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灰色の冒険者  作者: 水室二人
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覚醒

 そして、また夢の中。


「疲れているのでしょうか?」

「憑かれているのかもね・・・」

 

 夢の中のはずなのに、今度は見知らぬ声が聞こえます。


 すぐ側に感じるのは、何かの意識です。物凄く巨大な様で、物凄く希薄な存在。そんなものが、私に語りかけています。


「僕の名前は、無い。この世界の管理人の1人です。よろしくね」

「随分と、軽い感じの管理人なのですね」

「まぁ、僕はそう言う存在だからね。君に、告げるために少しだけやって来ただけだし」

「私が、何かしたのですか?」

「この世界の、昔の話と今の話。君に関係あって、僕が説明に来たんだよ」

「昔の話ですか?」

「そう、この世界の昔の話・・・」


 管理者の話を簡単にまとめると、こういう感じになりました。


・過去に栄えた王国で、召喚魔法の研究がされていた。

・召喚魔法で、異世界から戦力を集めるとき、異能の力を加える事に成功した。

・強すぎる異能の力を持ったものを召喚してしまった。

・それを倒すために、一度この世界の魂を異世界に送り、元に戻す計画が進められた。

・二重の異能を得る存在を作り、この世界に転生させて、強すぎる異世界人を倒す計画だった。

・強すぎる異世界人は、その能力を暴走させ、果て無き迷宮へと姿を変えてしまった。

・燕魂計画と言う計画は、途中で失敗して魂だけが行き場を失い異世界へと旅立った。


「つまり、私はその燕魂計画の産物ですか?」

「君以外にも、今回の召喚で来た10人の内4人が該当するよ」

「私と、十色、伊藤さんと、斉藤かな?」

「正解、凄いね」

「十色は、魔眼みたいなものを持っていたといっていましたからね。伊藤さんと斉藤は、なんとなくでしたが、正解ですか・・・」

「君は、元の世界で異能の力があったんだよ」

「倉庫の中身は、そう言うことなんですね・・・」

「そう、君は異世界で接したものを、解析して記録する能力を持っていたんだよ」

「そうなると、研究室は、元の世界からあったということですか?」

「半分正解。いまの状態になったのは、この世界に来てから。君の能力の怖いところは、この世界に来て開花してしまったんだ」

「怖い所ですか・・・」

 管理人と言う存在に、そこまで言われる能力が、私にあるみたいです。

「それは、自分で考えてね。次は、今の話だよ」

「君は、選ばれました」

「選ばれた?」

 選ばれると言う事に、あまり嬉しくない感じがします。

「この世界が認める、8人の魔王の1人に、君は選ばれました」

「もしかして、始穣香が言っていた魔王のことですか?」

「そうだよ。理の8人の魔王。この世界の管理人たちが、暇つぶしの為に名付けているランキングの一つに、君は選ばれました」

「それは、喜んでもいいことですか?」

「これは、当事者しか知らない事だから、喜んでいいよ。特に、目的もないし、使命もないよ。ただ、世界が認めた称号だよ」

「当事者と言うと、私が選ばれた事、落ちた存在がいるのでは?」

「正解、落ちた人、もう一度ランクを狙うか、そのままになるか、色々だよ」

「特別に、今のランクを教えてあげるね」


・多才な可能性を秘めた、予測不可能な存在が君。

・守護者と一体化した、猫を支配する存在、十色。

・異世界は渡り歩き、時を越えた存在、始穣香。

・愛の力で、急成長を遂げる存在、那由太。

・支配する能力を持つ存在、メリアム。

・意識は無く、何もない、広がる存在、無名。

・時間を支配し、人を導こうとする存在、銀河。

・武を極め、力こそ全ての存在、玉石。


「これが、今の8人の魔王魔王だよ。君と十色がランクインしたから、2人落選したよ」

「それは?」

「それは、秘密。そのほうが面白いからね」

「・・・」

「さて、伝える事は、伝えたから、僕は帰るね」

「何処に?」

「この世界の、どこかにだよ。僕たちは直接介入する事はしないから、せいぜい楽しませてね」


 その直後、近くに感じていた存在が消えました。今度こそ、ゆっくり眠る事ができると思いましたが、本命がやってしきました。

 なぜ、私が魔王の中に選ばれてしまったのか?

