仲間探し
時間があったので、更新。
異世界人の館には、談話室がある。
取りあえず、そこに行って見ると、誰もいなかった。確か、勇気は果て無き迷宮に行くと言っていた。
ほかの人たちも、迷宮に行ったのかもしれない。
いつ戻ってくるのか聞いていないので、ここにいても無駄だろう。仕方ないので、館の中を探索してみる。
適当に歩いていると、中庭にたどり着いた。そこに広がっていた景色は、とても素晴らしいものだった。
「これは、天国なのか?」
なぜ見世界に、これが存在しているのか疑問だが、細かいことはどうでもいい、そこに猫がいるのなら!
「にゃー」
「にー」
と、近づくと猫達は鳴きながら近寄ってくる。人になれた猫のようだ。異世界の猫なので、泣き声が違ったらどうしようかと不安だが、同じ猫の様だった。
「すまないが、餌は持っていないんだよ」
擦り寄ってくる猫には申し訳ないが、今の私は何も持っていない。猫道具を急いで作る必要がありそうだ。
「極悪非道な人ですね」
「ん?」
猫達が集まっている中から、声がした。
「期待させるだけで、何も無いなんて、最低ですよ」
「それは、申し訳ない」
そこには、だらしなく寝転んでいる女の子がいた。食事会のとき、ニートと言っていた子だ。
あの時は、服装もいい加減だったし、前髪で顔を隠していたので、女の子とは気づかなかった。
今は、服装はいい加減だけど髪を上げているので、女の子と解った。
見た感じ、凄く不思議な子だった。美人とは言えない。可愛いと思うけど、物凄く可愛いと言うほどでもない。だけど、目を離せない。
それは、私だけではないのだろう。猫達も、彼女の周りに集まって動こうとしない。最初、私に近づいてきた子も、彼女の声を聞いた途端、彼女の元に行ってしまった。
「確か、一色さんだよね?」
「そう、一色十色。職業は引きこもり」
「刈谷正義だ。職業はサラリーマンかな?」
「疑問系?」
「この世界で、サラリーマンは無いだろう」
「この世界でも、引きこもりはある」
なぜか、彼女は勝ち誇る。
「・・・」
そして、無言でこちらを見つめる。
「思ったより、深刻?」
「何が?」
「・・・貴方は、大丈夫ですか?」
「?」
「私に見つめられて、平然としているから・・・」
「まさか、魔眼の持ち主とでも言うのかい?」
「そうだよ」
「ここに来てから?」
「はっきりしたのは、そう。でも、前から私は変な魅了の魔眼を持っていた」
「変なの?」
「私の側にいると、私を襲いたくなるらしい」
「それって、かなり危険では?」
「思うだけで、実行されたことは無い。でも、変な気分になるといわれたことなら。山のようにある」
「はっきりしたと言うのは?」
「私の能力に、魅了の魔眼というのがあった」
「ほかの能力は?」
「自爆」
「っへ?」
「私の周りには、変な人が集まってくる。この世から、消えたいと何度も思っていた。だから、この世界に来たときに、自爆と言う能力がついたと思う」
「精神コマンドかよ・・・」
「最初は、使えるコマンドだったのにね」
「修理費の安いユニット限定だけどな」
「ほかにもあるけど、刈谷さんはどうなの?」
「私の能力かい?」
「ううん、私の魔眼の影響」
「特に、何も感じない。精神耐性とかは、ないけどね」
「毒?」
「その発想は、無いと思いたい」
この広場には、私達二人と猫だけだ。だけど、何処で誰が聞いているのか解らない。
しかし、この子は何処まで理解しているのだろう?私は今、性欲に関することを何かで制限されている。
解除するわけには行かないので、そのままだ。
「刈谷さんは、猫好きですか?」
「大好きだよ」
「では、この子を連れて行ってください」
そう言って、子猫を差し出す。
「なぜ?」
「この世界では、猫は異世界人の使わした使者となっています」
「大事にされているのか?」
「それは、とても」
確かに、この子達は丁寧に扱われているのだろう。
「私も、一匹貰う許可を得ました。せっかくなので、刈谷さんもどうぞ」
手渡され猫を受け取る。真っ白のきれいな猫だった。
「それでは、失礼します」
そう言って、彼女はこの場所から立ち去った。
受け取った猫を連れて、部屋に戻る。途中で、アイさんにあったので、猫の入室許可を得る。
研究室の扉を出し、猫を招き入れる。私以外の存在が、ここには入れるのか気になっていたので、実験もかねてのお招きだ。
「にゅあー」
無事なかに入った猫を、一応解析機で解析する。
「・・・」
普通の猫だけど、なぜか魔力を持っていて、私よりもかなり量が多い。ほかにも、マーキングと言う状態になっていた。これが何なのか、今はわからない。一色さんがこの子を渡したのには、意味があるのだろう。
研究室から戻り、部屋でごろごろしながら、猫を見つめる。至福のときが、ここにある。
「にゃー」
「さすがに、異世界の猫でも、言葉は話せないんだな」
「にゃー、にゃー」
ころころと、転がる子猫。そういえば、名前をどうしようかな。
「お前の、名前は、どうしようかな?」
「十色で、いいですよ」
「へ?」
「十色ですにゃー」
猫がしゃべったのは、異世界だからと納得すべきなのか、それよりも、この声は、昼間あった一色さんの声だ。
「十色と呼んでくださいにゃー」
「何で?」
「十色は、生まれ変わったのですにゃー、にゃふふ」
とすっと、目の前に着地する猫。
「これから、よろしくお願いしますにゃ」
1週間に2話ぐらいのペースで更新予定です。
今週は、時間が出来たので、少し増量中。




