフェイスのヘルメットは、防毒機能は完璧です。

「さんは、無音ヘリで、子供たちを回収、よんは、回復機を用意してくれ、ブルーを使っても良い」

「了解です」

 毒物は、飛散しながら要塞に向かいますが、届く直前で燃え上がりました。

「まずは、お前らからだ!」

 アンディを走らせ、転移してきたキャンプ地に向かいます。その途中、監視をしていた人を発見しました。

「何で、こちらの場所がっ・・・」

 上手く隠れていたつもりでしょうが、無駄です。機能のうちに運び込んでおいた、最新の探索機”探索球”の性能は予想以上の出来でした。名前に捻りがありませんが、探索球は見たまんま丸い形の物です。

 50センチの丸い球、それが探索球です。魔法陣と、昨日取り込んだ機神のデータ化作った監視と攻撃にも使える便利な道具です。この周辺には、現在12個の探索球が存在していた、さまざまなデータを集めています。

「まずは、1人・・・」

 拳銃をつくり、今はそれを装備しています。普通の拳銃ではなく、レーザー光線を撃てる銃です。これも、機神のデータから、作れました。恐ろしい技術を持っている存在がいるみたいです。レーザー銃は、関していた男に当たると、相手を灰にしてしまいました。威力が高すぎます。

「威力の調節も、出来るようにしなければ・・・」

 そんな事を考えながら、狙いを定めます。

「抵抗は、しないでくださいね・・・」

 次の一撃を、キャンプ地めがけて打ち込みます。

「ぐぎゃぁあぁぁぁぁ」

 次の瞬間、叫び声が響きます。威力が落とせないなら、拡散させました。

 探索球を狙い、それに当たった光線は、狙ったとおりに分散して。キャンプ地にいた敵に命中しました。

「動かないでもらいましょうか・・・」

 責任者らしい存在を見つけ、銃口を突きつけます。威力が分散したので、かろうじて、生きている状態です。

「こ、降伏する。命だけは、助けてくれ・・・」

「貴方たちの、所属は?」

「黒の国だ」

「あの子供たちは?」

「わが国の少年兵だ。実践に投入して、経験をつませる。この国の兵士なら、一度は通る道だ・・・」

「何故、私を狙う?」

「機神の奪回。あれは、聖王国の切り札だ」

「機神は既に、ありませんよ。召喚するための道具が、壊れました」

「・・・」

「貴族らしい人物がいますが、身代金を払いますか?」

「機神が無いのなら、その者に価値は無い。作戦は失敗した・・・」

「そうですか、他にも捕虜がいますが?」

「我々は、手を引く。わが国は、身代金を払えるほど裕福ではない」

「そうですか、では貴方だけは見逃しましょう。他の人を、治療するだけの余裕は、そちらにありますか?」

「・・・」

 責任者と思われる人物は、大怪我のまま、転送の魔法陣で逃げていきました。残っているのは、大怪我をしている12人の少年少女です。

「さん、アメリカントラックを、起動してください」

「了解しました」

「ブルーを、荷台に乗せてください。手伝わせます」

「はい」

 数分後、巨大なトラックがやってきました。荒地が多いので、用意した移動手段です。どんな悪路でも走行可能な、アメリカンなトラックです。コンテナの部分は、色々と装換可能になっています。

「隊長、どうすればいいですか?」

 ブルーは、私の事を隊長と呼ばされています。元帥と呼んでいいのは、彼女達だけのようです。

「倒れている人達を、コンテナに収容してください。

「は、はい」

 無音ヘリを通じて、ポーションの投薬はすんでいます。命を失う事はないでしょう。

「姉さん・・・」

「知り合いか?」

「姉です」

「そうですか・・・」

 助かった一人を見て、ブルーがつぶやきました。

「全員収容したら、撤収してください」

「解りました」

 アメリカントラックを運転していたのは、さんでした。小さい猫人が、操縦している光景は、少しほほえましいです。

「子供たちは?」

「全員、治療中です」

「なら、急いで、この子達を回収してください」

「ブルー、何をしているのですか、急いでください」

 姉を見つけて、動かないブルーを、さんが叱ります。


「助けなくても、いいのに・・・」


 突如、恨みのこもった声が、あたりに響きます。


「この世界の人間を、助けるというのなら、貴方は私の敵です!」


 黒い、闇の炎をまとった少女が、突然姿を現します。

「ここで、燃え尽きなさい!」


 姿を現したのは伊藤さん。

 こうして、同じ日に召喚された異世界人との、戦いが始まるのでした。



 3日に1度のペースで更新予定です。

 アルファポリスさんでも投降しています。


 オーバーラップWEB小説大賞に、応募してみました。

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