 それは、解析が終ったからです。メリアムの持っていた能力の解析。始穣香と戦った事、一応メリアムとも戦った事になっているみたいで、徳を大量に経た事で、私自身の進化が始まってしまいました。

 一応、人のままでいたかったのですが、これは人と呼べるものではない。そう感じてしまうほどの、情報が私を駆け巡ります。


 大量の徳を得た事で、研究室が研究所へと進化しました。現状名前だけしか変わりませんが、利用しだいで大きな可能性を秘めています。

 次に、私自身と、演算機が接続されました。研究室に行かなくても、演算機だけは、自在に操る事ができます。

 これは、データの検証がリアルタイムで出来るので、三姉妹たちが集めた情報を演算機に入力すれば、離れていても私のほうで利用できると言う、優れた機能です。もっとも、研究所になったことで、同時に使える扉の数も増えたので、転移の魔法陣なしで、研究所を使えば転移みたいな事ができるようになりました。


 メリアムの、支配の能力も、解析した結果ほぼ使えるようになりました。

 ただ、これはかなり危険な能力です。他人を意のままに操る事が可能という、危険な力。言霊に似た感じもしますが、その強さは始穣香よりも上かもしれません。

 もっとも、理屈が解明されたので、対抗手段も作る事ができそうです。私は、相手を支配すると言うのは、興味がありません。ただ、支配できるものには、興味あります。

 この力があれば、動きや、技、技術さえも支配できます。

 今まで、何とか誤魔化して猫型の村雨を作る事ができました。しかし、人型の兵器は、色々と難しく、人が装着してそれを強化する、パワーアーマー的なものが限界でした。

 しかし、この支配する力を使えば、物の動きを支配して、制御し、乗りこなす。

 子供の頃からの憧れ、人型ロボットが作れるかもしれません。

 この事に気づいて、私の心は久しくないほどの興奮で溢れています。

 異世界連れてこられて、良かったと思ってしまっています。

 私は、力を手に入れてしまいました。

 恐らく、この寝ているような状態は、進化の途中なのでしょう。

 目が覚める気配が、やってきません。

 一刻も早く、目覚めて、色々と試したい。

 勇気のこともあるので、時間は限られています。

 仕方ないので、演算機を起動させます。

「外側は、やっぱりこれですよね・・」・」

 某、ロボットアニメの敵の乗っていたメカ。個人的には、かなり好きなのです。

 乗っていた人物の評価はあまりよくなく、こいつ何を言っているの?と言うときもありました。

 裏切り行為をして、権力を手に入れたので、その辺も好きではありません。

 メカの名前も微妙でしたが、そのデザインと性能は好きでした。

「流石にそのままでは、まずいので、色々と気ままにアレンジしてみましょう・・・」

 自分好みに、形を変えてみます。

 外伝漫画で、このメカをアレンジした作品があり、そっちに近い外見になっています。

 イメージでは、5メートルほどの大きさになりそうです。この世界の魔物で、巨人系の魔物の大きさが、確認できているので10メートルなので、それよりは小さくなります。

 余分な武装は無く、シンプルにライフルだけを持っています。それだけでも、この世界の戦力としては、一騎で国を落とせる物になりそうです。

 胴体に、機関銃と、隠し腕を作ります。

 外見が出来た跡で、中身を作ります。

 支配の能力を魔石に組み込み、それを胴体に設置します。それを中心に、操縦席を作り、人の体を参考に、擬似骨格と筋肉を詰め込みます。

 魔力を流すことで、擬似筋肉が動き、稼動します。それらの動きを、支配の魔石がコントロールします。

 イメージで、操縦桿を動かしてみます。こちらのイメージどおりに、動きを支配して、その通りに機体は稼動します。

「さて、私は何をすればいいのでしょうね・・・」

 この試作機を、自由に乗りこなしてみたいという気持ちはあります。

 完成させるのも、時間がかかるかもしれません。

 その為には、色々とやる事があります。


「早く、目が覚めますように・・・」


 そう願うと、私の意識は再び深い眠りに落ちていくのでした。



 3日に一度のペースで更新予定です。


 アルファポリスさんでも投稿しています。


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